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電子契約の7大リスクと対策を徹底解説 | 安全な導入と失敗しない選び方

電子契約の7大リスクと対策を徹底解説 | 安全な導入と失敗しない選び方
この記事を読んでわかること
    • 電子契約のリスク
    • 電子契約のリスクを回避する方法
    • 電子契約を導入するメリット
    • 電子契約の締結の流れ

「電子契約の導入効果を最大化するポイント~業務改善を成功させる契約管理フロー」

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電子契約を導入したいと考える企業が増える一方で、「本当に紙と同じように有効なのか?」「セキュリティ面は大丈夫?」といった不安の声も少なくありません。

たしかに、電子契約には業務効率の向上やコスト削減といった大きなメリットがありますが、その反面、法的効力の不備や情報漏洩、システム障害など、見落とすと重大なトラブルにつながるリスクも存在します。

そこで本記事では、電子契約を導入する前に知っておきたい「7つの主要リスク」と、それぞれの具体的な対策について、図表も交えつつ解説します。あわせて、リスクを回避したうえで得られる5つのメリットや、信頼できる電子契約サービスの選び方まで、実務に役立つ内容を整理しました。

なお、契約審査から締結後の管理、法務相談や法改正対応まで一元管理できるLegalOn Cloudを活用すれば、法務業務の効率化とリスク対策を同時に実現できます。

これから電子契約を導入したいと考えている方、すでに利用しているけれど運用に不安がある方は、ぜひ最後までご一読ください。

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目次

電子契約に潜む7つの主要リスクとは?

電子契約には、便利さの裏側にある見過ごせないリスクが存在します。導入後に「知らなかった」と後悔しないために、まずは代表的な7つのリスクを正確に把握しましょう。

リスク1:法的効力が認められない

締結した契約が、裁判で「無効」と判断されるリスクです。

紙の契約書は「押印」があるため、法的に強く認められています。電子契約では、法律で定められた「電子署名」がその代わりとなります。信頼できるサービスは、以下の要件を満たすことで紙と同等の法的効力を確保しています。

<証明する内容>

  • 本人性の証明:契約者本人が、自身の意思で契約内容に合意したことを証明します。
  • 非改ざん性の証明:契約締結後に、内容が一切変更されていないことを証明します。

法的リスクを避けるためにも、これらの要件を満たした信頼できるサービスを選ぶことが基本です。

リスク2:契約内容が改ざんされる

電子データは、紙と違って簡単に書き換えができてしまう弱点があります。

このリスクを防ぐのが「タイムスタンプ」という技術です。

タイムスタンプは、「いつ、その契約書が存在し、それ以降、改ざんされていないこと」を証明してくれます。

電子署名とタイムスタンプはセットで考えることが、契約の安全性を高める上で重要です。

リスク3:機密情報が外部に漏洩する

外部からの攻撃だけでなく、社員の誤操作や不正による情報漏洩も大きなリスクです。 優れた電子契約サービスには、これを防ぐための機能が備わっています。

<対策の種類>

  • アクセス権限の管理:役職や担当ごとに、閲覧・操作できる範囲を細かく設定します。
  • 承認フローの構築:契約書を送る前に、上長や法務部の承認を必須にします。
  • 二要素認証の導入:パスワードに加え、スマホ認証などを組み合わせ、なりすましを防ぎます。

システムの機能と社内ルールの両面から対策を進めることが、内部からの漏洩防止につながります。

リスク4:サイバー攻撃でデータが流出する

自社ではなく、利用している電子契約サービス事業者が攻撃され、データが流出するリスクです。 サービスを選ぶ際は、事業者のセキュリティ対策を客観的な指標で確認することが重要です。

<確認すべき対策>

  • 基本的なデータ保護:通信や保管データの暗号化が行われているか。
  • 高度な防御策:不正アクセスを防ぐファイアウォールやWAFを導入しているか。
  • 客観的な信頼性の証明:第三者機関によるセキュリティ認証(ISMS、ISO、ISMAPなど)を取得しているか。

自社の重要情報を預けるパートナーとして、信頼できる事業者かどうかをしっかり見極めましょう。

リスク5:そもそも電子化が禁止されている契約だった

法律によって電子化が認められていない契約も一部存在し、これを知らずに電子契約を結ぶと、契約自体が無効になる可能性があります。

例えば、「事業用定期借地契約書」や「任意後見契約書」は、公正証書による作成が法律で義務付けられているため、電子化の対象外です。

一方で、これまで書面が必須だった不動産取引が法改正で電子化されるなど、ルールは常に変化しています。自社が扱う契約については、常に最新の法規制を確認することが極めて重要です。

