レビュー時間が4分の1に レスポンスの速さで顧客満足度向上と新規顧客獲得を実現
ガーディアン法律事務所
代表弁護士 木谷倫之先生
- 契約書レビューにかかる時間が4分の1以下に
- 既存顧客の満足度向上だけでなく新規顧客獲得の効果も実感
- 顧問契約を結ぶメリットを目に見える形で示すことができる
東京都国分寺市に開設し、現在は八王子市、立川市にもオフィスを構えるガーディアン法律事務所。家事事件と企業法務を中心に取り扱う代表弁護士の木谷先生に、導入の経緯や活用のポイントを聞きました。
ガーディアン法律事務所の特徴や木谷先生の得意分野について教えてください。
ガーディアン法律事務所は、2016年に東京都国分寺市に開設した法律事務所です。現在は八王子市、立川市にもオフィスを構えています。クライアントは西東京エリアや神奈川県の方が多いです。事務所には9名の弁護士が在籍しており、特定の分野に強みを求めるというよりは、人物・能力重視で採用しています。
私自身は司法修習の終了後、都内の大手法律事務所に入所し、債務整理を中心に5年ほどキャリアを積みました。当時、企業からの相談はスポットでたまに対応する程度でしたが、ガーディアン法律事務所の設立後は、家事事件を中心に扱うかたわら、企業法務も手がけるようになりました。現在、企業法務が占める割合は取引全体の10%~20%ほどです。
AIを活用した契約書レビューの集客効果に期待して導入
LegalForceを導入された理由や、導入以前の課題感について教えてください。
契約書レビューの効率化、および精度の向上が課題でした。企業法務の中でも契約書レビューのニーズは多く、ケアレスミスがないよう確認するのに時間がかかるため、精度の高いAIを活用したレビューに魅力を感じていました。
以前よりリーガルテックに興味があり、色々なセミナーに参加して情報を収集する中でLegalForceを知ったのがきっかけです。LegalForceを活用し、迅速かつ正確に契約書レビューができることをアピールすれば集客につながるのではと期待していました。また、自社で法務部門を設けるほどの規模ではないけれども、AIを使った契約書レビューに興味があるという企業の助けにもなれるのではと考え、導入を決めました。
「自動レビュー」を活用し数分でファーストレビューを提示
実際にLegalForceを使うときの流れを簡単に教えてください。
依頼された契約書は、まずはLegalForceの「自動レビュー」にかけます。そのレビュー結果をもとにファーストレビューとしてクライアントに返すので、早いときは数分で対応できています。
ファーストレビューを返した後は、いったんまっさらな状態で契約書を読み、どこが法的リスクなのかの仮説を立てた後に、LegalForceのレビュー結果と照らし合わせてコメントを入力します。その際には、自動レビューの「サンプル条文・関連情報」の記述も参考にしています。コメントの入力が終わったら、完成版のレビュー結果として、再度、クライアントに電子メールで送付します。
自動レビューイメージ 修正や抜け落ちのアラートがでる
クライアントからはWord形式で契約書を受け取ることが多いので、LegalForceの「Wordアドイン」も活用しています。Wordの中でLegalForceを開いてレビューをすることができるので、使い慣れた環境で作業ができるのが便利です。
他にも気に入っている機能があれば教えてください。
「LegalForceひな形」をよく使っています。弊所では新たに契約書を作成する場合は顧問費用外で対応しています。しかし、参考になるひな形を提供するだけであれば我々も負担がほとんどないため、無料でLegalForceひな形をお渡ししています。特に秘密保持契約や業務委託契約のひな形の要望が多く、クライアントにも喜んでいただいています。
LegalForceひな形イメージ
700点以上のひな形をダウンロードできる(※2022年8月時点)
レビュー時間が4分の1に 顧客満足度の向上も実感
LegalForce導入によって感じている効果を教えてください。
仕事が劇的に速くなりました。契約書レビューは、契約の背景や体裁面まで細かく確認すると、1件で2時間ほどはかかります。まとまった時間が取れないと、そもそも仕事に取り掛かるのが遅くなってしまっていました。
今では、まずLegalForceでファーストレビューを返しているので、クライアントからすると数分で一次レビューを受け取ることができます。レスポンスの速さという点で、非常に満足度が高いです。
その後の弁護士によるレビューも、定型的な部分はLegalForceを使って洗い出し済みのため大幅に時間を短縮できます。1件あたり30分前後、早いものだと10分ほどでレビューできるようになりました。人の目だけで見るより圧倒的に速く、AIの威力を実感しています。
LegalForceをダブルチェックに活用したことによる品質向上も大きな効果です。たとえ弁護士であっても「条ずれ」や「甲乙の書き間違い」といったケアレスミス、本来必要な条項の抜け漏れがどうしても生じます。特に、抜け落ちている物事を検知するのは、人には難しいものなので、とても助かっています。
ファーストレビューをすぐに返すようになってからは、クライアントから契約書レビューを催促されることも無くなり、既存顧客の満足度が向上しました。また、新規顧客の呼び水になっていることも実感します。導入前にねらっていた通りの効果を実現できており、LegalForceは費用対効果が高いツールだと感じています。
顧問契約を結ぶ対価を目に見える形で示すことができる
LegalForceをどのような企業、法律事務所にすすめたいですか。
まずは法律事務所に導入をおすすめしたいです。今の時代、初回の相談に無料で応じている法律事務所も多いですし、「何か困ったときの備えとして、顧問契約を結んでください」という提案ではクライアントの心には刺さりません。もっとはっきりと目に見える形で対価を示す必要があります。その対価として契約書レビューは重要です。たとえばIT系のベンチャー企業をクライアントとして想定する場合、業務委託契約や秘密保持契約、サービスの利用規約などチェックが必要な書類を多く扱っていますので、顧問契約の対価を示しやすくなります。
民間企業の場合は、社内である程度契約書レビューができている企業におすすめします。法務機能が全くない企業の場合、レビュー結果をどこまで参考にすべきなのかを迷ってしまうこともあると思います。最初のうちは法律事務所など社外の専門家のサポートを受け、社内にノウハウがたまってきた段階でLegalForceを導入すれば、業務効率化の恩恵を受けることができるのではないでしょうか。
(取材日:2022年8月)※掲載内容は取材当時のものです。