法務部門強化に伴い導入 「無くてはならない存在」に
トータリゼータエンジニアリング株式会社
総務部 コンプライアンスグループ 課長代理 矢澤 章彦 様
- 法務部門強化に伴い、契約審査の量と質を向上するために導入
- 急ぎの案件にも柔軟に対応 契約審査に不可欠のツールに
- 専門性の高い知見に触れることで、積極的に業務にコミットできる
公営競技の運営を技術面から支える、トータリゼータエンジニアリング株式会社。事業の多角化が進む中、さらなる法務部門の強化を推進している矢澤様に、LegalForceの導入経緯や活用法を聞きました。
会議体の運営などを兼務しながら法務も担う
貴社の事業内容について教えてください。
当社は富士通フロンテック株式会社の100%子会社にあたり、競馬・競輪・ボートレースなどの公営競技の運営に必要な機器の販売、システム開発、保守運用などを長年に渡り提供し続けています。昨今では自治体等のお客様を中心に、公営競技場の運営を包括的に受託する機会も増えています。たとえば、従来から提供している保守運用業務だけではなく、現地の受付スタッフの手配や、ファン向けのイベント開催、地域貢献施策など企画的な事業も多く手がけるようになり、多角化が進んでいます。
総務部 コンプライアンスグループ 課長代理 矢澤 章彦 様
法務部門の組織体制や業務内容について教えてください。
法務業務は総務部内のコンプライアンスグループが担当しています。業務の約8割は契約審査と事業部門からの法律相談対応で、残りの約2割は株主総会や取締役会、ガバナンス関係の会議体の取り纏めと運営、社内規程や基準の管理などを行っています。よく扱う契約類型は業務委託契約が多く、契約審査と法律相談件数は併せて平均で月20件ほどでしょうか。
私は親会社にあたる富士通フロンテック株式会社からの出向者で、当初は経理を担当していました。当社事業の多角化推進に伴い、親会社との連携は継続しつつも自社内での法的なリスクヘッジ機能の強化と、契約に関するノウハウを独自に積み上げるべきとの声があがりました。そこで私がコンプライアンスグループを兼務することになり、現在は法務を専任で担当しています。
契約審査の量と質を向上させるため導入
LegalForceを導入された理由や、導入以前の課題感について教えてください。
法務担当として部門の機能強化をするために、就任後の1年では「契約審査フローの再構築」「契約審査ツールの導入」「顧問弁護士事務所の選定・契約」などの仕組みの強化を最優先課題としました。特に契約審査においては、その量をこなしつつ品質を向上させるには、従来のやり方では時間とリソースが圧倒的に足りないと感じました。
LegalForceの存在を知ったのは、経理に所属していたころに取引先との話題にあがったことがきっかけです。AIを活用した契約審査サービスは今でこそ一般的になりつつありますが、当時はその斬新性から強く記憶に残りました。その後法務に異動し、是非使ってみたいと思いデモンストレーションを受けました。社長や役員にその有益性を説明し理解してもらえたため、導入に至りました。
「自動レビュー」や「比較」で契約審査を効率よく
実際にLegalForceを使うときの流れを簡単に教えてください。
営業部門の担当者から社内のワークフローシステム上で契約書のドラフト版を受領したら、まずは内容を一読し、おおまかなトーンと修正すべき優先順位などを把握します。その後LegalForceにアップロードし「自動レビュー」を使って審査しています。自動レビューのアラートをすべて確認し、契約書の修正の要否を判断するほか、専門書籍を読み込んで論点を深堀検討します。
それらの作業と並行して、営業担当者と可能な限り打合せを実施し、案件の背景や経緯、取引先との関係性、会社にもたらす利益と検討すべきリスクなどをヒアリングすることも重要です。契約規模が大きく精緻に法令検証が必要な場合は、顧問弁護士の見解も積極的に得て判断材料としています。顧客とのやり取りを経て、契約書の最終締結前には「比較」を使い、正しく最終版になっているか必ず確認しています。
比較イメージ 相違箇所がハイライトで表示される
スキマ時間に法律知識を効率よくインプット
特に気に入っている機能があれば教えてください。
「LegalForceひな形」の多様性が気に入っています。営業部門の担当者から自社ひな形の要望を受けることがあるのですが、その際にはLegalForceひな形をカスタマイズして提供しています。LegalForceひな形は多様に揃えられているうえ、弁護士が監修していることや、法改正対応においても信頼でき、迅速に用意できるので非常に有益です。
また、仕事のスキマ時間を活用して普段の業務では扱っていない類型のひな形を読むこともあります。企業によって使用する契約類型に偏りが生じることはあると思いますが、普段なじみの薄いカテゴリの契約書を読んでいるだけでも気づきが得られて、とても参考になります。法務に限らず自らの仕事にさらに付加価値をつけるべく、普段から「組織から何を求められているか」「組織のために何ができるか」について考えているのですが、要望に応えるためには知識のインプットも重要です。その点でLegalForceは、積極的に情報を取りに行く姿勢をアシストしてくれているように感じます。
「条文検索」も重宝しています。契約審査を行っている最中「以前に締結した契約書の表現が流用できそうだな」とふと思い出したときに、条文検索を使えば記憶があいまいでも目当ての条文をすぐに探せます。
条文検索イメージ キーワードを入力すると過去の契約書やひな形から条文を検索できる
LegalForceで急ぎの案件にも柔軟に対応
LegalForce導入によって感じている効果を教えてください。
営業担当者へWeb会議を使ってフィードバックする際には、LegalForceの画面を共有しながら一緒に内容を確認したり、その場でひな形や条文を検索して修正したりできるので、時間のロスが極めて少ないです。営業部門のメンバーから審査の依頼を受けた段階で回答の納期を確認し、急ぎの案件にも柔軟に対応できています。
またLegalForceがあれば契約書の抜け漏れにも気づくことができるので安心です。特に、取引先が指定するひな形をベースに審査する場合に重宝しますね。タイムリーでスピーディー、かつ網羅性も踏まえて契約審査ができる点に、その有用性を実感します。
法務機能を強化したい企業やスタートアップ企業におすすめ
LegalForceをどのような企業、法務部に勧めたいですか。
あくまでも個人的な見解ですが、当社のような法務機能強化を迅速に達成しようという企業や、スタートアップ企業などには特におすすめです。LegalForceはそのニーズに応えられるものだと感じます。LegalForceを活用することで、契約審査が速くなるだけでなく、比較的低コストで品質も高いレベルで標準化できると考えています。
またLegalForceひな形やサンプル条文・関連情報など、企業法務の実践的な知識の入り口を示してくれる機能が充実しているとも感じます。法務部門に限ったことではないですが、人は無意識に「決まった類型に、決まった通りの対応」をしてしまいがちです。LegalForceの裏側にある専門性の高い知見に触れることで、気づきを得ることができ、より積極的に業務にコミットできるようになると思います。AIが発達した現代ならではのツールを使いこなすことで、法務担当者のスキルも向上していくのではないでしょうか。
(取材日:2022年10月)※掲載内容は取材当時のものです。