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IPOで監査法人を利用する理由とは?主な役割とIPO時の業務、おすすめの選び方を解説

IPOで監査法人を利用する理由とは?主な役割とIPO時の業務、おすすめの選び方を解説

IPOを目指す際に必要となる監査法人の利用。IPOでは、主に上場を目指す企業の会計監査をおこない、「監査報告書」を作成する役割を担います。

IPO時の監査法人の役割は会計監査だけでなく、企業へのアドバイスをはじめ、様々な業務を担当します。しかし監査を実施する会計事務所は多数存在することから、「どの監査法人を選べばいいの?」「IPO時に監査法人はどんなことをするの?」などを知りたいという方もいるはずです。

そこで本記事ではIPOで監査法人が必要となる理由やIPO時の業務、監査法人の選び方について解説します。IPOを目指す企業の経営者様や担当者様などは、ぜひ参考にしていただけますと幸いです。


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IPOで監査法人が必要となる理由

監査法人とは公認会計士法に基づき、設立された法人のことです。設立には5人以上の公認会計士を必要とし、主に企業の財務報告の監査をおこないます。監査法人は、一般的に以下のように分けられます。

  • 大手監査法人
  • 準大手監査法人
  • 中小監査法人

IPO(新規株式上場)をおこなう際は、監査法人による2期分の監査証明が必要です。上場申請時には、監査法人が監査結果をまとめた「監査報告書」を提出しなければならないため、事前に監査法人から2期分の監査を実施してもらう必要があります。

監査法人の役割

監査法人の主な役割は、「監査証明業務」と「非監査証明業務」の2つです。それぞれ詳しく見ていきましょう。

監査証明業務

監査証明とは、企業の決算書や財務諸表などの財務報告書が、正しく作成されているかをチェック・証明する業務です。監査法人は監査結果を「監査報告書」としてまとめ、依頼した企業に提出します。主な監査業務としては、以下のようなものです。

  • 金融取引法に準ずる監査
  • 会社法に準ずる監査
  • 子会社などに関する任意の監査

そもそも公認会計士による監査は、会社法や金融商品取引法にて、資本金5億円以上の大会社など特定の企業に義務付けられています。IPOにあたっては証券取引所の規定により、金融取引法に準ずる監査の実施が必要となるのが一般的です。

非監査証明業務

非監査証明業務とは、監査法人がおこなう監査証明以外の業務です。企業活動のサポートを目的としたもので、以下のような業務をおこないます。

  • 適切な会計処理に関するアドバイスやサポート
  • 内部統制の構築・整備に関するアドバイスとサポート
  • IPOに関するサポート
  • 危機管理体制の構築におけるアドバイス
  • 人材育成をはじめとする事業計画のアドバイス

監査法人では会計をはじめ、様々な企業活動のコンサルティングを実施しています。依頼できる業務は監査法人によって異なりますが、M&Aなどの範囲まで取り扱うところもあります。

IPOの際に監査法人がおこなう業務

監査法人がIPOの際におこなう業務としては、以下のようなものが挙げられます。

ショートレビュー

ショートレビューとは、企業が抱える課題・問題点を洗い出す業務です。短期調査とも呼ばれ、IPOを実施するときは以下のような事項を調査します。

  • 経営体制の状況確認
  • 事業計画のチェック
  • 予算管理体制の状況確認
  • 会計体制に関する状況確認
  • 資本政策の内容のチェック

監査法人は調査結果を報告書にまとめ、企業に対して改善に関するアドバイスをおこないます。IPOには適切な管理体制での運用実績も求められるため、問題点がある場合にはアドバイスにもとづき、適切な管理体制への早期改善が必要です。

財務諸表の監査

IPO時には原則として、上場申請直前々期(N-2)と直前期(N-1)の監査証明が必要です。IPOを目指す際は監査法人に依頼して、監査の実施および監査報告書の作成をしてもらうわなければなりません。

財務諸表の監査では企業に対して、会計処理に関する修正・アドバイス・指導をおこなうのも監査法人の役割です。IPOを目指す企業はアドバイスや指導をもとに、適切な会計処理体制の構築に努めます。

内部統制・管理に関する助言や指導

内部統制や管理体制に関する助言や指導をおこなうのも、IPO実施時の監査法人の役割です。IPO時には証券取引所が企業の内部統制についてチェックするため、適切な体制を構築しておく必要があります。監査法人から指摘があったときは、早急に改善を図りましょう。