リスク6:システム障害で必要な時にアクセスできない

利用しているサービスでシステム障害が発生し、必要な時に契約書を閲覧・締結できなくなるリスクです。

この信頼性を測る指標が「SLA(サービス品質保証)」です。SLAでは、サービス事業者が保証する稼働率(例:99.9%以上)などが定められています。

SLAを公開し、高い稼働率を維持している事業者を選ぶことが基本です。

SLAの確認と合わせて、万一の際の事業継続計画(BCP)も検討しておくと、より安心です。

リスク7:税務調査で証拠として否認される

「電子帳簿保存法」のルール通りにデータを保存しないと、税務調査で証拠として認められないリスクがあります。

特に、契約書などの電子データは、以下の条件で検索できるようにしておくのが原則です。

  • 「取引年月日」「取引金額」「取引先」
  • 日付や金額の範囲を指定
  • 複数の項目を組み合わせて検索

ただし、売上高が5,000万円以下の事業者などでは、これらの検索要件がすべて免除される緩和措置もあります。

自社がどの条件に当てはまるかを確認し、法律のルールに沿って適切にデータを保存しましょう。

【導入前に要確認】法律で書面が必須とされる契約の種類

契約の電子化を進める上で、「どんな契約でも電子化して大丈夫?」と不安に感じていませんか?

実は、法律で今なお「書面」での作成が義務付けられている契約が存在します。ルールを知らないと契約が無効になるリスクもあるため、注意が必要です。

ここでは、電子化の前に必ず確認しておきたい契約の種類を、わかりやすく解説します。

借地借家法に関する契約(事業用定期借地契約など)

この法律が関わる契約では、電子化が一切できないものと、条件付きで可能なものに分かれます。

特に厳しいのが「事業用定期借地契約」で、これは公証人が作成に関与する「公正証書」が必須のため、電子契約は認められていません。借主の重要な権利を放棄する内容を含むため、極めて厳格な手続きが求められるからです。

一方で、アパートやマンションの契約で使われる「定期建物賃貸借契約」は、相手方の承諾があれば電子契約が可能です。ただし、相手が紙を希望した場合は、その要望に応じる必要があります。

特定商取引法で交付が義務付けられる書面(訪問販売など)

訪問販売や電話勧誘販売といった特定の取引では、消費者の事前の承諾があれば、契約書を電子データで交付できます。

書面の交付が義務付けられているのは、消費者が冷静に判断するための「クーリング・オフ制度」を機能させるという重要な目的があるからです。そのため、電子化はあくまで消費者が同意した場合に限られます。

また、事業者側だけでなく、消費者もクーリング・オフの通知をメールなどで行うことが可能です。その際は、送信メールの保存や完了画面のスクリーンショットなどを証拠として残しておきましょう。

労働者派遣法に関する契約の一部

人材派遣会社と派遣先企業が結ぶ「労働者派遣契約」は、派遣先企業の承諾があれば電子化できます。

電子化が認められたのは、頻繁に発生する契約更新の手間を省き、業務を効率化するためです。電子化により、コスト削減や時間短縮といった大きなメリットが期待できます。

ただし、電子化する際は、以下の点を守る必要があります。

  • 相手方(派遣先)の承諾を得る
  • 電子署名などで本人性と非改ざん性を担保する
  • 電子帳簿保存法の要件に沿ってデータを保存する

単に書類をPDF化するだけでは不十分なので、注意しましょう。

その他の注意すべき契約類型

ほかにも、建設工事の請負契約や金融商品の取引など、法律で書面交付が定められているものがあります。

契約の種類によって電子化の可否や条件は様々です。自社に関係する契約がどれに該当するのか、以下の表で確認しておきましょう。

<契約類型:根拠法令:電子化の可否と条件>

  • 事業用定期借地契約:借地借家法:不可(公正証書が必須)
  • 定期建物賃貸借契約:借地借家法:可(相手方の承諾が必要)
  • 特定商取引(訪問販売等):特定商取引法:可(消費者の承諾が必要)
  • 労働者派遣契約:労働者派遣法:可(派遣先の承諾が必要)
  • 建設工事請負契約:建設業法:可(相手方の承諾が必要)
  • 金融商品取引契約書面:金融商品取引法:可(2025年4月より原則電子化)
  • 電気通信サービス契約書面:電気通信事業法:可(利用者の承諾が必要)

