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電子契約のリスクとは? 回避策と導入する5つのメリットを詳しく解説!

電子契約のリスクとは? 回避策と導入する5つのメリットを詳しく解説!
この記事を読んでわかること
    • 電子契約のリスク
    • 電子契約のリスクを回避する方法
    • 電子契約を導入するメリット
    • 電子契約の締結の流れ

「電子契約の導入効果を最大化するポイント~業務改善を成功させる契約管理フロー」

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最近は企業のペーパーレス化も進み、契約に用いる媒体も書面から電子契約へと移行しています。しかし、電子契約というと「データを改ざんされるのでは?」「実印がなくても大丈夫?」といった不安があるかもしれません。

そこでこの記事では、電子契約の主なリスクとその回避策、電子契約導入のメリット、契約締結の流れについて詳しく解説します。

確かに電子契約には特有のリスクもありますが、それらを回避すれば業務効率化やコスト削減を実現できる有用な手段です。この記事を読めば、リスクの内容と回避策を正しく学んで、電子契約への理解を一歩進めることができます。

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電子契約のリスクとは?

電子契約には、いくつかの潜在的なリスクが存在します。ここでは代表的な5つのリスクを紹介していきます。

契約の有効性

電子的な契約の有効性は、その締結方法や証拠能力に大きく左右されます。例えば、契約当事者の本人性をどのように証明するのか、合意内容が確実に記録されているのかといった点が重要です。仮にこれらの手続きが不十分である場合、後日契約の有効性が争われる事態に発展する可能性があります。また、電子的な記録が訴訟や税務調査等で原本として認められるためには、一定の要件を満たす必要があります。その要件を理解せずに電子契約を締結してしまうと、法的な効力が認められないリスクも考えられます。

契約内容の改ざん

電子データで作成された契約書は、物理的な書面と比較して、意図しない変更や不正な書き換えが行われるリスクがあります。デジタルデータは容易に編集が可能であるため、契約締結後に第三者によって内容が改ざんされたとしても、その痕跡が残りにくい場合があります。改ざんされた契約書に基づいて取引が進んでしまうと、予期せぬ損害が発生する可能性があります。電子的な記録の特性上、原本性の確保が重要な課題となります。

情報漏洩・不正アクセス

電子契約システムは、企業の重要な機密情報である契約データを保管するため、情報漏洩や不正アクセスのリスクに常に晒されています。もしセキュリティ対策が不十分な場合、外部からの不正な侵入を許したり、内部の人間による意図的な情報持ち出しが発生したりする可能性があります。契約情報が漏洩した場合、企業の信用失墜や損害賠償請求につながるだけでなく、競争優位性の喪失にも繋がりかねません。そのため、電子契約システムを選定する際には、強固なセキュリティ対策が施されているかを確認することが重要です。

書面化の義務

近年は政府機関や官公庁の契約でも、電子化が進められています。しかし、すべての契約の電子化が認められているわけではありません。法律や政府機関の規則などによって、特定の種類の契約については、依然として書面による作成と交付が義務付けられている場合があります。これらの契約を電子的な形式で締結した場合、法律上の要件を満たしていないと判断され、契約が無効となるリスクがあります。

アクセス不可

電子契約システムは、ネットワーク環境やシステムの稼働状況に依存するため、予期せぬシステム障害や通信の途絶が発生した場合、必要な時に契約情報にアクセスできなくなる可能性があります。契約内容の確認が必要なタイミングでアクセス不能になると、業務の遅延や停滞を招き、ビジネスの機会損失につながることも考えられます。電子的なデータは、その利便性の裏側で、システム依存という側面も持っています。

電子契約のリスクを回避する方法

電子契約のリスクは、適切な対策を講じることで効果的に回避し、安全に活用することが可能です。ここでは電子契約のリスクを回避するための具体的な方法について解説します。

電子証明書の発行とタイムスタンプの付与

契約の有効性や改ざんのリスクを低減するためには、信頼性の高い電子証明書の発行が不可欠です。電子証明書は、契約当事者の本人性を証明する役割を果たし、なりすましによる契約締結を防ぎます。さらに、契約締結時にタイムスタンプを付与することで、その時点で確かに契約が存在していたこと、そして以降に改ざんされていないことの証明となります。これらは書面における印影や筆跡の代わりとして機能します。

また、電子署名とタイムスタンプによって発行されるハッシュ値は、意図的にデータに変更を加えない限り変化しない情報です。そのため、改ざんが発生していないことを証明することができます。電子署名とタイムスタンプの技術を適切に活用することで、契約の証拠力を高め、法的な紛争を未然に防ぐことが期待できます。

