契約書管理番号の必要性・目的
契約書の管理業務では、社内に存在する契約書のすべてに管理番号を付与して、整理することが重要です。
以下に、管理番号の必要性と目的について詳しく解説します。
契約書を検索しやすくするため
契約書管理番号をつけることにより、契約書原本と「契約書管理台帳」を紐づけて検索しやすくすることが可能です。
契約書管理台帳に契約書ごとのユニークな管理番号を記録しておけば、その管理番号を頼りに、保管場所のキャビネットなどから特定の契約書原本を見つけ出すことができます。
原本の他にPDFスキャンした契約書の電子データファイルをサーバーなどに保存しているなら、ファイル名に管理番号をつけるなどの方法で、そのデータと台帳を紐づけすることが可能です。
このような紐づけによって、契約書原本やPDFデータファイルを必要なときにすぐに確認できるようになり、会社全体の契約関連業務を効率化できます。
契約書の一元管理を実現するため
「契約管理システム」を使って一元管理する場合にも、統一されたルールのもとで契約書管理番号を付与することが重要です。
契約管理システムとは、締結後の契約書を一元管理できるリーガルテックシステムのことです。契約管理システムを導入する際、システム上にすべての契約書のデータを取り込む必要があります。
この際に、部署ごとにバラバラに管理していた契約書を集めて整理する作業が必要になりますが、契約書管理番号のルールが統一されていないと、その作業が思うように進まない場合があります。番号の重複や欠番などがあると、修正などに余計な手間がかかってしまうかもしれません。
契約書管理番号の採番ルールを適切に管理し、契約管理システムへの移行作業がスムーズに進められるようにしておきましょう。
契約管理システムによってどのように業務を効率化できるかという点について、詳しくは、当ページ内の『契約書管理を効率化する「LegalForceキャビネ」の機能』をご参照ください。
契約書管理番号のつけ方
管理番号を「どのようなルールで付与するのか」は、契約書管理の効率に影響する重要な要素です。契約書管理番号のつけ方として、大きく分けると以下の2種類があります。
- シンプルな通し番号にする
- 桁ごとに意味のある番号にする
それぞれの方法の詳細について、以下に解説します。
シンプルな通し番号にする
管理番号に意味を付与せず、「締結順に数字を付与する」といったシンプルなつけ方が採用される場合があります。
例えば「00001」「00002」「00003」…と、単純に順番通りに管理番号をつけていく方式です。
この方法のメリットとしては、採番ルールがシンプルなので、複雑なルールを設定するよりも運用が簡単なことが挙げられます。
デメリットは、管理番号を見るだけではどの部署のどんな種類の契約書なのかが分かりにくいことです。この結果、契約書の保管場所を間違えるミスや、紛失などのトラブルが起こりやすくなります。
ただ、この点に関しては、どの部署の管轄なのか、取引先の会社名は何か、契約締結日はいつか、といった情報も管理台帳の中で併せて管理しておけば、特定の契約書を探しやすくなるため、上述したデメリットの発生を抑制することができます。
また部署ごとに契約書を管理している場合、シンプルな通し番号だけでは管理番号が重複しやすくなり、「別の部署にも同じ管理番号の契約書がある」という状況が発生しやすくなります。
桁ごとに意味を定義する
1桁目は拠点コード、2桁目は部門コードなど、桁ごとに意味を定義する方法です。
この方法のメリットは、管理番号を見ただけでも契約書の部署や種類などを判別できる点です。保管場所が分かりやすいため、ファイリング作業もしやすくなります。
全社的に統一されたルールで採番することができ、契約書を一つのシステムで一元管理しやすくなる点もメリットです。
この方式のデメリットは、採番ルールが複雑化してしまうことです。設定した採番ルールが適切に運用されるよう、マニュアルや教育の徹底などが必要になります。
また、部署自体の消滅や統合など、管理番号の桁ごとの定義を変える必要性が発生した場合に、ルールの変更や管理番号の修正が必要になる場合があります。
桁ごとに意味を定義する契約書管理番号サンプル
管理番号の桁ごとに意味を付与する方式について、具体的な管理番号のサンプルをご紹介します。
管理番号の桁ごとに、どのような意味を付与すればよいのでしょうか。よくある項目として以下の6つが挙げられます。
- 締結年度・締結日
- 主幹部署
- 支店
- 契約書の種類
- 自動更新の有無
- 年間の契約書通し番号
上記の要素を管理番号に含める場合、例えば以下のような管理番号になります。
