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法務部門へのAI導入のROI(費用対効果)の算出方法を徹底解説|稟議に使える資料テンプレート付き

法務部門へのAI導入のROI(費用対効果)の算出方法を徹底解説|稟議に使える資料テンプレート付き
この記事を読んでわかること
    • 法務AI導入におけるROIの定義と一般的なROIとの違い
    • 時間削減・コスト削減・リスク軽減の3要素による算出方法
    • 稟議書で説得力を高めるROI資料・テンプレートの活用法

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法務部門へのAI導入を検討する際、経営層への説明や予算申請には費用対効果の明確な提示が欠かせません。しかし、業務効率化による時間削減をどう数値化すればよいのか、投資回収の見通しをどう示せばよいのか、判断に迷う場面も多いでしょう。

本記事では、法務業務におけるAI導入のROI算出方法を具体的な計算式とともに解説します。稟議書作成にそのまま活用できる資料テンプレートも用意していますので、社内の意思決定をスムーズに進める資料としてお役立てください。


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法務部門におけるAI導入のROIとは

ROIとは投資した金額に対してどれだけの効果が得られたかを示す指標で、一般的には「(得られた利益-投資額)÷投資額×100」で計算されます。

法務部門でAIを導入する際も、この考え方をベースに費用対効果を算出する必要があります。具体的には、契約書レビューにかかる時間短縮による人件費削減や、外部委託費の減少などが主な効果となります。

ただし、法務業務の特性上、リスク回避やコンプライアンス強化といった数値化しにくい効果も含まれるため、複数の視点から総合的に評価することが重要です。

一般的なROIとの違い

一般的なROI算出では設備投資による売上増加や製造コスト削減など、直接的な利益を数値化しやすい傾向があります。

一方、法務部門のAI導入では契約書レビュー時間の短縮といった業務効率化が中心となるため、削減された時間を金額に換算する作業が必要です。さらに、法的リスクの低減やコンプライアンス体制の強化など、数値化が困難な効果も多く含まれます。

このため法務部門では、時間削減による人件費削減効果といった定量的な指標と、業務品質向上や属人化解消といった定性的な効果を組み合わせて評価する必要があります。

法務AIのROI算出で考慮すべき3つの要素

法務部門でAIのROIを算出する際には、時間削減効果、コスト削減効果、リスク軽減効果の3つを測定する必要があります。

時間削減効果(最も測定しやすい)

契約書レビュー時間の短縮は、AIによる最も明確な効果です。

従来は数日かかっていた契約書の確認作業が数分で完了するようになり、レビュー時間を50%から70%削減できた事例も報告されています。この時間削減は具体的な数値で把握できるため、導入前後の作業時間を記録することで客観的な効果測定が可能です。

削減された時間を年間の労働時間に換算すれば、どれだけの業務量が他の重要業務に振り向けられるかも明確になります。稟議書作成時には「契約書レビュー時間が年間○○時間短縮される見込み」といった具体的な数値を示すことで、経営層への説得力が高まります。

コスト削減効果(人件費・外注費)

時間削減によって生まれる人件費の削減と、弁護士事務所への外注費用の減少がコスト削減の主な内訳です。

契約書レビュー業務を内製化できれば、これまで外部に依頼していた費用を大幅に圧縮できます。また、法務担当者の残業時間が減少すれば残業代の削減にもつながります。

コスト削減額は「削減された時間×時間単価」で算出でき、外注費については「外注件数×単価」で計算が可能です。

ただし、AI導入には初期費用と月額利用料がかかるため、これらの投資額を差し引いた純粋な削減効果を算出する必要があります。長期的には初期投資を回収し、継続的なコスト削減が期待できます。

リスク軽減効果(定性的効果)

AIによる契約書レビューは、人間の目視では見落としがちなリスクを自動検出します。

不利な条項や必要条項の抜け漏れ、法令違反の可能性がある記載などを網羅的に洗い出すことで、法的トラブルの未然防止につながります。また近年では、一般的な観点でのチェックだけでなく、自社の基準に即したリスクチェックを行うツールも登場しています。これらは、コンプライアンス違反のリスク低減や、契約書の品質均一化による属人化の解消も重要な効果です。

これらは金額換算が難しい定性的効果ですが、一度でも訴訟や取引トラブルが発生すれば企業の損失は計り知れません。稟議書では「リスク検知の精度向上」「見落とし防止による信頼性向上」といった形で、企業価値保護の観点から説得材料として記載することが有効です。

法務AIのROIの具体的な算出方法

法務AIの導入を検討する際、経営層への説得には数値による裏付けが不可欠です。ROIを正確に算出することで、投資判断の根拠を明確化でき、予算申請を進めやすくなります。