複数認証を用いてログインする

情報漏洩や不正アクセスを防ぐためには、ログイン時のセキュリティを強化することが重要になります。IDとパスワードのみの認証では、不正アクセスを完全に防ぐことは困難です。そこでパスワードに加えて、スマートフォンを用いた「二段階認証」や「ICカード認証」など、複数の認証要素を組み合わせた多要素認証を導入することが有効です。これにより、万が一パスワードが漏洩した場合でも、不正なログインを阻止し、機密性の高い契約情報を守ることができます。

アクセス権限を設定する

全ての従業員が自由に契約情報にアクセスできる状態は、内部不正のリスクを高めます。そのため、職務や役割に応じて必要な情報にのみアクセスできるよう、細かく権限を設定する必要があります。契約情報へのアクセス権限を適切に設定することで、情報漏洩のリスクを低減することができます。例えば「契約書の作成担当者」「承認者」「閲覧者」など、役割ごとにアクセス範囲や権限を限定することで、情報漏洩や不正アクセスのリスクを最小限に抑えることが可能です。

社内でセキュリティ教育を行う

強固なセキュリティ対策をシステム側に導入するだけでなく、それを利用する従業員のセキュリティ意識を高めることも重要です。社内でセキュリティ教育を目的とした研修制度を整えることでセキュリティ意識を高めることができます。不審なメールの見分け方や重要データの取扱い方法、パスワードの適切な管理方法など、定期的なセキュリティ教育を実施することで、人的な情報漏洩のリスクを低減できます。従業員一人ひとりの意識向上こそが、組織全体のセキュリティレベルを高める上で不可欠です。

書面化義務のある契約を確認しておく

電子契約を導入する際には、締結しようとする契約が法律や規則によって書面での締結が義務付けられていないかを確認することが重要です。先述の通り、一部の契約は電子化が認められておらず、書面での作成が義務付けられています。それらの契約について、事前にしっかりと調査を行い、電子契約が利用可能な契約なのか把握しておくことが、法的なトラブルを避けるために不可欠です。もし調査だけで不安がある場合は、弁護士などの専門家に確認を取ることも有効な方法でしょう。

可用性の高いクラウドサービスを利用する

システム障害やネットワークのトラブルによって契約情報にアクセスできなくなるリスクを軽減するためには、可用性の高いクラウドサービスの利用が有効です。可用性とは「システムやサービスがどれだけ長期間、正常に稼働し続けられるか」、つまり利用できる状態が維持できるかを示す指標です。信頼性の高いクラウドサービスプロバイダーは、冗長化されたインフラストラクチャやバックアップ体制を整備しており、システム障害発生時の復旧も迅速に行われます。これによって高い可用性を保証しているクラウドサービスを利用することで、必要な際に契約情報にアクセスできないリスクを最小限にとどめることができます。

電子契約を導入する5つのメリット

電子契約の導入は単なる契約の電子化に留まらず、企業のビジネスプロセス全体に多岐にわたるメリットがあります。ここでは、電子契約を導入することで得られる主な5つのメリットについて詳しく解説します。

① 業務が効率化できる

電子契約導入のメリットの一つとして、契約締結に関わる一連の業務を大幅に効率化できる点が挙げられます。紙の契約書では必要だった印刷や押印、製本、郵送といった煩雑な作業が不要となりオンライン上で契約締結が完結するため、時間と手間を大幅に削減できます。これにより契約締結までのリードタイムが短縮され、ビジネスチャンスを逃すことなく迅速な取引が可能になります。また、契約書の修正や差し戻しもオンライン上でスムーズに行えるため、手戻りによる無駄な時間も削減され、業務の効率化に貢献します。

② コスト削減につながる

電子契約の導入は、直接的および間接的なコスト削減にも大きく貢献します。まず、紙の契約書が不要になるため、印刷代や用紙代、インク代などの費用を削減できます。また、郵送作業がなくなることで、郵送費や人件費も削減できます。加えて、契約書の保管スペースも不要になるため、オフィススペースの有効活用にも繋がります。これらのコスト削減効果は累積し、長期的に見た企業の経営効率化に大きく貢献するでしょう。

③ 検索と管理が容易になる

電子化された契約書はキーワード検索や日付検索など、様々な条件で容易に検索できるため、必要な情報を瞬時に見つけ出すことができます。紙の契約書のように、膨大な書類の中から目的のものを探し出す手間が省け、管理の効率が大幅に向上します。また、電子契約システム上で一元的に契約書を管理できるため、契約書の紛失リスクを低減し、保管場所の省スペース化にも繋がります。契約期間や更新期日なども合わせてシステム上で管理することで、さらに契約管理業務の精度と効率を高めることができます。

