100年企業に起こった「革命」 5,000件の契約管理をスマートに
株式会社辰巳商会
社長室 室長 白石 徹 様 総務部 次長 車田 俊和 様 総務部 都司 日菜子 様
- 100%紙ベースの契約管理に限界を感じていたタイミングで導入
- 困難だった契約書管理台帳作成も「アップロードするだけ」で実現
- 契約書探しはわずか1分 約5,000件の契約を「見える化」
大阪市に本社を置く株式会社辰巳商会は、1920年から続く100年企業。内航海運や港湾運送などの事業を展開する総合物流会社であり、とくに硫酸や苛性ソーダなどの輸送量・タンクターミナルの保管能力は国内トップクラスです。同社の契約管理を担う白石様、車田様、都司様にLegalForceキャビネの導入経緯や活用のポイントを聞きました。
事業部門ごとに現場を理解した社員が担当
法務部門の組織体制や業務内容について教えてください。
社長室 室長 白石 徹 様
白石様 当社には法務部門がなく、契約書の作成・審査・管理、顧問弁護士への法律相談などは、9つある事業部門ごとに対応しています。現場のことをよく理解した社員が法務に携われるため、このような体制をとりました。
全社的な取り組みは、各部門の代表者からなる内部統制委員会を設置し討議しており、法務関連の内容もこの場で推進しています。部門間での対応基準の認識合わせや、契約審査・管理のあり方、社員の法務レベルの底上げなどをテーマに、部署を横断してさまざまな施策に取り組んでいるところです。
私と車田は内部統制委員会の事務局員を兼務しており、現在は都司を含めた3名を中心に契約管理を行っています。
震災による逸失も経験 紙で管理する限界を感じていた
LegalForceキャビネを導入された理由や、導入以前の課題感について教えてください。
白石様 100%紙ベースで契約書を保管しているため、契約書の確認が必要な場面で、すぐに探し出せないことが大きな課題でした。戦前から事業を行う当社は、多数の取引先と長いお付き合いがあり、それぞれ何十年もの間に契約書の変更・追加、基本契約に紐づく覚書の締結などをしてきたため、書面の量は膨大です。
契約書は東北から九州まで全国の事業所それぞれが保管していましたが、事務所の移転などで保管場所が変わることもあり、どの契約書がどこにあるかをすべて把握するのは困難でした。
紙のままでは契約書逸失のリスクが大きいことも問題でした。2011年の東日本大震災では、東北の沿岸部にある事業所が被災し、契約書も津波で流されてしまいました。こうした経験もあり、契約管理の方法を一刻も早く紙ベースでの管理からクラウド上でのデータ管理へ移行するべきだと考えていました。
そこで、導入ツールの候補として挙がったのがLegalForceキャビネです。当社はもともとLegalForceを利用していたこともあり、新サービスとしてLegalForceキャビネを知りました。まさに探していたツールだったので早速一部の事業部で使ってみたところ、タイトルだけでなく条文で検索できることや、権限管理も可能なことが大好評で、全社的な導入を決めました。
閲覧権限設定イメージ
契約書をスキャンするだけ 負荷が少なくスムーズに導入
全社導入の進め方や、社内の反応について教えてください。
総務部 次長 車田 俊和 様
車田様 導入にあたって社内からネガティブな声はありませんでした。各部門に依頼したのは、紙の契約書を複合機でスキャンしてPDF化し、LegalForceキャビネにアップロードすること。LegalForceキャビネは、契約書をアップロードするだけで内容を読み取って管理台帳にしてくれるので、導入時の作業負担も少なくスムーズに導入できたと思います。
白石様 実は、契約書の管理台帳作成を試みたことは過去に何度かありました。最初は紙の契約書をファイルに綴じて、手書きで目次をつくる方式。その後Excelでもチャレンジしましたが、いずれも各部門担当者の負担が大きく、全社的に浸透しませんでした。LegalForceキャビネなら、アップロードするだけで均一なクオリティの契約書台帳をつくれる。当社にとってこれが最大の導入効果でしたし、プロダクトの大きなバリューだと思います。
業務負荷軽減や契約の「見える化」を実現
LegalForceキャビネで特に気に入っている機能があれば教えてください。
総務部 都司 日菜子 様
都司様 マニュアルを見なくてもすぐに使えるシンプルなデザインが気に入っています。1年前に総務部に異動してきたばかりで、契約書に携わるのも初めてでしたが、LegalForceキャビネは特別な知識がなくても使いはじめることができました。社内からの依頼にも速やかに対応できています。
白石様 私は権限管理が気に入っています。事業部門ごとの運用から全社管理に移行するステップとして、これはどうしても必要な機能でした。各部門の実情に応じて、社員ごとにアクセスできるフォルダや使える機能を細かく設定。部門を超えて契約書を閲覧することも容易で、適切な情報管理と情報共有を両立できるようになりました。
LegalForceキャビネ導入によって感じている効果を教えてください。
白石様 私にとってLegalForceキャビネの導入は革命でした。契約書を探す行為だけで言えば、30分かかっていたものが1分になった感覚です。以前は、各部署に電話して探してもらうことを繰り返していましたが、LegalForceキャビネで検索すれば他の社員を介さず自分で簡単に契約書にアプローチできるので非常に助かっています。
契約の「見える化」も実現しました。現在格納されているおよそ5,000件の契約書について、どういう契約書が多いのか、どんな条項が並んでいるのかという傾向がつかめてきました。足りない文言や条項なども「条文検索」を使って一瞬でチェックすることが可能です。また「更新期限の⾃動リマインド」によって、契約更新のタイミングでの内容見直しを確実に行えるようになりました。
条文検索 イメージ
今後どのようにLegalForceキャビネを活用していきたいですか。
白石様 まだLegalForceキャビネを使ったことのない社員にも浸透させていきたいです。実際に使えばすぐに便利さに気付いてくれるので、ツール操作に不慣れな社員にも活用を促していきます。
また、ヘルプセンターのサポートが素晴らしく、今後も活用したいと思っています。わからないことがあった際はサポート窓口にチャットで問合せをするのですが、レスポンスが早く、回答も的確で助かっています。サービスに関する要望も伝えやすいです。
ツール導入でジャンプアップ「歴史が長い企業に勧めたい」
LegalForceキャビネをどのような企業、法務部に勧めたいですか。
白石様 当社のように歴史が長い企業こそ有効に使えると思います。社齢が高い企業は契約書の件数が多いため契約管理が複雑です。また前例を踏襲する文化の中で契約管理の方法がおざなりなっている。そんな企業は少なくないのではないでしょうか。そこに新しい仕組みとしてLegalForceキャビネを取り入れることにより、従来のやり方では対処しきれなかった契約管理の課題に風穴を開けることができます。
新しいツールを導入する際はもちろん多少の負荷がかかるものです。LegalForceキャビネの場合は「今ある契約書を全てデータ化してアップロードする」という壁さえ乗り越えることができれば、リーガルテックのメリットを一気に享受できると実感しています。ツールの導入を機に、歴史が長い企業でありながらも、新しいことに貪欲に取り組む企業としてジャンプアップできたと思っています。