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レピュテーションリスクとは?発生要因や事例、リスク表面化前後の対策を詳しく解説

レピュテーションリスクとは?発生要因や事例、リスク表面化前後の対策を詳しく解説
この記事を読んでわかること
    • レピュテーションリスクの基本概念と重要性
    • レピュテーションリスクの発生要因や具体例
    • レピュテーションリスク表面化前後の対策方法
    • Legal Learningを活用したコンプライアンス研修の効果


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業の評判は、その信頼性やブランド価値に直結する重要な要素です。しかし、レピュテーションリスクが顕在化すると、企業は大きなダメージを受ける可能性があります。本記事では、レピュテーションリスクの基礎知識から、発生要因や具体例、リスク表面化前後の対策方法について詳しく解説します。

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<関連記事>企業で法務研修を実施するべき理由!具体的な研修内容と実施すべきタイミング企業法務で取り組むべきハラスメント対策は?企業に及ぼす影響と発生時の対処法

レピュテーションリスクとは

レピュテーションリスクの定義

レピュテーションリスクとは、企業やその製品、サービスに対する悪い評判や風評により、企業の信用の低下を招くリスクのことを指します。このリスクは、経済的損失、最悪の場合は、企業の存続にまで影響を及ぼすことがあります。

レピュテーションリスクが注目される背景

近年、インターネットやSNSの普及により、情報が瞬時に広範囲に拡散されるようになりました。これにより、企業に対する社会の評価はより迅速に形成され、ネガティブな情報もすぐに広まる可能性があります。このような情報環境の変化が、レピュテーションリスクへの注目を高める要因となっています。

レピュテーションリスクの影響

レピュテーションリスクが顕在化すると、企業は以下のような影響を受ける可能性があります。

  • 売上の減少:消費者の信頼を失うことで、製品やサービスの売上が減少します。
  • 株価の下落:投資家の信頼を失い、株価が下落することがあります。
  • 人材流出:企業の評判が悪化すると、優秀な人材が他社に流出する可能性があります。

レピュテーションリスクは、企業の存続に直結する重大なリスクであり、日頃から法務マネージャーや経営陣などの担当者はこのリスクに対する意識を高め、適切な対策を講じることが求められます。

レピュテーションに影響を及ぼす 7 つの側面

レピュテーションに影響を及ぼす側面は主に以下の7つです。

  1. 製品・サービス
  2. 革新
  3. 職場
  4. ガバナンス
  5. 市民
  6. リーダーシップ
  7. パフォーマンス

製品・サービス:商品の破損や、接客態度が悪いこと、広告と実際の商品の差による評判の低下などが発生する場合、品質の高い製品・サービスを提供する企業としてのレピュテーションが損なわれる恐れがあります。

革新:商品のデザインやサービス提供のブラッシュアップ遅れを指摘する口コミが広がった場合、常に製品開発に取り組み、新しいサービスを先駆けて展開する企業であるというイメージが失われる可能性があります。

職場:パワハラ、サービス残業、アルバイトによる不適切な行為(いわゆる「バイトテロ」)などが発覚した場合、社員の能力が高く、優秀な人材を数多く擁している企業としての信頼が揺らぐおそれがあります。

ガバナンス:広告・法令違反や詐欺的な営業行為などの不祥事が発生した場合、適切なガバナンス体制のもと、誠実にビジネスを行っている企業という評価に悪影響を及ぼすことが考えられます。

市民:環境に悪影響を与える事業活動や、社会・地域に対してネガティブな影響を及ぼすとみなされる場合、地域社会や環境に配慮する企業としての評価が低下する懸念があります。

リーダーシップ:経営方針の頻繁な変更や、経営者による時代錯誤的な発言が問題視された場合、時代に即したビジョンに基づき一貫して行動する企業との認識が失われかねません。

パフォーマンス:赤字決算の発表や新製品の売上不振が報じられた場合、高い成長率と優れた収益性を誇る企業としてのイメージに悪影響を与える恐れがあります。

レピュテーションリスクの発生要因

経営者や従業員の不適切な言動

レピュテーションリスクは、企業の経営者や従業員の言動によって引き起こされることがあります。例えば、経営者の不倫や脱税といったスキャンダルが発覚すると、企業の信頼は大きく損なわれます。また、従業員がSNS上で不適切な発言をした場合も、企業全体の評判に悪影響を及ぼす可能性があります。