④ 紙媒体の保管が不要になる

契約関連の書類は法令により長期間にわたって保管する必要があり、紙の契約書の場合はそのための物理的なスペースや管理コストがかかります。電子契約を導入すれば、これらの紙の書類を保管する必要がなくなり、オフィススペースを有効活用できます。また、電子データとして保管されるため、劣化や紛失のリスクも大幅に低減されます。さらに、災害などが発生した場合でも、バックアップ体制が整っていれば、重要な契約情報を安全に保護することが可能です。

⑤ コンプライアンスを強化できる

電子契約システムには、アクセスログの記録や変更履歴の管理機能が備わっていることが多く「誰がいつ、どのような操作を行ったのか」を正確に把握できます。これにより不正な操作や改ざんを抑止し、内部統制を強化することができます。また、契約締結のプロセスがシステム化されることで、人為的なミスを減らし、契約内容の透明性を高めることにも繋がります。関連法規や社内規定に準拠している電子契約システムであれば、契約締結プロセスに組み込むことで、コンプライアンス遵守を徹底することが可能になります。

電子契約の締結の流れ

電子契約の締結は、従来の紙の契約書による手続きとは異なる形式で進みます。ここでは、一般的な電子契約の締結の流れについて、ステップごとに解説します。

PC上で契約書を作成・アップロード

電子契約の締結に向けたプロセスの最初の段階として、まず契約書をPC上で作成します。WordやPDFなどの形式で作成された既存の契約書データを利用するか、電子契約システムに搭載された作成機能を用いて新たに作成します。作成・準備した契約書データは、利用する電子契約システムにアップロードします。この際、契約内容に間違いがないか、条項や金額などが正確に記載されているかを改めて確認することが重要です。アップロードされた契約書データは、以降の電子署名や契約先への送信の対象となります。

社内で稟議・承認

多くの企業では、契約締結前に社内での承認手続きが必要となります。電子契約システムにおいても、この稟議・承認のワークフローを組み込むことが可能です。作成・アップロードされた契約書は、システムにあらかじめ設定された承認ルートに従って、関係各部署や担当者の承認を得るために回覧されます。承認者側はPC上で契約内容を確認し、問題がなければ電子的に承認を行います。承認状況はシステム上で可視化されるため、手続きの進捗状況をリアルタイムに把握することができます。この電子的な稟議・承認プロセスにより、紙の書類を回覧する手間や時間を削減し、迅速な意思決定が可能です。

契約先に送付

社内での承認手続きが完了した後は、契約書を契約先に送付する段階に入ります。電子契約システムを通じて発行した承認済みの契約書データを契約先に送信します。送信方法は、メールやチャットでの添付やURLの送付が一般的です。契約先は添付ファイルをダウンロードするか、通知されたURLにアクセスし、契約内容を確認して電子署名を行います。電子署名の手法は「当事者型」や「立会人型」など、契約の種類やシステムによって異なる場合があります。いずれも法的な効力を持つ電子的な署名を行うことで、契約締結の意思表示となります。

契約書はそのままデータ保存

契約先が電子署名を完了すれば電子契約の締結手続きは完了し、契約書は電子データとして返送またはシステム上に保存されます。紙の契約書のように印刷したり、製本したり、保管場所を用意したりする必要はありません。締結された契約書データは、電子契約システムに保存されている場合、必要に応じていつでも閲覧やダウンロードが可能です。またこの場合、契約期間や更新日などの情報も合わせて管理できるため、契約管理業務の効率化にも繋がります。電子データとして一元管理することで、契約書の紛失リスクを防ぎ、長期的な保存と活用を容易にします。

まとめ:電子契約はリスクもあるが対策すれば大きなメリットがある

電子契約による契約締結は、契約書がデータでやり取りされるため、特有のリスクが存在します。しかし、現在はそれらのリスクを回避する方法が確立され、あらかじめ電子契約システムに組み込まれている場合も少なくありません。業務効率化やコスト削減、管理の簡便化などのメリットを考えれば、電子契約の導入は利点が大きく勝っていると考えることができるでしょう。

この記事では電子契約の主なリスクとその回避策、電子契約導入のメリット、契約締結の流れについて解説してきました。企業の契約管理担当者の皆様が、電子契約の導入を前向きに検討するきっかけとなれば幸いです。


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NobishiroHômu編集部
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NobishiroHômu編集部

 

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