
LegalOnを起点に業務の可視化と効率化を実現 急成長企業が選んだ法務DXの道
株式会社電通ランウェイ
コーポレート統括本部 コーポレート事業部長 兼 総務部長 岡田朱紀子 様 コーポレート統括本部 コーポレート事業部 法務ユニット 坂上美由紀 様

- 検索性の高さを評価しLegalOnを導入
- 案件の内容をでLegalOnに蓄積しナレッジマネジメントを実現
- 契約の締結状況が可視化され、更新漏れも防止
属人化からの脱却と事業成長を支えるツール選定
御社の事業内容について教えてください。
岡田様 私たち株式会社電通ランウェイは、2019年に株式会社電通のメディア推進部門からスピンアウトして設立された総合広告会社です。
電通グループの中ではスタートアップの位置づけで、現在は7期目に入りました。株式会社電通からの出向者4人で始まった会社ですが、現在は約170人(2025年7月現在)まで成長し事業を拡大しています。
設立当初はメディア選定やプランニング、広告枠の購入などメディアコミュニケーション分野に重点を置いていましたが、現在はブランドエクスペリエンス領域に力を入れており、ブランド体験全体を設計できる企業を目指しています。分業制を敷かず、少数のマルチスキル人材が一気通貫してプロジェクト全体を先導できるのが当社の強みです。
クライアントには外資系企業が比較的多く、飲料、ヘルスケア、ヘアケア、OTA(オンライン旅行代理店)、動画配信プラットフォーム、飲食チェーン、IT関連まで様々です。
法務部門の体制や業務内容について教えてください。
岡田様 当社はコーポレート統括本部とアカウント統括本部の2本部制で運営しており、会社全体の法務業務はコーポレート統括本部のコーポレート事業部 総務部 法務ユニットが担っています。法務ユニットでは契約法務をはじめ法務相談全般、社内規程の管理運用、係争対応、商標管理、商事法務、登記対応などを幅広く担当しています。
コーポレート統括本部 コーポレート事業部長 兼 総務部長 岡田朱紀子 様
坂上様 契約法務の主な業務は契約書レビュー、新規契約書の作成・改訂、ひな形管理など、社内承認手続きから締結後の管理まで一連のプロセスを、責任者1人と担当2人の体制で行っています。
LegalOn導入前は、どのような課題があったのでしょうか。
岡田様 坂上がジョインする前は、私が1人で法務業務を行っており、その前も最大で2人体制でしたので、クライアントごとの契約内容や契約の進行状況、レビュー履歴などは私ともう1名の担当者の記憶と記録に頼っている状態でした。
また、電子契約システムは導入していたものの、未締結の契約書や締結済み契約に関する各種書類、契約更新・解約のタイミングなどは適切に管理されておらず、過去の契約を振り返るのも属人的な対応になっていました。
事業拡大のタイミングであり、法務の増員も見込んでいましたので、情報共有の仕組みづくりも喫緊の課題でした。
坂上様 私は入社後、法務業務を担当することになりましたが、当初は契約の進捗や締結状況が一目でわからなかったため、過去の案件を探すのに時間がかかっていました。締結済みと未締結の契約書が同じシステム内に混在しており、検索性が低かったことも大きな課題でした。
Dropboxでファイル管理などを進めましたが、会社全体の成長に伴いより効率的な契約管理システムが必要と考え、LegalOnの「マターマネジメント」と「コントラクトマネジメント」の導入を決めました。
数あるツールの中で、LegalOnを選んだ理由を教えてください。
岡田様 決め手になったのは検索性の高さと操作のしやすさです。改正電子帳簿保存法の施行に対応する必要があり、特に検索性の高さが求められていました。当時使っていた電子契約システムは必要な情報を現場で手入力してもらう必要がありましたが、LegalOnは自動で入力された情報を法務側で確認できる点が非常に魅力的でした。
また、相談者側の手間を増やさず、法務側で情報を一元管理できるという点も評価しました。
検索性の高さがもたらした新しい契約管理のかたち
検索性の高さがもたらした新しい契約管理のかたち
坂上様 依頼案件はマターマネジメント専用のメールアドレスで受け付けます。送られてきた契約書は2名の担当者のうち1名が一次担当者としてまずレビューし、その後もうひとりの担当者がダブルチェックを行ってから依頼者に戻します。案件に関するすべての履歴がLegalOn上に残るため、進捗状況の把握や記録の振り返りがしやすくなりました。