ここでは具体的なROIの算出方法について解説していきます。

現状の業務時間とコストを可視化する

まず取り組むべきは、現在の法務業務にかかっている時間とコストの把握です。

契約書レビューや法務相談対応など、主要業務ごとに月間の作業時間を記録します。この際、担当者の平均時給を掛け合わせることで、業務別の人件費を算出できます。残業時間も含めて正確に測定することが重要です。

さらに、紙の契約書の印刷代や郵送費、保管スペースの費用なども集計することで、現状の総コストが明確になります。この作業により、削減可能な領域が可視化できます。

AI導入による削減時間を予測する

次に、AI導入後の業務時間短縮を見積もります。契約書レビューでは、AIによる自動チェック機能により、従来の作業時間を50%程度削減できるケースが報告されています。

過去の類似案件の処理時間や、AIツールのデモ版を試用した結果を参考にすると、より現実的な予測が可能です。また、導入企業の事例を調査し、自社の業務規模や案件数に当てはめて試算することも有効な手法となります。

複数のシナリオを用意し、保守的な見積もりと楽観的な見積もりの両方を準備することで、経営層への説明時に説得力が増します。

導入コストを正確に算出する

AI導入時には、初期費用と運用費用の両方を計算する必要があります。

初期費用には、ライセンス購入費やシステム導入支援費、社内への研修費用が含まれます。クラウド型のサービスでは初期費用を抑えられる一方、月額利用料が継続的に発生する点に注意が必要です。

また、既存システムとの連携に追加費用がかかる場合もあります。さらに、導入プロジェクトに関わる社内メンバーの工数も人件費として計上することで、正確なコストが見えてきます。

見積もりは複数のベンダーから取得し、比較検討することが望ましい判断につながるでしょう。

削減効果を金額換算する

予測した時間削減を金額に変換することで、AIの価値を可視化できます。削減された業務時間に担当者の時給を掛けることで、直接的な人件費削減額が算出されます。

例えば、月間で10時間の削減が実現できる場合、年間では120時間分のコスト削減となり、この効果は複数年にわたって継続します。

また、残業代の削減効果も見逃せません。法務部門の残業が減ることで、担当者の労働環境改善にもつながり、離職率低下による採用コスト削減という副次的効果も期待できます。

印刷費や郵送費などの間接コストの削減額も加算することで、総合的な効果を示せます。

定着時のランニングコストの削減も算出する

AI導入後は、月額利用料などのシステム費用が継続的に発生します。しかし同時に、業務効率化による人件費の削減も毎月続きます。

残業代の減少、紙の保管費用の削減、自社運用しているシステムをリプレイスする場合はシステム保守要員の削減など、恒常的なコスト削減効果を洗い出すことが重要です。初期投資の回収後も、これらの削減効果は継続するため、3年後や5年後の累積削減額を試算します。

AI利用料を差し引いても削減額の方が大きければ、長期的な投資価値が証明できます。この継続的な収支改善を数値化することで、経営層への説得力が格段に高まります。

ROIを計算し、資料化する

最後に、収集したデータを基にROIを算出します。計算式は「(削減効果の総額−導入コスト)÷導入コスト×100」で、この数値がプラスであれば投資効果があると判断できます。

経営層向けの資料では、グラフを用いて投資回収期間を視覚的に示すことが効果的です。1年目、3年目、5年目と時系列で累積効果を提示すれば、長期的な価値が伝わりやすくなります。

また、リスク要因や前提条件も明記し、楽観シナリオと保守シナリオの両方を用意することで、資料の信頼性が高まります。数値だけでなく、業務品質向上や担当者の負担軽減といった定性的効果も補足として記載することが望まれます。

法務AI導入のための稟議書の書き方4つのポイント

経営層への説得には、明確な根拠と現実的な計画が求められます。稟議書の質が承認のスピードを左右するため、以下のポイントを押さえることが重要です。

課題やその課題が解決できた時のインパクトを定量的に示す

稟議書で最も重視されるのは、現状の課題とその解決効果を数値で示すことです。

月間の契約書レビュー時間が300時間かかっている場合、AI導入で150時間に削減できると試算できれば、年間で1800時間、金額換算すると数百万円の削減効果として提示できます。さらに、残業時間の削減や人材不足の緩和といった副次的効果も加えることで、導入の必要性が明確になります。

承認者は現場の詳細を把握していないケースがあるため、誰が読んでも理解できる具体的な数字で説明することが承認を受けるために重要です。

② リスクと対策も記載する

稟議書では、メリットだけでなくリスクとその対策を明記することが重要です。

AI導入時には、既存システムとの連携不具合や、現場への定着に時間がかかる可能性があります。これらを隠さず記載した上で、ベンダーのサポート体制や段階的な導入計画により対応できることを示します。

リスクが記載されていない稟議書は、かえって検討不足と判断される恐れがあります。想定される課題を洗い出し、それぞれに具体的な対応策を用意することで、承認者は安心して判断できます。透明性の高い情報開示が、稟議通過の鍵となります。