法令違反

企業が法令を遵守していない場合、レピュテーションリスクが起こる原因の1つになります。例えば、労働基準法違反や環境規制などの違反があり、行政処分や行政指導を受けた場合は企業の評判は急速に悪化します。

製品やサービスの問題

製品やサービスの品質に対するクレームが増加すると、消費者の信頼を失うことになります。特に、クレーム対応が不十分である場合、SNSや口コミサイトでネガティブな情報が拡散され、企業の評判が低下する可能性があります。

内部告発

企業内部での不正行為や、パワハラやセクハラなどの劣悪な労働環境が内部告発されると、企業の評判は大きく損なわれます。

情報漏洩

個人情報の流出や機密情報の漏洩も、企業にとって重大なレピュテーションリスクとなります。これらの問題は、企業の信頼性を大きく揺るがす要因となります。

風評の拡散

インターネットやSNSの普及により、根拠のない噂やデマが瞬時に広がることもあります。これにより、実際には問題がないにもかかわらず、企業の評判が悪化するケースも見られます。風評被害は、企業が直接的にコントロールできない要因であるため、特に注意が必要です。

レピュテーションリスクを回避し企業の信頼を守るためには、日頃からコンプライアンスの徹底や情報管理の強化が不可欠です。

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レピュテーションリスク表面化の事例

フジテレビ中居正広氏の女性トラブル

2025年初頭、元タレント・中居正広氏の女性トラブルに関する報道を受け、多くの企業がフジテレビでのCM放映を中止しました。 この影響で、同社の2025年3月期の広告収入は、従来計画を233億円も下回る見通しとなり、赤字転落が予想されています。 フジテレビは再発防止と風土改革に取り組む構えを示しています。 

参考:フジテレビ 第三者委「業務の延長線上の性暴力」

マルちゃん「赤いきつね」アニメCMの炎上

2025年2月、マルちゃんのWeb限定アニメCMが、SNS上でジェンダー表現に関する批判を受け、炎上しました。 CMでは、女性が感動しながら「赤いきつね」を食べるシーンが描かれ、性的な表現と受け取られたことが原因です。 企業は、SNS上での反応を注視し、対応に追われました。

参考:「赤いきつね」CM炎上騒動で、「気持ち悪いからやめろ」という批判が危険なワケ

大手自動車メーカーにおける認証試験不正

2024年6月、大手自動車メーカーであるトヨタやホンダなどが、車両の認証試験において、衝突時の試験で虚偽データ提出や、エンジン出力実験で制御ソフト書き換えなどの不正行為を行っていたことが発覚しました。 これにより、対象車種の出荷停止やリコールが発生し、企業の信頼性に大きな影響を与えました。

参考:自動車メーカーなど5社 “性能試験で不正” 出荷一部停止へ

宝塚歌劇団員の死亡問題

2024年下半期、宝塚歌劇団の団員が自殺し、遺族がパワハラを訴える事案が発生しました。自殺した団員の遺族は長時間労働や上級生からのパワハラが背景にあったと訴えました。調査では一部で不適切な指導が認定され、劇団側は遺族に謝罪しています。しかし、初動対応の遅れや説明不足が批判を招き、運営体制の見直しが迫られる結果となりました。

参考:宝塚歌劇団、パワハラ認めて謝罪 劇団員死亡問題で遺族側と合意

ビッグモーター不正請求問題

中古車販売大手ビッグモーターが、故意に車両に傷をつけて保険金を不正請求していた問題が、2023年に発覚しました。社員が故意に車両に傷をつけ、修理費を水増しして保険会社に請求していたことが明らかになり、さらに過剰な営業ノルマやパワハラ体質も指摘され、社会的批判を受けました。結果として経営陣は辞任し、企業イメージは大きく損なわれたのです。

参考:ビッグモーター保険金不正、損保大手が水増し分返還請求

レピュテーションリスクの具体的対策

コンプライアンス意識の向上

レピュテーションリスクを回避するためには、まず企業全体でコンプライアンス意識を高めることが重要です。具体的には、定期的なコンプライアンス研修を実施し、社員に法令遵守の重要性を理解させることが求められます。また、社内規定やガイドラインを明確にし、従業員が日常業務で守るべき基準を周知徹底することが必要です。

