LegalForceは正しい目的地へ導く契約書チェックの「カーナビ」-サントリー法務部における活用法
サントリーホールディングス株式会社
リスクマネジメント本部 法務部 部長 兼 コンプライアンス室 部長 明司 雅宏様 リスクマネジメント本部 法務部 間宮 千紘様
- 法務へのAI活用の可能性を感じ、プロダクトパートナーに参画
- LegalForceの条文検索機能により、契約書チェックの利便性が大幅に向上
- 個社ごとの交渉履歴反映など、さらなる機能改善に期待
持株会社としてグループ各社の法務を担当
サントリー様の事業について教えてください。
サントリーホールディングス株式会社 リスクマネジメント本部 法務部 部長 兼 コンプライアンス室 部長 明司雅宏様
明司様 サントリーグループは酒類・食品のリーディングカンパニーとしてお客様に製品をお届けしている他、「人と自然と響きあう」の企業理念のもと、環境経営にも積極的に取り組んでいます。法務部はグループ会社299社を束ねるサントリーホールディングスに属し、上場企業であるサントリー食品インターナショナル以外の、グループ各社の法務を担当しています。
法務部の体制と業務内容について教えてください。
明司様 法務部には19名が在籍し、弁護士の有資格者が7名いる他、中途入社者や新卒入社者がいるなど、様々なバックグラウンドを有するメンバーで構成されています。
業務の分担方法については、法律分野とグループ内の担当企業よって責任領域を定め、個別に担当を分けています。ジョブローテーションは2、3年ごと、約7年でグループ全社を一周するイメージです。
サントリーホールディングス株式会社 リスクマネジメント本部 法務部 間宮千紘様
間宮様 例えば私は、法律分野としては労働法や独禁法や下請法、企業としてはサントリーウェルネスなどを担当しています。自身の担当領域において、日常的な契約書チェックをはじめ、多岐にわたる法務業務を担当しています。
法務分野でのAI活用に期待し、プロダクトパートナーに参画
LegalForceにプロダクトパートナーとしてご協力いただいたきっかけは何でしょうか?
明司様 法務分野でのテクノロジー活用、特に、契約分野におけるAIの活用については、かねてより可能性を感じていました。そんなときに、LegalForce創業者のお二人と出会い、プロダクトパートナーとして参画させていただきました。
「条文検索機能」があれば人の記憶に頼らずに済む
LegalForceをどのようにお使いになられていますか?
明司様 機械が問題点を絞り込み、それをもとに人間が判断を行うという点で、LegalForceの自動レビュー機能は、たとえるなら運転におけるカーナビのようなものだと考えています。契約書のレビュー業務において、安全に、正しく目的地に到達するのに欠かせないツールに今後なっていくでしょう。日常的な契約書チェックの業務については、メンバーに「1回はLegalForceのレビューを通すよう」伝えています。
間宮様 契約書レビューを行う際は、まずは自分の目で通読して、その後、LegalForceの自動レビューにかけるようにしています。自身の契約書レビュー結果に安心感を持つための「よりどころ」という意味で、心強いツールだと感じています。また、自動レビュー機能によって注意すべきポイントが絞られるので、後輩の契約書レビュー結果をチェックする際にも便利です。
サントリーホールディングス株式会社 リスクマネジメント本部 法務部 間宮千紘様
明司様 その他、法務部で管理する過去の契約書をLegalForceの社内ライブラリにアップロードしています。それまで、自社の過去の契約情報の多くは、ファイルサーバーや各自のメールに添付されたまま無造作に管理されている状態でした。
やっと検索できたと思っても、ファイルを開くまで中に書かれている内容がわからないため、関連する契約、条項を調べたいというときには古くからいる人に「こういう案件がないか」と問い合わせることも多くありました。
LegalForceライブラリに契約書データをアップロードしておけば、条文検索機能から瞬時に目的の条文を参照できるため、圧倒的に検索の利便性が高まりました。
間宮様 また、条文検索についてはWordアドイン機能によってWord文書を開いたまま検索が可能になり、検索結果を用いて直接Wordで修正を行えるようになったため、さらに使いやすくなりました。
「ナビ」の進化で「運転」に集中できる未来に期待
今後、LegalForceに期待することをお聞かせください。
サントリーホールディングス株式会社 リスクマネジメント本部 法務部 部長 兼 コンプライアンス室 部長 明司雅宏様
明司様 現状のLegalForceは、カーナビでいう初代で、ルート計算はあるが、渋滞情報が加味されていないという状況です。次世代バージョンでは「この相手の契約交渉ではこの条項についてはチェック不要」というような個社ごとの交渉状況を加味した最短ルートを提示してくれるようになるといいですね。
法務のコアバリューは、取引におけるリスクをどのようにマネジメントするかにあります。ナビの精度が上がることで、ドライバーが運転に集中できるように、LegalForceの進化により法務がコアバリューを発揮する業務により注力できるようになることを期待しています。
(取材日:2019年 9月30日)※掲載内容は取材当時のものです。