この契約書は2022年5月16日に東京支店、営業第1部で締結したものであり、顧客へライセンスを付与する「ライセンス契約書」で、自動更新のあるものだとすぐに分かります。
経理部などで使われている部署コードや拠点コードなどと同じものを使えば、請求書管理・発行など、経理事務との連携もしやすくなるでしょう。
契約書管理番号の付与と併せて必要な作業
契約書管理番号の付与と併せて、契約書の整理のために必要な作業があります。「ファイリングとキャビネットへの保管」と「契約書管理台帳の作成」です。それぞれの作業について以下に詳しく解説します。
ファイリングとキャビネットへの保管
紙の契約書は、管理番号に沿ってファイリングして、キャビネットなどに保管する作業が必要です。
ファイリングの際は、ボックスファイルとインデックスつきクリアファイルを併用するのがおすすめです。
ボックスファイルに大分類のインデックスを記載し、クリアファイルに中分類・小分類のインデックスを記載しておくことで、探している管理番号の契約書がどこにあるのかキャビネットの中から検索しやすくなります。
契約書のファイリング方法について詳しくは以下のページをご参照ください。
<関連記事>
契約書のファイリング方法を紹介!効果的な順番や原本の保管方法まで解説
契約書管理台帳の作成
契約書管理台帳を作成して契約書の情報を一覧化することにより、会社内に存在する契約書が検索しやすくなります。管理台帳には契約書管理番号以外に、契約内容に関する基本情報を記載します。
例えば以下のような内容が管理台帳のデータとして記載されるのが一般的です。
- 契約書管理番号
- 契約書タイトル
- 締結先会社名
- 契約書の種類
- 契約書原本の郵送日(電子契約の送信日)
- 契約締結日
- 有効期限・更新期間
- 担当部署・担当者機密保持条項など特定の条項の有無
- 契約金額
エクセルで契約書管理台帳を作成する場合、これらの項目を手入力する手間がかかります。特に社内に多くの契約書があるなら、これらの項目を入力するだけでもかなりの負担となるでしょう。
アップロードした契約書の内容を抽出し、システム内の管理台帳に自動入力もしてくれる機能を備えている契約管理システムなら、この入力の手間を省くことが可能です。
管理台帳作成の自動化について詳しくは、次の項目をご参照ください。
契約書管理を効率化する「LegalForceキャビネ」の機能
「LegalForceキャビネ」は、契約書管理を効率化できるシステムです。特に役立つ2つの機能をご紹介します。
契約書管理台帳の自動作成
LegalForceキャビネには、契約書管理台帳の作成を効率化する「管理台帳自動情報登録」機能があります。
アップロードしたPDFなどの契約書データファイルから、当事者名、契約書の開始日・終了日、自動更新の有無などの情報をAIが抽出し、契約書管理台帳へ登録する機能です。
この機能により、スキャンした契約書の内容を見ながら契約書管理台帳へ手入力していく手間を大幅に削減できます。
もしも「管理台帳自動情報登録」機能によって自動登録された情報に一部誤りがあったとしても、スキャン結果を見ながら手動で補正することもできます。一部の契約書で手動補正が必要になったとしても、全ての契約書を手入力で管理台帳に登録するよりも効率的に作業を進めることが可能です。
関連契約書の紐づけ管理
「LegalForceキャビネ」では、変更契約や派生契約などの関連契約書を紐づけする機能があります。
エクセルの台帳で管理する場合でも、例えば契約書管理番号に枝番号などを付与することで関連契約書を整理できます。ただ、エクセルでは契約書を閲覧するために契約書原本を探す手間がかかります。
「LegalForceキャビネ」なら、システム上で必要な契約書を探し、すぐに契約書の内容を閲覧できます。さらに関連する契約書同士の紐づけができるため、どの契約書からでもワンクリックで、関連する契約書にアクセスすることが可能です。
契約書管理の効率化なら「LegalForceキャビネ」
契約書管理番号は、契約書の検索性を高め、効率的に契約書を管理するために役立ちます。
さらに効率的に契約書を管理するには、契約管理システムの導入がおすすめです。契約書の検索から閲覧までシステム上で完結できるため、エクセルの管理台帳を見て契約書管理番号を確認し、該当するキャビネットを開いて契約書原本を探すなどの手間を省くことができます。
契約管理システム「LegalForceキャビネ」の詳しい機能は、資料でぜひご確認ください。
契約書管理についてさらに詳しく知りたい方は、以下のダウンロード資料もご利用ください。「契約書管理の方法をどうすればいいのか」というお悩みをお持ちの方におすすめの資料を無料で配布しています。