③ 段階的導入プランを提示

いきなり全社導入するのではなく、段階的な展開計画を示すことで導入リスクを抑えられます。まず特定の部署や業務に限定して試験導入を行い、3カ月程度で効果を検証してから本格展開する方法が現実的です。

製品にもよりますが、クラウドサービスは月額数万円など比較的定額から利用し始めることが可能で、初期投資を最小限に抑えつつ実績を積み上げられます。この段階的アプローチにより、万が一期待した効果が得られなかった場合でも損失を限定できるため、経営層にとって承認しやすい提案となります。

小さく始めて成果を確認しながら拡大する計画は、説得力を高める有効な手段です。

④ 他社事例で客観性を担保

同業他社や類似規模の企業での導入事例を盛り込むことで、提案の客観性が高まります。

具体的には、契約書レビュー時間を50%削減した事例や、法務担当者の残業を月20時間削減した実績などを引用することが有効です。業界団体の調査データや、ベンダーが公開している導入実績を活用すれば、自社だけでなく市場全体での評価を示せます。

特に経営層は、他社の成功事例を重視する傾向があるため、信頼できる情報源からのデータを複数示すことが承認率を高めます。事例は具体的であるほど説得力が増します。

【無料DL】稟議書にそのまま使える法務ROI資料テンプレート

本記事で解説したROI算出方法を実践できる、Excel計算シートとWord稟議書のセットをご用意しました。数値を入力するだけで自動計算され、そのまま提出可能な形式となっています。

テンプレートの構成と使い方

本テンプレートはExcel計算シートとWord稟議書の2つで構成されています。

まず、Excelの「法務AI_ROI_計算シート」を開き、「入力」シートに現状の業務時間や人件費、AI導入費用などの基礎データを入力します。すると、「出力」タブに月間効果やROI、投資回収期間が自動で算出・表示されます。

次にWordの「法務AI導入 稟議書(テンプレート)」を開き、導入目的を一文で記入した上で、スプレッドシートの「出力」タブに表示された数値を同じ項目名の空欄へ転記します。

対象業務のチェック欄は該当する項目に印を入れ、根拠と補足は3行以内でまとめます。具体的には、どの期間のデータを使用したか、どの見積書を参照したか、削減率の根拠は何かを簡潔に示せば十分です。承認ルートが決まっている場合は、決裁欄の役職順を社内の並びに合わせて調整します。

完成後は全体を見直します。目的が一文で明確に伝わるか、数値の単位が統一されているか、評価期間と年間数値に矛盾がないかを確認します。問題なければPDF化し、見積書や計測ログのスクリーンショットを添付資料として準備すれば提出可能です。社内で独自の稟議様式が指定されている場合は、本テンプレートで算出した数値だけを転記して活用してください。

法務AI導入のROI算出でやりがちな失敗

ROI算出を誤ると、導入後に期待外れの結果を招き、投資判断自体が疑問視されます。多くの企業が陥りがちな失敗パターンを事前に把握することで、現実的な効果予測が可能となります。

隠れたコストの見落とし

月額利用料だけを計上し、それ以外のコストを見逃すケースが多発しています。既存システムとの連携に追加費用が発生したり、現場への研修時間が想定以上にかかったりと、見えにくいコストは意外と大きくなります。

また、導入後のデータ整備やルール策定、運用体制の構築にかかる人件費も無視できません。さらに、問い合わせ対応やトラブルシューティングに割く時間も考慮する必要があります。

こうした隠れたコストを含めた総保有コストで評価しないと、実質的な投資効果は大幅に低下します。事前に洗い出しを徹底することが重要です。

定性的効果の無理な数値化

業務品質の向上や従業員満足度の改善といった定性的効果を、無理に金額換算しようとする試みは危険です。

数値化が困難なものを強引に数字に落とし込むと、根拠が薄弱になり、かえって提案全体の信頼性を損ないます。従業員のストレス軽減や法務部門の戦略業務へのシフトといった効果は、確かに価値がありますが、恣意的な計算で金額化すべきではありません。

定性的な効果は、ROI計算とは別に補足説明として記載する方が説得力を持ちます。数値で示せる効果と、言葉で説明すべき効果を明確に分けることで、バランスの取れた提案になります。

まとめ|AI導入のROI算出方法を理解する重要性

法務AI導入の成否は、事前のROI算出にかかっています。本記事で解説した現状把握から効果予測、コスト算出、そして資料化までの手順を踏むことで、経営層への説得力のある提案が可能となります。

LegalOnでは、稟議書作成やROIの算出に有用な各種情報のご提供が可能です。具体的な導入効果の試算や、他社事例など、詳細についてお知りになりたい方は、以下よりお気軽にお問い合わせください。

NobishiroHômu編集部
執筆

NobishiroHômu編集部

 

AI法務プラットフォーム「LegalOn」を提供する株式会社LegalOn Technologiesの「NobishiroHômu-法務の可能性を広げるメディア-」を編集しています。

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