IPO・資金調達を目指す企業におすすめ 社外への契約書共有もスムーズに
グランドグリーン株式会社
取締役CFO 瀧田 証 様 経営管理部 人事・労務・総務担当 村野 遙 様
- Excelでの契約管理に限界を感じてLegalForceキャビネを導入
- IPO準備や資金調達で契約書を社外関係者と共有したいときに便利
- 検索機能が充実していて、特定の条項が欠落している契約書を探すことも簡単に
ゲノム編集技術を用いてさまざまな種苗開発を行うグランドグリーン株式会社。食品・農業分野で勢いのあるアグリバイオベンチャー企業は、締結済みの契約書をどのように管理し、そこに潜むリスクをどう制御しているのでしょうか。同社の契約管理を担う瀧田様、村野様にLegalForceキャビネの導入経緯や活用方法について聞きました。
法務担当役員がチェックした契約書を総務担当者が管理・保管
貴社の事業内容について教えてください。
取締役CFO 瀧田 証 様
瀧田様 当社は2017年に名古屋大学で設立された、次世代の食・農を創造する研究開発型のアグリバイオベンチャー企業です。
事業には大きな柱がふたつあり、ひとつはゲノム編集技術を用いた種苗開発です。これは食品メーカーや種苗会社の依頼により、新しい品種を共同開発するビジネスで、目標となる品種の作出に向けた戦略策定からゲノム編集の実施、データ取得までを一気通貫で支援します。もうひとつは、当社独自の種苗を開発する事業で、開発された品種は種苗会社や生産者に販売しています。
グランドグリーンはこの「品種改良サポート」と「オリジナル品種開発」をメイン事業に据え、新しい作物と生産のあり方を種苗分野から提案している会社です。
契約書の審査や管理・保管体制について教えてください。
瀧田様 契約審査は法務・知財担当の役員が1名で行っています。締結後の契約書は我々経営管理部に回され、総務担当者がLegalForceキャビネで管理・保管を行います。経営管理部は私を除き4名のチームで構成され、それぞれが総務・人事・経理・財務などを担当しています。
村野様 LegalForceキャビネにアップロードする契約書の数は、毎月5件程度です。取り扱う契約類型は、秘密保持契約(NDA)や業務委託契約が多いです。共同研究開発が多いのでそれに関する契約や名古屋大学との契約などもあります。
IPOを見据え、外部関係者に契約書を共有するため導入を決意
LegalForceキャビネを導入された理由や、導入以前の課題感について教えてください。
瀧田様 一番の課題は、契約書が網羅的に管理できていなかったことです。締結した契約書はPDF化してフォルダに格納し、Excelの台帳で管理していましたが、更新日の確認や自動更新の有無の把握が十分ではなく、対応漏れのリスクを抱えていました。
事業が拡大するにつれて取り扱う契約書の数が急増し、Excelでの契約管理に限界を感じたためLegalForceキャビネの導入を決めた背景があります。
村野様 契約書はもともとPDFで保管していたので、LegalForceキャビネを導入する際の負担も少なく、導入後の作業フローも大きく変わることはありませんでした。むしろExcel台帳に情報を記入する業務がなくなったので、ストレスは大幅に減っています。
瀧田様 当社はIPOを視野に入れているので、監査法人や税理士など外部の関係者に対し、契約書の共有が必要な場面があります。これまでの管理方法だと、この共有作業に大きな障壁があったので、その解消を図りたかったというのもLegalForceキャビネ導入の理由のひとつです。
作業時間を10分の1に短縮、大幅な業務効率化に
LegalForceキャビネの活用方法と導入効果を教えてください。
経営管理部 人事・労務・総務担当 村野 遙 様
村野様 締結済みの契約書は全てLegalForceキャビネにアップロードするようにしています。以前はExcelの台帳に契約締結日や契約相手、契約開始日・終了日、自動更新の有無に加え、管理番号や特記事項、格納フォルダのリンクなども入力していました。LegalForceキャビネ導入後は、こういった項目が自動入力されるので、手間と時間が省けています。作業時間が10分の1ほどに短縮でき、大幅な業務効率化を図れたと思います。
