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納品書の保管期間は何年?法律のリスクと電子化のメリットについて解説

納品書の保管期間は何年?法律のリスクと電子化のメリットについて解説
この記事を読んでわかること
    • 納品書の保管期間は法律で定められており、会社法と税法で異なる
    • 保管期間を守らないと罰則や税務リスクがある
    • 電子化すると保管や検索が容易になり、コスト削減にもつながる

納品書は、取引の証拠として機能し、経理処理や税務申告の際に必要不可欠な書類です。納品書を適切に保管することで、企業は法的リスクを回避し、税務調査にも迅速に対応できるようになります。納品書の保管期間が法令でどのように定められているのかをしっかり理解し、遵守することが重要です。

た、納品書の紙での保管と電子による保管には、それぞれメリットとデメリットがあります。この記事では、納品書の保管期間に関する法令の規程や、それを守らなかった場合のリスクについてわかりやすく解説します。さらに、納品書の管理方法として、紙媒体と電子化のそれぞれの利点や具体的な方法についても取り上げます。

ここでは電子データでの文書保存に関する電子帳簿保存法についても言及しますが、それに適したサービスも存在します。例えばLegalForceキャビネは、契約書の電子データでの保存に特化したAI契約管理システムです。文書保管のDXに関心のある方は、ぜひ以下をご覧ください。

納品書の保管期間とは?

法律で定められた保管期間

納品書の保管期間は、一般的に以下の二つの法律が基準となります。

会社法に基づく保管期間は10年

会社法では、会社の経理書類の一部として、納品書を含む各種取引記録の保管期間が定められています。具体的には、会社法第432条に基づき、企業は「取引に関する帳簿書類」を10年間保管する義務があります。これには納品書も含まれるため、10年間の保管が必要です。

税法に基づく保管期間は7年

税法では、納税に関連する書類の保管期間が定められています。納品書は、所得税法や法人税法に基づく経理書類の一部として扱われます。以下が主な保管期間の例です。

所得税法
: 個人事業主の場合、納品書は5年間保管する必要があります(所得税法第120条)。
法人税法
: 法人の場合、納品書を含む会計帳簿は7年間保管する必要があります(法人税法第126条)。

保管期間が異なる場合の例

特定の条件下では、納品書の保管期間が異なる場合があります。以下はその一例です。

例適用期間の延長:税務調査で問題が見つかった場合や申告内容に誤りがあった場合、通常の保管期間を超えて納品書の保管が必要となることがあります。

特定の取引の性質:建設業などの長期計画の場合、契約期間や工事の完了日を基準に保管期間が延長されることがあります。

納品書の保管期間は、一般的には7年から10年間です。企業はこれらの法的要件を理解し、適切に納品書を管理する必要があります。

社法で10年、税法で7年と保管期間が異なる理由

納品書の保管期間が、会社法で10年、税法で7年と異なるのは、目的の違いによるものです。

社法は、企業活動を正しく行うために定められた法律です。企業活動でトラブルがあった場合、納品書は事実を確認する重要な書類です。企業と個人顧客間でトラブルがあった場合の民事時効は10年なので、会社法では10年の保管義務が定められています。

方、税法では、納税額を正しく算定し、法人税を正しく納めてもらう必要があります。脱税が発覚した場合、追徴課税ができるのは7年であるため、税法では7年の保管義務が定められています。

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保管期間を守らなかった場合のリスク

法的なリスク

罰則やペナルティの詳細

会社法や税法に定められた保管期間を守らない場合、企業は法律違反となり、罰則やペナルティが科される場合があります。

会社法違反
会社法に基づく経理書類の保管義務を怠った場合、企業やその代表者に対して過料が科されることがあります。

税法違反
納税関連書類を適切に保管しなかった場合、税務署からの指摘や追加税額の徴収、重加算税の対象となることがあります。

行政罰
保管義務違反が発覚した場合、行政からの指導や是正措置の要求が行われ、従わないときは罰則が科される場合もあります。

実務上のリスク

税務調査での問題点

税務調査への対応

税務調査の際に納品書が適切に保管しなかった場合、取引の証拠を提出できず、経費や売上の正当性の証明が困難となります。証明ができないと、過去の申告内容に誤りがあるとみなされ、修正申告を求められる可能性があります。

追加徴税
適切な証拠書類がない場合、税務署は推計課税を行い、追加で税金を徴収することがあります。この場合、通常よりも高額な税金が課されてしまうことがあります。

訴訟リスク

取引先とのトラブル
納品書が適切に保管されず、取引先との間で契約内容や納品内容に関するトラブルが発生した場合、紛争の解決が困難になります。その場合、訴訟に発展してしまうこともあります。

信頼失墜
訴訟に発展した場合、企業の信頼をなくすというリスクがあります。これは、顧客や取引先、さらには従業員や株主にも影響を与え、企業のブランド価値や市場での評価に悪影響を及ぼします。

品書の保管期間を守らないと、法的な罰則やペナルティのリスクだけでなく、税務調査や取引先とのトラブル、訴訟リスクなど、実務上の重大な問題を引き起こします。これらを回避するために、納品書を法定の保管期間中、適切に管理しましょう。