コンフォートレターの作成

IPOにおけるコンフォートレターとは、主幹事証券会社に提出する書簡のことです。監査法人が株式や社債に関する内容を報告書としてまとめ、主幹事証券会社に提出します。

なお、主幹事証券会社は、IPO時に引受責任を果たすことになる証券会社です。主幹事証券会社はコンフォートレターをもとに、有価証券報告書のチェックや引受審査を実施します。

IPOで利用する監査法人のおすすめの選び方

監査法人は、自社に適したところを選びましょう。以下は、監査法人のおすすめの選び方です。

実績で選ぶ

IPOで利用する監査法人は、実績が豊富なところを選ぶのがおすすめです。ノウハウが蓄積されているので、様々な事態に対応しやすく、準備をスムーズに進められるでしょう。実績を確認するときは、以下のポイントをチェックします。

  • 業務年数
  • IPOに関する実績
  • 監査に関する事例

IPOの実績や同業他社の支援実績が豊富であれば経験が豊富な分、準備において有利に働くでしょう。

専門的な知識を有しているかで選ぶ

専門知的な知識を有しているかどうかも、監査法人選びの重要なポイントです。監査法人は、財務諸表や内部統制に関するアドバイス・指導をおこないます。IPOをスムーズに進めるには、上場に関する専門的な知識が必要です。

IPOに関する専門的な知識を有する監査法人に依頼することで、準備をスムーズに進められるでしょう。

規模で選ぶ

依頼する監査法人は、規模で選ぶのも選択肢の一つです。規模ごとのメリットとしては、以下のようなものが考えられます。

企業側のメリットは、企業の目的や方針によって異なるため、一概にどの規模がおすすめとはいえません。また上記は、あくまでも想定される目安となるものです。実際に利用する際は、自社の求めるものを提供してくれるか、確認したうえで選びましょう。

IPOをおこなうときの流れ

IPOまでには様々な業務が発生しますが、大まかには以下のような流れで進めていきます。

監査法人の選定

まずは、監査法人を選定します。IPOには2期分の監査報告書が必要となるため、できる限り早い段階で選定しておきましょう。選定後はショートレビューを受け、問題点の改善や適切な体制づくりを図ります。

主幹事証券会社を決定

内部統制や管理体制の構築ができたあとは、主幹事証券会社を決めましょう。主幹事証券会社は、IPOにおいて中心的な役割を担う存在です。主幹事証券会社には様々な証券会社が存在するので、実績や支援体制などを確認したうえで選びましょう。

主要株主から了承を得る

IPOを実施するときは、株主や取引銀行から了承を得なければなりません。IPOを実施すると株式は電子化されることになり、場合によっては上場の前後で保有割合が変わることもあります。IPO実施時には、株主にたいしてこれらの事項について了承を得る必要があります。

印刷会社の決定

IPOでは、印刷会社も決める必要があります。IPO申請の際は、有価証券報告書をはじめ、各種申請書類の印刷と作成が必要です。印刷会社は印刷や作成に必要なツール・システムの提供、チェックを担当します。IPOをスムーズに進めるには、IPOの実績が豊富な印刷会社を選びましょう。

株式事務代行機関の設置

IPO後には、株式事務代行機関の設置が必要です。株式事務代行機関は企業の代わりに、株主名簿の管理・株主総会の運営などをおこないます。主な株式事務代行機関としては、信託銀行などが挙げられます。

IPOをスムーズに進めるためのポイント

IPOをスムーズに進めたいときは、以下のポイントをおさえておきましょう。

  • 内部統制や管理体制は早めに整備しておく
  • 審査に通りやすいよう事業計画は合理的な内容にする
  • 監査法人や主幹事証券会社は自社に合ったところを選ぶ

IPOには専門的な知識と経験が必要となり、様々な業務が発生します。上記のポイントをおさえておくことで、準備をスムーズに進めやすくなるでしょう。

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まとめ

監査法人は、IPOに必要な監査報告書を作成するのが主な役割です。企業の会計監査を実施し、結果をまとめて報告書を作成してくれます。また監査法人によっては、IPOに向けたアドバイスやサポートをおこなうところも存在します。

ただし提供する業務やサポート内容は監査法人によって異なるため、自社に合ったところを選ぶことが大切です。自社に適した監査法人を利用し、IPOを実現させましょう。


<この記事を書いた人>

Nobisiro編集部

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