特に金融商品取引は、2025年4月から「原則デジタル化」へと大きく移行している点も知っておくとよいでしょう。安心して契約業務を進めるために、自社が扱う契約のルールを正確に把握しておくことが大切です。

【決定版】電子契約を安全に利用するための6つのリスク対策

電子契約のリスクは、適切な知識と対策によって十分にコントロール可能です。ここでは、安全な運用を実現するために欠かせない6つの具体的な方法を解説します。

方法1:「電子署名」と「タイムスタンプ」で本人性と非改ざん性を担保する

電子契約の法的な有効性は、「電子署名」と「タイムスタンプ」によって保証されます。これら2つの技術が、紙の契約書における署名や押印と同じ効力を生み出します。

  • 電子署名:本人性の証明:「誰が」契約したかを証明します。
  • タイムスタンプ:非改ざん性の証明:「いつ」契約され、その後改ざんされていないかを証明します。

これらの技術により、契約の信頼性が法的に担保されるのです。

方法2:セキュリティレベルの高い「事業者署名型(立会人型)」を選ぶ

安全性と利便性のバランスを考えると、多くの場合「事業者署名型(立会人型)」の電子契約サービスがおすすめです。契約当事者ではなく、サービス事業者が署名を行う手軽な方式です。

サービスを選ぶ際は、多要素認証など、本人が署名指示したことを証明できる機能があるかを確認しましょう。

方法3:電子帳簿保存法の法的要件を満たすシステムを利用する

電子契約で交わした書類は、電子帳簿保存法の要件に従って電子データのまま保存することが法律で義務付けられています。

守るべき主な要件は以下の2つです。

  • 真実性の確保(データが改ざんされていないことの証明)
  • 可視性の確保(取引年月日・金額・取引先で検索できること)

法的要件を満たすシステムを選べば、自社で複雑な管理をすることなく、安全にデータを保管できます。

方法4:多要素認証やIPアドレス制限で不正アクセスを防止する

「多要素認証」と「IPアドレス制限」を組み合わせることで、不正アクセスを強力に防ぎます。これらは外部からの攻撃に対する重要な防御策です。

  • 多要素認証(MFA):ID・パスワードに加え、スマホの認証コードなど複数の要素で本人確認を行う方法です。
  • IPアドレス制限:オフィスのネットワークなど、許可された場所からしかアクセスできないようにする設定です。

これらを併用することで、万が一パスワードが漏洩しても、不正ログインされるリスクを大幅に減らすことができます。

方法5:従業員ごとにアクセス権限を厳格に設定・管理する

従業員の役職や職務内容に応じて、必要最小限のアクセス権限だけを設定することが内部リスクの管理につながります。これは「最小権限の原則」というセキュリティの基本であり、誤操作や不正利用のリスクを最小限に抑えます。

例えば、以下のように権限を分けます。

  • 管理者
  • 送付者
  • 編集者
  • 閲覧者

会社の「職務権限規程」とシステム上の権限を必ず一致させ、内部統制を徹底しましょう。

方法6:社内運用ルールを定め、セキュリティ教育を徹底する

技術的な対策を活かすためには、明確な社内ルールを定めて、全従業員にセキュリティ教育を徹底することが不可欠です。

まず、「電子署名管理規程」を策定し、契約の承認フローや責任者を明確にしましょう。その上で、IPA(情報処理推進機構)が提供する無料の教材などを活用し、全従業員を対象としたセキュリティ教育を定期的に実施するのがおすすめです。従業員一人ひとりの意識を高めることが、最も確実なセキュリティ対策となります。

リスクだけじゃない!電子契約がもたらす5つの大きなメリット

適切なリスク対策を講じることで、電子契約は企業活動に大きなメリットをもたらします。ここでは、導入によって得られる代表的な5つのメリットを見ていきましょう。

メリット1:契約業務の圧倒的なスピードアップ

電子契約は、契約プロセスをデジタル化することで、従来数週間かかっていた作業を数時間、場合によっては即日で完了させます。

紙の契約と電子契約では、プロセスと所要時間に大きな違いが生まれます。

単に業務が楽になるだけでなく、売上の早期計上や顧客満足度の向上にも直結する重要な要素です。

メリット2:印紙税や郵送費などのコストを大幅に削減できる

電子契約は、印紙税法上の「課税文書」に該当しないため、印紙税が不要になり、郵送費などの関連コストもまとめて削減できます。

印紙税が不要になる理由は、物理的な「紙の文書」を作成・交付するわけではないからです。この見解は国税庁も公式に認めています。 その他にも、次のようなコストが削減対象となります。