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労働環境の整備

従業員の労働環境を整備することも、レピュテーションリスクの低減に寄与します。働きやすい環境を提供することで、従業員の満足度が向上し、結果として企業の評判も向上します。具体的には、適切な労働時間の管理や職場の安全性の確保、ハラスメント防止対策の実施などが挙げられます。

情報発信の透明性

企業が発信する情報の透明性を確保することも重要です。特に、製品やサービスに関する情報は正確かつ誠実に伝える必要があります。誤解を招くような表現や過大広告は避け、消費者に対して信頼できる情報を提供することが求められます。また、SNSなどを通じて迅速かつ適切な情報発信を行い、消費者との信頼関係を築くことが重要です。

ネット監視と早期対応

インターネット上での評判管理も、レピュテーションリスク対策の一環として重要です。ネット監視サービスを活用して、自社に関するネガティブな情報を早期に発見し、迅速に対応する体制を整えることが求められます。これにより、悪評の拡散を防ぎ、企業の評判を守ることができます。

第三者によるチェック

社内だけでなく、第三者による監視体制を導入することも有効です。外部の専門機関による監査や評価を受けることで、内部では見逃しがちな問題点を発見し、改善につなげることができます。また、定期的な反社チェックを実施し、取引先やパートナー企業の信頼性を確認することも重要です。

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レピュテーションリスク顕在化時の対応策

危機管理マニュアルの活用

レピュテーションリスクが顕在化した際には、事前に策定された危機管理マニュアルに従って迅速に対応することが重要です。マニュアルには、具体的な対応手順や責任者の指名、コミュニケーション戦略などを記載します。これにより、混乱を最小限に抑え、迅速かつ効果的に問題を解決することが可能になります。

事実確認と原因の特定

問題が発生した際には、まずその出来事の真偽を迅速かつ的確に把握することが求められます。事実確認を怠ると、誤った情報が拡散され、事態が悪化する可能性があります。原因を特定することで、再発防止策を講じることができ、同様の問題が再び起こることを防ぎます。

迅速な情報発信

問題が発生した際には、迅速かつ透明性のある情報発信が求められます。企業としての公式見解を早急に公表し、誤解を招かないようにすることが重要です。特にSNSなどでの情報拡散が早い現代において、迅速な対応が信頼回復の鍵となります。情報発信の際には、誠実さと透明性を重視し、消費者やステークホルダーに対して真摯に対応する姿勢を示すことが求められます。

信頼回復のための施策

一度失った信頼を回復するためには、長期的な努力が必要です。具体的には、問題の再発防止策を講じるとともに、消費者やステークホルダーとのコミュニケーションを強化することが求められます。また、外部の専門家やコンサルタントを活用し、第三者の視点からの評価を受けることも有効です。これにより、企業の信頼性を再構築し、レピュテーションを向上させることが可能になります。

再発防止策の実施

問題が解決した後は、再発防止策を徹底的に実施することが重要です。具体的には、社内規定やガイドラインの見直し、従業員教育の強化、監視体制の整備などが挙げられます。これにより、同様の問題が再び発生することを防ぎ、企業の評判を守ることができます。

レピュテーションリスクが顕在化した際は、危機管理マニュアルの活用や迅速な情報発信、信頼回復のための施策を通じて、レピュテーションリスクを適切にコントロールし、影響を最小限に食い止めることが求められます。

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レピュテーションリスクを適切に管理しよ

レピュテーションリスクは、企業の評判や信頼性を損なう重大なリスクであり、経営者や法務マネージャーにとっても無視できない課題です。企業の信頼を守るためには、コンプライアンス意識の向上や労働環境の整備、情報発信の透明性確保といった多角的な対策が必要です。リスクが顕在化した場合には、迅速な情報発信と信頼回復のための施策を講じることが求められます。今後、企業はこれらの対策を継続的に実施し、レピュテーションリスクを効果的に管理し続けることで、持続的な成長と信頼性の高い組織を築いていくことが期待されます。

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NobishiroHômu編集部

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NobishiroHômu編集部

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