岡田様 Dropboxも併用していますが、LegalOnには日々の業務のやり取りがナレッジとして蓄積されます。例えば、新しいメンバーが入ってきた際にも、過去のやりとりを検索すれば契約の経緯や流れが一目でわかるのは非常に助かっています。
また、締結後の契約書は、コントラクトマネジメントで契約状況や契約期間、自動更新の有無などを一元管理できるようになりました。探している契約書にもアクセスしやすくなり、大きな業務効率化につながりました。
導入にあたり苦労した点などはありますか。
坂上様 旧システムからのデータ移行作業が非常に大変でした。締結済み・未締結の契約書や社内決裁用の文書、株主総会の議事録などが混在しており、約2000件のデータを整理・再分類して移行する必要がありました。
ただ、LegalOnのサポートチームには導入段階からきめ細かく伴走していただきました。問い合わせにも迅速に回答していただき、本当に頼りになりました。
特に気に入っている機能はありますか?また、御社独自の使い方などあれば教えてください。
坂上様 コントラクトマネジメントに標準搭載されている「契約情報の手動補正」機能がお気に入りです。自動入力機能に加え、オペレーターが目視で内容をチェックしてくださるので、正確なデータ管理が実現できました。
また、検索性に関しても非常に満足度が高いです。契約書名や取引先名だけでなく、メールの本文に書かれたキーワードからも検索できる点は便利ですし、契約終了日が近いものや更新時期が近づいた契約を一覧で表示してくれる機能も重宝しています。検索性が高いので、案件ごとに行ったミーティングのメモなども契約書に紐付けて保管するようにしています。
導入後の成果・効果について教えてください。
坂上様 契約締結の進捗状況を可視化できるようになったことで、未締結案件への対応が格段にスムーズになりました。また、契約終了日が近いものを自動でリストアップしてくれる機能も、期限管理に非常に役立っています。
岡田様 以前は未締結案件の把握が困難でミスが発生することもありましたが、今では進捗状況を常に確認できるようになり、定期的にアラートを出す運用が定着しています。これによりマネジメント層への報告や指示が迅速に行えるようになりました。
「世界一相談しやすいチーム」の構築を目指して
法務部門の目標や、法務として目指す“あるべき姿”などについて教えてください。
坂上様 社内の契約に関する意識をあげていく余地があると感じており、まずはLegalOn を通じて「自分の契約を自分で管理する」ということを容易にする環境を整えたいです。日々の業務が会社のリスクにつながる可能性があり、会社のみならず自らを守るために契約があるということ、同時に「自分がやりたいことを確実にやりきる」という攻めの意味でも契約が重要であることを伝えていきたいです。
全社員がLegalOnのアカウントを持っているのも、契約のオーナーシップを現場に持ってもらいたいという思いからです。全社員が契約内容をたやすく確認・把握でき、法務は会社や社員を確実に守りながら取引実現の支援をするという環境を整えたいと思っています。
岡田様 私が統括する部署では「世界一相談しやすいチーム」の構築を目指しています。そのために大切にしているのは二つの観点です。一つは、相談されたことにしっかりと応えられる“クオリティ”。もう一つは、スピード感や声をかけやすい雰囲気などの“定性的な相談のしやすさ”です。
LegalOnを導入し、法務領域においては特に、相談対応力の向上にはツールの活用が不可欠であったと実感しています。LegalOnによって過去の契約の検索性が向上し、回答の質も高まりました。記録も自動で蓄積され、チームとしての対応力が強化されています。
今後の事業拡大に備え、ツールの力を借りながらより良い法務体制を築いていきたいと考えています。
LegalOnをどのような企業にすすめたいですか?
坂上様 少人数で効率的に法務を回したい企業にはおすすめです。当社は契約書の検索が楽になったことで、未締結案件の管理や期限切れ契約の確認に余裕を持って取り組めるようになりました。こうした作業に手間をかけず、本来の業務に集中したい法務部などには最適なツールだと思います。
岡田様 LegalOnは、法務の働き方を大きく変えるツールです。当社でもLegalOnを使ううちに課題や改善点への“気付き”が増え、メンバーが積極的に提案をしてくれるようになりました。法務チーム全体の提案力や視野も広がったように感じます。