  • 契約書の印刷にかかる紙代・インク代
  • 契約書を送付するための郵送料
  • 製本やファイリングにかかる人件費

これらのコストを削減することで、企業の利益率改善や、新たな事業への戦略的投資が可能になるでしょう。

メリット3:契約書の検索・管理が劇的に効率化する

電子契約システムを導入すれば、社内にあるすべての契約情報を一元管理でき、必要な契約書を瞬時に探し出せます。

紙での管理にありがちな「担当者しか保管場所が分からない」「探すのに時間がかかる」といった問題を根本から解決できます。システムには、管理を効率化する便利な機能が備わっています。

  • 一元管理 社内の契約情報を一つの場所でまとめて管理
  • 高度な検索機能 契約相手や締結日だけでなく、本文のキーワードでも検索可能
  • 自動アラート 契約の更新期限が近づくと自動で通知
  • バージョン管理 修正の履歴がすべて記録され、常に最新版が明確

これからの時代、契約書は単なる「保管物」ではなく、経営判断に活用できる「情報資産」として管理していくべきです。

メリット4:物理的な保管スペースと管理コストが不要になる

電子契約の導入により、紙の契約書を保管するためのキャビネットや倉庫といった物理的なスペースと、その管理コストが一切不要になります。

さらに重要なのが、2024年1月から義務化された電子帳簿保存法への対応です。この法律により、電子契約のような電子データは、紙に印刷して保管することが認められなくなりました。

法律で定められた電子データの保存には、主に2つの要件を満たす必要があります。

  • 真実性の確保:データが改ざんされていないことを証明できる仕組み
  • 可視性の確保:誰でも速やかに検索・表示できる状態の維持

信頼できる電子契約サービスは、これらの法的要件を満たすように設計されているため、導入するだけで法改正にスムーズに対応できます。

メリット5:コンプライアンスとガバナンスを強化できる

電子契約は、契約プロセスの正当性と透明性を技術的に担保するため、企業のコンプライアンス(法令遵守)とガバナンス(企業統治)を本質的に強化します。

電子契約の法的有効性は「電子署名法」によって保証されています。法律で有効とされる電子署名には、2つの重要な要件があります。

  • 本人性:その人自身が署名したことを証明できる(なりすまし防止)
  • 非改ざん性:署名後に文書が改ざんされていないことを証明できる

システムには、誰が・いつ・何をしたかという操作履歴がすべて記録されるため、不正な契約締結や情報改ざんを技術的に防ぎます。 このように、人為的なチェックに頼るのではなく、システムによって内部統制を自動化できる点が、電子契約がもたらす最大の価値の一つと言えるでしょう。

失敗しない電子契約サービスの選び方 3つの比較ポイント

数ある電子契約サービスの中から、自社に最適なものを選ぶにはどうすればよいのでしょうか。導入後に後悔しないために、最低限確認すべき3つの選定ポイントをご紹介します。

ポイント1:法的要件(電子署名法・電子帳簿保存法)への準拠

電子契約サービスが、電子署名法と電子帳簿保存法の法的要件を満たしているかどうかが最も重要です。

サービス選定時には、これら2つの法律が定める要件をどのようにクリアしているかを確認しましょう。

電子署名法:電子文書の法的効力を担保する

  • 本人による署名であること(本人性)
  • 改ざんされていないこと(非改ざん性)

電子帳簿保存法:国税関係帳簿書類の電子データ保存を規定する

  • タイムスタンプの付与
  • 検索機能の確保(取引先、日付、金額)

公式サイトでの対応表明や、第三者機関による認証の有無が判断の目安となります。

ポイント2:自社の業務フローに合う機能(承認ワークフロー・API連携)

