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【専門家監修】AIエージェントが実現する法務業務の進化とは

【専門家監修】AIエージェントが実現する法務業務の進化とは
この記事を読んでわかること
    • AIエージェントとはなにか
    • AIエージェントと生成AIの違い
    • AIエージェントのリーガルテックでの活用
    • AIエージェントで変わる法務担当者の役割

【2024年 調査レポート】企業における生成AIの活用実態

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谷口 昌仁(たにぐち・まさひと)
監修

谷口 昌仁(たにぐち・まさひと)

株式会社LegalOn Technologies 執行役員・CPO(Cheief Product Officer)

京都大学工学修士課程、ハーバード大学行政経営学修士課程、南カリフォルニア大学経営学修士課程(MBA)修了。経済産業省、小泉総理秘書官補として行政・立法業務に従事。楽天株式会社にて事業長・執行役員を歴任した後、複数のベンチャーで社長としてWebやスマホのアプリ立ち上げからグロースまでを経験。2022年10月にLegalOn Technologies入社。2024年4月より現職。

2022年11月、OpenAI(米国)がChatGPTを発表し、生成AIがトレンドになりました。生成AIについて、LegalOn Technologisが2024年10月に実施した調査では、法務担当者の29%が「現在、業務で生成AIを活用している」と回答しており、今後、生成AIを業務で使いたいと答えた法務担当者は6割を超えています。

そして現在、AI(人工知能)分野で注目を集めているのが、「生成AIの進化版」ともいえる「AIエージェント」です。

この記事では、AIエージェントがどのようなシステムかを紹介したうえで、AIエージェントを搭載したリーガルテックの現状や、法務部門の働き方への影響についても解説します。


AIエージェントとは

AIエージェント(AI Agent) とは、目標達成のために自律的に思考し、計画を立て、タスクを実行するAIシステムです。人間が細かく指示を出さなくても、外部環境の情報を収集・分析し、適切な行動を決定して実行するという特徴があります。主要な特徴は以下の3点です。

自律性

ユーザーの入力に基づいて、目標に向けて自律して行動します。そのため細かい指示は不要で、自己判断で行動を決定します。

学習と適応

実行したタスクから学習し、その経験を基にパフォーマンスを向上させます。ユーザーからのフィードバックも取り入れながら、より効果的な行動方法を学習していきます。

環境認識センサーやAPIを通じて環境情報を取得し、その都度状況を理解します。例えば物流では、交通状況や天候状況を認識し、答えを変えることができます。

AIエージェントと生成AIの違い

生成AIとAIエージェントとの違いは、一言でいうと「自律性」です。生成AIはユーザーの指示に対して応答するのに対して、AIエージェントはユーザーが作業内容を細かく指示しなくても、目標に向かって自律的にタスクを実行します。

そのほか、AIエージェントと生成AIの違いは以下の通りです。

AIエージェントのリーガルテックでの活用

AIエージェントは法務分野にも活用が期待されています。AI法務プラットフォーム「LegalOn Cloud」での活用例を紹介します。

LegalOn CloudのAIエージェント

LegalOn Cloudでは、契約書のレビュー内容や法務相談への回答といったあらゆる作業で入力された情報(ナレッジ)をAIが体系的に整理しています(リーガルドキュメントグラフ)。リーガルドキュメントグラフのイメージ

リーガルドキュメントグラフのイメージ

リーガルドキュメントグラフを使い、ユーザーから与えられた目標をこなすのが、「LegalOn AI Agents」と呼ばれるAIエージェントです。

例えば、契約書レビューの際は、担当者が契約書をLegalOn Cloud上にアップロードし、あらかじめ登録していた自社基準を選択すると、AIエージェントがアップロードされた契約書と突合。差異に対して修正文案を提案します。[事例] プレイブック(自社契約基準)を用いた契約書の修正文案の提案

契約書レビューの際のAIエージェントの動きのイメージ

また、新たに契約書を作成したい時にも力を発揮します。以下の流れでAIエージェントが自律的に動き、担当者に契約書ドラフト(草案)を提供します。※機能開発中

  • AIエージェントが、担当者に質問をしながら契約情報を収集
  • 情報を基に適切な契約書ひな形を選択
  • ひな形をもとに自社基準に合っているかを確認し、ドラフト作成
  • 依頼者に契約書ドラフトを提供

契約書の新規作成時のAIエージェントの動きのイメージ

LegalOn Cloudは、使えば使うほどナレッジが蓄積されていくため、それを使うAIエージェントも成長します。つまり、法務担当者だけでなくLegalOn Cloudを使うすべての人にとって「自社だけのアシスタントを育てる」ことにつながります。

<関連記事>法務が抱える三つの課題と、AI法務プラットフォームが示す解決策

LegalOn CloudのAIエージェントについて、詳しくはこちらの資料をご覧ください。リーガルオンクラウドの製品資料ダウンロード用のバナー

AIエージェントで変わる法務担当者の役割

「守りの法務」によって企業をリスクから守ることは、法務担当者の重要な役割です。

ただ、業務範囲の拡大や、社会的なコンプライアンス意識の高まりによって、契約書レビューや法律相談への対応に日々追われ、新たな事業価値の創造といった「攻めの法務」まで手が回らない法務担当者は少なくありません。

そんな中、AIエージェントは、法務担当者を定型業務から解放し、より創造的な業務に取り組める余裕を与えてくれるでしょう。定型業務が各段に効率化する一方で、新たな役割や働き方が求められることが予想されます。この章では、AIエージェントによって法務担当者の働き方がどのように変わるのかを解説します。

事業・経営の戦略的アドバイザーに

AIエージェントには、これまで発生してきたリスクを指摘することはできますが、リスクテイクするかどうかを判断することはできません。そのため、法務担当者はリスクを認識しつつ、事業・経営を前に進めようとする際に、戦略的アドバイザーとして重要な判断を求められることが増えるでしょう。

たとえば、ビジネスにおける契約締結時にこれまでにないリスクが存在していた際、そのリスクによる企業への影響がどのようなものか評価を求められることが予想されます。

法を使い、新しい価値を作る

やりたいことに対しての可否を問うのではなく、新しい価値やビジネスを創造する業務の支援にも取り組むことが期待できます。

例えば会社が新規ビジネスに乗り出す際に、どのようなビジネスモデルであればビジネスを行えるのかアドバイスをすることや、法的な障壁があれば、法改正を官公庁に提案する「ルールメイキング」のような業務が求められるケースも増えるでしょう。

これからの法務担当者は、AIエージェントをアシスタントとして使うことを前提に、事業成長に貢献する法務として、自分の役割を再定義する必要があります。リーガルオンクラウドの製品資料ダウンロード用のバナー

濱田 祥太郎(はまだ・しょうたろう)
執筆

濱田 祥太郎(はまだ・しょうたろう)

LegalOn Technologies 編集部

中央大学法学部卒、全国紙の新聞記者に4年半従事。奈良県、佐賀県で事件や事故、行政やスポーツと幅広く取材。東京本社では宇宙探査や宇宙ビジネスを担当。その後出版社やITベンチャー、Webメディアの編集者を経て2022年LegalOn Technologies入社し、NobishiroHômuの編集を担当。

#AI

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