経営陣や事業開発部のメンバーにもアカウントを発行しているので、各自必要な契約書は自身で検索できるような体制になっています。
瀧田様 以前はフォルダごとに格納していたため、会社名での検索がメインでしたが、今は日付でも探せるようになり、検索性が大きく向上しました。経理処理の際に月次で契約書の内容を確認することがあるのですが、期間を区切って必要な契約書を探せるので便利です。特に共同研究開発に関する契約は後から内容を見返すことも多いため非常に助かっています。
また、外部との共有がしやすくなった点は大きな導入効果だと感じます。以前は社内用と社外用で2つのフォルダを作成し、監査法人や証券会社の依頼に応じてその都度対応していましたが、LegalForce キャビネはアクセス権限をユーザーごとに設定できるため、適切な閲覧権限を付与することで簡単に契約書を共有できるようになりました。都度対応する必要がなくなり、業務負担を大幅に減らすことができたと実感しています。
マイナス検索で反社条項がない契約書をピックアップ
LegalForceキャビネで特に気に入っている機能があれば教えてください。
村野様 アップロードした契約書は全文テキストデータ化されるため、契約書に含まれる単語から必要な契約書を検索することができます。特に私が重宝しているのは、特定のキーワードを除外するマイナス検索です。この機能を使うと、例えば「反社条項が欠落している契約書のみを探す」などの作業が簡単にできるので非常に便利です。
また、実際に締結した契約の数とLegalForceキャビネにアップロードした契約書の数が一致しているか確認するため、定期的に日付やアップロード日でも検索するようにしています。さまざまな切り口で検索できる機能が充実している点もLegalForceキャビネの魅力のひとつです。
瀧田様 シンプルなUIでとても使いやすいです。以前は契約書を階層の深いフォルダに格納しているケースもあり、目的のフォルダを探すだけでも一苦労でした。直感的な操作で、すぐに使えるユーザビリティの高さが気に入っています。
村野様 関連する契約書や覚書を紐付けて登録できる機能も便利ですね。従来の管理方法だとこうした関連契約書の紐づけができず、契約書や覚書を一から探さなければなりませんでした。登録が多少手間かもしれませんが、一度紐付けてしまえばとても見やすくなります。
関連契約書の紐付けイメージ 複数の契約書をリンクすることができる
今後どのようにLegalForceキャビネを活用していきたいですか。
瀧田様 契約管理業務におけるさまざまな課題を解決するための機能が詰まっていますし、新たな機能も定期的に追加されます。これからもしっかりと使いこなしていきたいと思います。
村野様 確認が必要な契約書にフラグを付けて管理できる「フラグ付け機能」をさらに活用したいですね。我々管理者側の視点だけではなく、事業開発部や経営層、社外の関係者など閲覧者側の視点を反映したフラグ付けルールを作り、社内全体でさらに便利に活用していくことを検討中です。
フラグ付け機能イメージ 注意事項を記載して保存すると契約書にフラグが付く
IPOの準備や資金調達を検討している企業にはおすすめ
LegalForceキャビネをどのような企業、法務部に勧めたいですか。
村野様 当社がそうだったように、契約管理をExcelなどで行っている企業におすすめです。手間を省くのはもちろんですが、やはり怖いのはヒューマンエラーです。ひとつの見落としや入力ミスが大きなリスクになり得るので、ツールを活用すること自体がリスクの制御に繋がると思います。
瀧田様 IPO準備や資金調達で証券会社や監査法人と契約書のやり取りをしなければならない企業に勧めたいです。当社の場合は以前、社外用のフォルダを都度作成して共有する作業が発生していましたが、その作業自体がなくなりました。契約書を安全且つ簡単に共有できるようになったメリットは大きいですね。
(取材日:2022年11月)※掲載内容は取材当時のものです。