契約業務を効率化するためには、自社の承認プロセスや利用中の他システムと連携できる機能が不可欠です。

特に確認したいのが、承認ワークフローとAPI連携の2つの機能です。

<承認ワークフロー>

  • 複雑な承認ルート(複数人、条件分岐)に対応可能か
  • 承認依頼や差戻しの操作が直感的か

<API連携>

  • 利用中のSFA/CRMや会計ソフトと連携できるか
  • 連携実績が豊富か、開発サポートはあるか

無料トライアルなどを活用し、実際の業務を想定した操作感を試してみるのがおすすめです。

ポイント3:堅牢なセキュリティと信頼できるサポート体制

安心してサービスを使い続けるためには、堅牢なセキュリティ対策と、困ったときに頼れるサポート体制が欠かせません。

最後に、企業の重要情報を守るためのセキュリティと、円滑な運用を支えるサポート体制を確認しましょう。

<セキュリティ>

  • 通信とファイルの暗号化
  • IPアドレス制限、二要素認証
  • 第三者機関による認証(ISO27001等)の有無

<サポート体制>

  • 導入から運用まで一貫した支援があるか
  • 問い合わせ方法(電話、メール等)と対応時間

企業の信頼性にも関わる部分ですので、料金だけでなく、これらの体制が十分に整っているかを見極めることが大切です。

電子契約の締結は簡単!基本的な4ステップの流れ

電子契約の締結プロセスは非常にシンプルです。ここでは、一般的な電子契約サービスを利用した際の、契約締結までの基本的な4ステップの流れを解説します。

ステップ1:契約書のPDFファイルをアップロードする

まず、完成した契約書のPDFファイルを電子契約サービスにアップロードします。

アップロード後、署名や会社名を入力してもらう場所を画面上で設定します。よく使う契約書はテンプレートとして保存しておくと、次回から設定の手間が省けて便利です。

ステップ2:社内の承認ルートに沿って承認を得る

契約書を取引先に送る前に、社内のルールに沿って上長や関連部署の承認を得ます。

これは、承認されていない契約が外部に送られるリスクを防ぐための重要な工程です。電子契約サービスのワークフロー機能を使えば、承認の流れをシステム化し、ガバナンスを強化できます。

ステップ3:取引先に署名依頼メールを送信する

社内承認が完了したら、取引先に署名を依頼するメールをシステムから送信します。

取引先は、届いたメールのリンクから契約書を確認し、画面上で署名するだけです。サービスへの登録や費用の支払いは一切不要なため、相手に負担をかけません。

ステップ4:締結済みデータをシステム上で保管・管理する

全員の署名が完了した契約書データは、電子帳簿保存法の要件に従ってシステム上で保管します。

締結済みの契約書は、法律で定められた電子データのまま保存することが義務付けられています。電子契約サービスは、この法律の要件を自動で満たせるように設計されています。

電子帳簿保存法が求める主要な要件と、サービスがどう対応するかは次の通りです。

<真実性の確保>

データが改ざんされていないことの証明

  • 電子署名とタイムスタンプを自動付与する
  • 訂正や削除の履歴を記録する

<可視性の確保>

必要なデータをすぐに見つけられること

  • 「取引日」「金額」「取引先」での検索機能を付与する
  • PC画面で明瞭に表示し、印刷可能な状態にする

このように、法的な要件を意識することなく、安全に契約書を管理できるのが大きなメリットです。

【まとめ】リスク対策を万全にし、電子契約のメリットを最大化しよう

電子契約には、法的効力の不備や情報漏洩、システム障害といった重大なリスクが潜んでいます。しかし、これらのリスクは「電子署名」や「タイムスタンプ」などの技術を活用し、法的要件を満たす信頼性の高いサービスを選ぶことで、十分に管理・回避することが可能です。

一方で、電子契約を適切に導入すれば、契約業務のスピード化、コスト削減、コンプライアンス強化といった多くのメリットが得られます。電子化が認められない契約類型や保存方法のルールもありますが、それらを正しく理解し、社内の運用体制を整えることで、安全かつ効率的な契約管理が実現できます。

導入にあたっては、自社の業務フローや法的要件への適合、セキュリティ対策の水準といった複数の観点から慎重にサービスを選定することが重要です。契約審査から締結後の管理まで、あらゆる法務業務を一元的に支援する「LegalOn Cloud」などの先進的なツールの活用も、有効な選択肢となるでしょう。

電子契約のリスクとメリットを正しく理解し、万全の体制で導入を進めていくことが、企業の成長と信頼性向上につながります。


NobishiroHômu編集部
執筆

NobishiroHômu編集部

 

AI法務プラットフォーム「LegalOn Cloud」を提供する株式会社LegalOn Technologiesの「NobishiroHômu-法務の可能性を広げるメディア-」を編集しています。

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