事業部からの依頼をもれなく管理 他業務と兼務で行う契約審査の手間や労力を削減
株式会社ネットワールド
業務管理部 兼 コンプライアンス室 次長 加治 義久 様
- コロナ禍で契約審査をデジタル化
- 案件管理で社内全体のコミュニケーションの負担を軽減
- 契約審査にまつわる手間や労力を大幅にカット
株式会社ネットワールドは、ITインフラのソリューション・ディストリビューター。「最先端のICT製品と、最新の技術力で、クラウド時代を切り拓く。」をミッションに掲げ、企業のIT基盤を構築する製品と関連サービスを提供しています。
コンプライアンス室に所属し、法務業務にも携わる加治様にLegalForceの導入で変わった契約審査や案件管理の方法について聞きました。
人員不足で繁忙期には契約審査に手が回らず
法務部門の組織体制や業務内容ついて教えてください。
法務業務は管理本部のコンプライアンス室が私を含め2名体制で担っています。契約審査は月に30~40件ほど発生しており、営業やマーケティングの部門からメールで依頼があります。
取り扱う契約類型は売買契約、業務委託契約、秘密保持契約(NDA)などが中心です。海外企業との取引もあるので、英文契約書を審査することもあります。
私自身は業務管理部の仕事も兼務しており、そちらでは主に与信審査に携わっています。
法務との仕事量は半々ですが、年度末などの繁忙期は業務管理の仕事が忙しく、契約審査に手が回らないことも多々ありました。
コロナ禍で感じた「紙での契約審査」の限界
LegalForceを導入された理由や、導入以前の課題感についてお聞かせください。
LegalForce導入前は紙ベースで契約審査を行っていました。そもそも契約書をデータで見るという習慣がなく、メールで送られてきた契約書は一度紙に印刷してからチェックしていました。
気になったことをその場で書き込める手軽さはありましたが、コロナ禍で在宅勤務が導入になったことでそれが難しくなりました。以前から検討していた契約審査のデジタル化を推進するチャンスだと感じ、LegalForce主催のセミナーに参加し導入を決めました。
LegalForceひな形を参考に自社ひな形を整備
実際にLegalForceを使うときの流れを教えてください。
事業部からメールで契約審査の依頼を受けたら、すべての契約書をLegalForceにアップロードしています。そのうち、ボリュームが大きいものを「自動レビュー」にかけるようにしています。
自動レビューの結果を参考に契約書を読み進めながら、実際の取引状況を念頭に指摘内容の採用・不採用の判断をしています。
自動レビューイメージ アラート内容とサンプル条文・関連情報が表示される
「LegalForceひな形」を参考に、自社のひな形づくりも行いました。
これまでひな形を新たに作成するときは専門書を読んだり実務に即した書物をイチから紐解いたりするのに手間や時間がかかっていましたが、LegalForceの導入でこうした手間から解放されました。
LegalForceひな形画面イメージ
弁護士事務所が監修した約600点を搭載している(2021年12月時点)
紙にマーカーをひいて確認していた修正履歴が一目瞭然に
LegalForceで特に気に入っている機能はありますか。
「バージョン管理」が気に入っています。
取引先との契約書のやりとりが多くなると、更新のたびに新しいデータを保存することになりますが、いままではファイルが増えるとどれが最新版かわからなくなることがありました。そのたびに契約書を紙で印刷してマーカーを引きながら確認していましたが、バージョン管理を使い始めてからはその必要がなくなりました。
バージョン管理イメージ 過去のバージョンからの履歴を確認できる
当社では契約審査後に改めて社内決裁を取るため、契約書を添付した申請書が回ってくるのですが、審査から締結までの時間が空いてしまうこともあり、添付されている契約書が法務でのチェックを経た最新バージョンなのかどうかを照合する作業がとても大変でした。
LegalForceのバージョン管理を使うことで、契約書が修正された履歴をひと目で確認できるようになりました。他のバージョンとの比較もボタンひとつでできるため、差異がある箇所をすぐに発見できるようになりとても助かっています。
「案件管理」で契約に関する情報の一元管理を実現
他にも気に入っている機能があれば教えてください。
「案件管理」は重宝しています。
専用のアドレス宛に契約書の作成や審査を依頼するメールを送ると、その内容がLegalForceに自動で反映され、各種案件を一括で受け付けられる機能です。
以前はメールの添付ファイルを一度ダウンロードしてからLegalForceに取り込む必要があり、複数の案件を並行して進めているときには添付ファイルを間違えてしまうこともありました。案件管理を使い始めてからはすべての依頼を漏れなく取り込めるようになり、契約審査に関する情報の一元管理ができるようになりました。
メールに記載されていた案件についての情報もLegalForceの中で確認できるので、膨大なメールボックスのなかから審査依頼時の情報を探す、といった工数を削減できています。
案件管理イメージ
専用アドレス宛にメールすると案件がLegalForceに自動的にアップロードされる
また、以前は担当者の割り振りがうまくいかず、同じ案件を2人が審査してしまうということもありました。案件管理で担当者が一目でわかるようになったので、業務分担に関するコミュニケーションの負担も減っています。
一方で、今まで通り法務部宛にメールを送れば案件管理に入るよう、メーリングリストを使って設定しているので、契約審査を依頼する事業部側の運用は変わっていません。500人ほどの社員がスムーズに利用できています。
結局一番大切なのは、契約書に基づき会社の取引が正しく行われることです。事業部からの依頼方法など契約に関わる業務を整備してきたことにより、契約に関する社内のコミュニケーションが活発化したのは、当社のビジネスを進める上でも良い影響があるのではと感じています。
LegalForceの導入で自社に不利な条文の洗い出しも楽になりましたが、法務の立場から頭ごなしにNGは出しません。もちろん独禁法や下請法違反にあたる場合は指摘しますが、それ以外は助言レベルに留めて現場の判断を尊重するようにしています。
審査の質を一定に保ち、手間や労力も大幅に削減
LegalForce導入によって感じている効果を教えてください
LegalForceを使っていて良かったと感じる点は、審査の質を一定に保てることです。人の手ですべて対応しようとするとどうしても抜け落ちや「前と言っていることが違う」というズレが起こります。審査しきれているか不安が残ることもありました。
LegalForceはこうした問題を解決できる機能が備わっていました。
以前よりも網羅的に契約審査を行うようになったため、契約書の中身をチェックする時間自体は導入前とあまり変わっていないのですが、メールを探す手間や労力など審査以外で要していた工数を大幅に削減できたと思います。
今後どのようにLegalForceを活用していきたいですか。
現在当社では2名体制で法務業務を行っていますが、今後人員が増えた際には「コメント」をうまく使いたいです。他のメンバーが審査をした契約書に対してLegalForceの中でコメントをつけられるので、契約書のダブルチェックにおいて部署内のコミュニケーションツールとして活用できるのではと考えています。
LegalForceをどのような企業、法務部に勧めたいですか。
LegalForceは規模の大小を問わず、すべての法人に有効だと感じています。法務業務は属人化しがちですが、LegalForceを導入すれば法務スキルの有無にかかわらず、レビュー品質の均一化が図れるでしょう。法務部門にある程度の人数がいる企業であればより効果を実感できると思います。
(取材日:2022年4月)※掲載内容は取材当時のものです。