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会社法における内部統制システムとは?金融商品取引法との相違点や構築する主な目的などについて解説

会社法における内部統制システムとは?金融商品取引法との相違点や構築する主な目的などについて解説

企業が健全な経営を図るうえで重要となる内部統制システムの構築。内部統制システムを構築することで、法令にもとづいた適切な企業活動を実現しやすくなります。

一方で内部統制という言葉は知っているものの、「どうやって構築すればよいかわからない」「絶対に構築しなければならないの?」という疑問をもつ方もいるはずです。

そこで本記事では、会社法における内部統制システムの概要や金融商品取引法の規定との違い、構築するメリットなどについて解説します。内部統制システムの構築を考えている経営者様は、ぜひ参考にしてください。


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会社法における内部統制システムとは

内部統制は、「会社法」と「金融商品取引法」で規定されています。会社法は、会社の経営・運営に関する法律です。内部統制に関しては、以下の2点を目的としています。

  • 取締役の職務執行が法令・定款の定めに適していることを確保するための体制づくり
  • 企業における業務の適正を確保するために必要な法務省令に基づいた体制の整備

会社法は企業の相次ぐ不祥事・不正などを背景に、2014年に法改正が実施されました。会社法改正では、内部統制に関する条文が変更されており、取締役の権限のみで内部統制をおこなうことができなくなっています。

内部統制システムを構築する主な目的

内部統制は、企業のコンプライアンスの強化が主な目的です。具体的には以下にある4つの目的で構成されています。

  • 業務の有効性と効率性を高めること
  • 財務報告の正確性の向上と信頼性を高めること
  • 法令順守の企業活動を実施するための体制づくり
  • 企業資産の管理・保全

コンプライアンスとは、もともと法令遵守という意味合いをもつ言葉です。しかし昨今では、倫理観や道徳観など企業に求められるものもコンプライアンスに含まれます。コンプライアンスに違反した企業は、信用性が低下してしまい、業績を悪化させることにもなりかねません。定説的な内部統制の構築は、コンプライアンスの強化が図れ、企業におけるリスク管理に役立ちます。

金融商品取引法における内部統制システムとの違い

会社法と金融商品取引法における内部統制の違いは、「主体」と「主な目的」です。

内部統制システムの整備が必要な会社と定めるべき内容

会社法における内部統制システムの整備は、「取締役会が設置された大会社」に関して義務付けられています(会社法第362条5項)。ここでいう大会社とは、以下のいずれかに該当する企業のことです。

  • 貸借対照表で計上されている資本金が5億円以上
  • 貸借対照表で計上されている負債の部の金額が200億円以上

上記のいずれかに該当しているにも関わらず、内部統制をおこなっていないときは、会社法違反となります。

なお、内部統制で定めるべき内容としては、以下のような事項です。

  • 取締役の職務執行についての情報保存・管理に関する体制
  • 損失をはじめとする危機についての規定に関する体制
  • 取締役の職務執行について効率化を確保するための体制
  • 使用人(従業員)の職務が法令・定款への適合を確保するための体制
  • 企業全体(親会社・子会社を含む)での業務に対して適正を確保するための体制
  • 取締役が必要事項を株主に報告するための体制
  • 取締役から独立して監査役が業務を遂行できる体制

内部統制で定めるべき内容については、会社法第100条にて規定されています。

会社法における内部統制システムを構築するメリット

内部統制システムの構築には、以下のようなメリットがあります。

  • 不正行為の防止をはじめとするリスク管理がしやすくなる
  • 自社の信頼性向上が図れる
  • マニュアルの導入により業務効率化に期待できる

不正行為の防止をはじめとするリスク管理がしやすくなる

内部統制の構築は、不正行為をはじめとするリスクの軽減に有効です。内部統制を適切に構築すると、業務がマニュアル化されたり、業務・会計に対する監視体制が強化されたりします。不正行為を見つけやすくなることから、不正の予防にもつながります。

