契約審査の回答時間が丸一日短縮 「勉強熱心な法務部員が1人ふえた安心感」
ミズノ株式会社
法務室 法務課 課長補佐 齊藤 裕様
- 契約審査の省力化とスピードアップに期待
- 審査結果の回答にかかる時間が丸一日短縮
- 業種や規模を問わず、すべての企業のおすすめしたい
「より良いスポーツ品とスポーツの振興を通じて社会に貢献する」という経営理念を掲げる総合スポーツメーカー、ミズノ株式会社。
同社を法務面から支えるのは20名の法務室メンバー。法務課の齊藤様に、LegalForceの導入経緯やLegalForce活用のポイントを聞きました。
新規事業で契約件数は倍以上に。審査業務の省力化とスピードアップに期待し導入
法務室 法務課 課長補佐 齊藤 裕様
法務部門の組織体制や業務内容について教えてください
当社では法務室に所属する約20名のメンバーが、法務課と知的財産課にわかれて法務・CSR関連の業務を行っています。
法務課は契約審査、法律相談対応、環境・CSR調達活動の管理などを担当。
知的財産課は著作権や意匠権といった知財管理などを担当しています。
法務課のうち、契約審査を行うのは法務担当の5名のメンバーで、月に50件ほどの契約書を審査しています。
法務課に新入社員が配属されることは少なく、営業や企画などの部門を経験し、自社のビジネスの全体像を理解しているメンバーが多いのが特徴です。
LegalForceを導入された理由や、導入以前の課題感について教えてください
LegalForceに期待したのは、契約審査の省力化とスピードアップです。
当社ではワークシューズや運動プログラムの販売、企業用のユニフォーム製作などの新規事業に注力しており、異業種のお客さまと契約する機会が増えています。
それにともない、契約審査の件数が8年で2倍以上に増え、現在は月50件ほどの審査を行うようになりました。
一方で、法務課の人数は増えていません。
そのため、契約審査を担当するメンバーの負荷が高まり、審査結果を営業部門に回答するのが遅くなっていました。
2012年時点では平均3日で回答できていたものが、LegalForceを導入する直前では平均5日ほどかかっていました。
リーガルテックの力を借りて契約審査を省力化し、営業部門やその先にいるお取引先さまに対してスピーディーに審査結果を返したいという思いが強まりました。
また、法務課の担当業務は契約審査だけではありません。定型的な業務はリーガルテックの力を借りて行い、人間は付加価値の高い業務に注力したいという思いもありました。
法務部員一人ひとりの「法務力」を向上させ、社内の法務力の底上げにもつなげられればと思い、LegalForceの導入を決意しました。
LegalForceを使うときの流れを簡単に教えてください
契約審査を依頼されたら、各案件の担当者が契約書を一読してから「自動レビュー機能」にかけています。
標準の類型に該当しない契約書や、内容が複雑な契約書は人力でチェックしますが、その際には「条文検索機能」や「LegalForceひな形」を使います。
自動レビュー機能イメージ。リスクがある部分にアラートが出る
自動レビュー機能にかけたあとは、サンプル条文や関連情報を読み、契約書の修正に反映しています。
LegalForceは人力だと発見しづらい抜け漏れも指摘してくれて、新しい気づきを得ています。
また、契約書の中で最もボリュームが多い売買契約については、「重要度設定」でアラートの重要度を変更し、自社の方針に合った審査基準を設定しています。
お客さまに契約書をご確認いただいたあとは、修正内容にリスクがないか再度自動レビュー機能で確認したり、修正内容の見落としがないか確認するために「比較機能」を使ったりしています。LegalForceはPDFでもらったドラフトも読みこめるので重宝しています。
LegalForceで特に気に入っている機能があれば教えてください
特に気に入っているのはLegalForceひな形ですね。最新のビジネストレンドが押さえられていて助かっています。
LegalForceひな形イメージ。600点以上の契約類型からひな形を探すことができる
(※2022年2月時点)
たとえば、最近は「インフルエンサーマーケティング契約」のひな形を活用しました。
インフルエンサーの方々と協業する機会が増えていますが、市販の書籍にはこうした新しいビジネスの契約については取り上げられているものがあまりなく、また出版されるまでに時間差があります。
LegalForceひな形はトレンドにあわせたひな形が随時追加されているので大変重宝しています。
契約審査の回答が丸一日短縮。勉強家の法務部員が1人増えたような安心感
LegalForce導入によって感じている効果を教えてください
LegalForceの導入後、審査結果の回答までにかかる時間を、平均で5日から4日に短縮することができました。自動レビュー機能の活用で、抜け漏れを確認する時間を減らせたことが大きいです。
また、修正文例を考える際の調べ物の時間も、条文検索機能を使って短縮することができました。
コロナ禍以降はテレワークが増え、会社にある書籍や資料を見に行けず、参考となる条文の調査に時間を要していました。LegalForceはテレワークの推進にも一役買っていますね。
契約審査の速度・品質の両面が向上した実感があり、まるで「勉強家の法務部員」が1人増えたような安心感をもって仕事ができるようになりました。
法務戦略の立案、グローバル展開の支援… 「攻め」の法務部門へ
今後どのようにLegalForceを活用していきたいですか
自動レビュー機能の重要度設定をもっと活用していきたいです。
現在は売買契約のみ設定していますが、他のタイプの契約書にも広げて、自社好みにカスタマイズしたいですね。
LegalForceの活用を進めると、人間が定型的な業務に割いていた時間が浮くようになります。この時間を使って、契約書の管理体制を整備するなど、法務の「守り」を固めていきたいです。
守りを固めた後は、事業部門に対して、法務戦略の立案やグローバル展開の支援といった「攻め」の法務提案をしていきたいです。
法務部門は事業部門から見ると近寄りがたく思われがちですが、積極的に事業に貢献することで法務室のプレゼンスを高めていければ理想的ですね。
LegalForceをどのような企業、法務部に勧めたいですか
LegalForceは、業種や規模を問わず、どんな会社にでもおすすめできます。企業法務に必要な機能を満たしているソリューションだからです。
法務部門の人手が少ない小規模な企業や、「とりあえずこの契約書を見てほしい」と各部門から頻繁に依頼されるような企業には、LegalForceが提供してくれる判断やアドバイスがひとつの指針になるかと思います。
また中規模~大規模の企業でも、法務業務の定型的な部分と、人間の目が必要な部分を見きわめて活用すれば、大いに役立つはずです。
企業によってニーズは異なるでしょうが、私はすべての会社にLegalForceをおすすめしたいです。
(取材日:2021年11月)※掲載内容は取材当時のものです。