企業で不正行為が発覚すると、社会的な信用・信頼を失うことになりかねません。内部統制を構築し、不正行為の防止や不適切な業務の抑止に努めることで、社会的な信用を失うリスクを減らせます。

自社の信頼性向上が図れる

内部統制の構築は、自社の信頼性向上にも効果的です。内部統制を構築すると「不正防止に取り組むクリーンな企業」「法令遵守に努める信頼できる企業」など、取引先や世間からプラスの評価を得やすくなります。

企業の信頼性が向上すれば投資家からも信頼を得られたり、取引先が増えたりなど、事業に関するよい影響にも期待できるでしょう。

マニュアルの導入により業務効率化に期待できる

内部統制の構築は、業務効率化を図れることもメリットです。内部統制では業務のルール化などをはじめ、業務体制を整備します。企業によっては部署や業務ごとに、マニュアルを導入するケースもあるでしょう。

業務をマニュアル化すると業務全体の可視化ができるとともに、業務効率化にも期待できます。

会社法における内部統制システムを構築するときのポイント

内部統制システムを構築する際は、以下のポイントをおさえておきましょう。

  • 法的な要件を漏れがないようにカバーする
  • 関係者の役割を明確にする
  • 内部統制システムに対する意識を社内できちんと共有する
  • 弁護士などの専門家に相談しながら進めると精度を高められる

法的な要件を漏れがないようにカバーする

内部統制の構築では、法令の要件を漏れなくカバーできるシステムづくりが大切です。そもそも内部統制が義務付けられている会社は、会社法や金融商品取引法の規定に沿った整備が求められます。

一方で義務付けの対象とならない会社についても、法律に基づいたシステムを構築することで、システムが適切に機能しやすくなるでしょう。

関係者の役割を明確にする

内部統制の構築では、関係者の役割を明確にすることが大事です。役割を明確化することで、それぞれが果たすべき責任を理解でき、適切に機能しやすくなります。

内部統制には取締役だけでなく、各部署の管理職や従業員など、様々な人物が関係します。とくにポイントとなる箇所には適した人材を配置することで、適切にシステムを運用しやすくなるでしょう。

内部統制システムに対する意識を社内できちんと共有する

内部統制を構築する際は、社内でシステムに対する意識の共有が必要です。どれだけ充実した内部統制を構築しても、関係者が適切に実行しなければシステムはきちんと機能しません。

構築したシステムを機能させるには、社内研修やOJTなどを定期的に実施するなどして、社内にシステムを浸透させる必要があります。

弁護士などの専門家に相談しながら進めると精度を高められる

内部統制の構築には、会社法や金融商品取引法をはじめ、法律の知識が必要です。自社に法律の知識や体制づくりのノウハウがなく、システム構築が難しい場合は、弁護士などの専門家に相談してみましょう。

法律の専門家からアドバイスをもらうことで、内部統制の精度を高められます。

内部統制システムを整備しないとどうなる?

会社法における内部統制に関しては、罰則規定はありません。とくに義務の対象とならない会社については、内部統制を構築するかどうかについても会社が決められます。

一方で金融商品取引法では、一般的に「J-SOX」と呼ばれる内部統制に関する規定が定められています。「J-SOX」は内部統制の報告に関する制度があり、すべての上場企業が対象です。報告書を提出しなかったり、虚偽の内容で報告したりすると以下のような罰則が科せられます。

  • 法人:5億円以下の罰金
  • 個人:5年以下の懲役または500万円以下の罰金、もしくはその両方

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<関連記事> 法務が抱える三つの課題と、AI法務プラットフォームが示す解決策

まとめ

内部統制システムの構築は、健全な企業活動を実施するうえで有効なものです。不正行為の防止や適切な職場環境づくりを実現でき、企業活動に関するリスクを減らせます。内部統制を構築するときは、会社法の規定に則りつつ、自社に合ったシステムの構築が大事です。「LegalOn Cloud」などの業務システムの活用も検討しながら、適切な内部統制システムを構築しましょう。

NobishiroHômu編集部

この記事を書いた人

NobishiroHômu編集部

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