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納品書の適切な管理方法

紙媒体での保管

納品書を紙の状態で管理する場合、どのようなことに注意するべきか解説します。

保管場所の選定

  • 納品書が必要な時にすぐに取り出せるように、法務部門や経理部門、管理部門に近い場所
  • 取引先別や日付順に分類し、書類を効率的に管理
  • ファイルキャビネットや専用の書類保管ボックスを使用
  • 納品書が破損したり、紛失したりしないように、防火対策や防湿対策が施された保管庫などの安全な場所に保管

保管時の注意点

  • 書類が適切に保管されているか、定期的に点検し、必要に応じて整理し直す
  • 各書類には、取引先名、日付、内容などを記載したラベルを付けて検索を容易にする
  • 紙は時間が経つと劣化するため、酸性紙を避け、中性紙や耐久性が高く長期保存に適した方法にする

電子化による保管

電子帳簿保存法の要件

納品書を電子化して保管する場合、日本の電子帳簿保存法の以下の要件を満たす必要があります。

  1. 真正性の確保
    電子化された納品書の改ざん防止措置が求められます。タイムスタンプの付与やデジタル署名の使用が一般的です
  2. 可視性の確保
    電子化された納品書が、専用の閲覧ソフトウェアやシステムを利用して、適切に表示・検索できる状態で保管されていることが推奨されます
  3. 保存性の確保
    電子データが消失しないように、クラウドストレージや外部ハードディスクへの定期的なバックアップ体制を整えることが重要です

電子化の具体的な手順

  1. 紙の納品書を字が鮮明に読み取れるよう高解像度で行い、スキャナーで電子化する
  2. 電子化した納品書はPDF形式など、変更が難しく、長期保存に適した形式で保存する
  3. ファイルに取引先名、日付、金額などのメタデータを付与し、簡単に検索できるようにする
  4. 電子化されたデータはパスワード保護や暗号化などのセキュリティ対策を施し、不正アクセスを防ぐ
  5. 定期的なバックアップと、複数の場所にバックアップを保管し、データの消失に備える
  6. 電子帳簿保存法に対応したソフトウェアを導入し、効率的に管理する

納品書は、紙媒体や電子化それぞれの方法に応じた注意点を守ることが重要です。紙媒体での保管では、安全な保管場所の選定と定期的な点検をします。電子化による保管は、電子帳簿保存法の要件を満たし、セキュリティ対策やバックアップを徹底することが求められます

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電子化のメリット

コスト削減

物理的な保管コストの削減

紙の納品書を保管するには、専用の保管スペースやキャビネットが必要です。これらの物理的な保管スペースを維持するにはコストがかかりますが、電子化することでこれらのコストを削減できます。

印刷コストの削減

紙の納品書を発行するためには、紙代やインク代、印刷機のメンテナンス費用が必要です。電子化により、これらの印刷関連のコストを削減できます。

郵送コストの削減

納品書を取引先に郵送する場合、郵送料が発生します。電子メールやオンラインシステムを通じて納品書を送信することで、郵送コストを節約できます。

見つけやすさ

迅速な検索と閲覧

電子化された納品書は、検索機能を使用して迅速に見つけることができます。取引先名や日付、金額などのキーワードで簡単に検索でき、必要な情報を即座に閲覧できます。

リモートアクセス

電子化された納品書は、インターネットを通じてどこからでもアクセス可能です。これにより、リモートワークや出張先でも必要な書類にアクセスでき、業務の柔軟性が向上します。

一元管理

納品書を電子システムで一元管理することで、複数の部署や支店からでも同じデータベースにアクセスでき、情報共有がスムーズになります。

セキュリティの向上

不正アクセス防止

電子化された納品書は、パスワード保護や暗号化技術を使用して不正アクセスから守ることができます。これにより、機密情報の漏洩リスクが低減します。

改ざん防止

電子化された納品書は、タイムスタンプやデジタル署名を利用することで、改ざん防止の措置を講じることができます。これにより、書類の信頼性が向上し、法的な証拠としての価値が高まります。

アクセス権の管理

電子化された書類は、ユーザーごとにアクセス権を設定することができ、特定の人物のみが閲覧・編集できるように制限することが可能です。これにより、情報の漏洩や不正利用を防止します。

納品書の電子化は、コスト削減、スペースの節約、見つけやすさ、セキュリティの向上といった多くのメリットをもたらします。これらの利点を活用することで、企業は業務効率を高め、リスクを低減し、柔軟かつ安全に書類を管理できます。電子化にすることで、現代のビジネス環境に適応した効率的な運営が可能になるでしょう。

電子化における注意点

データのバックアップ

納品書の電子化の注意点は、データのバックアップ、法的要件の遵守、セキュリティ対策を徹底することがあげられます。納品書のデータの安全性を確保し、法的リスクを回避する対策を講じて、電子化による利便性と安全性を最大限に活用しましょう。

キュリティ対策

納品書最大限に活用するためには、電子化された納品書の管理方法やセキュリティ対策について、従業員に教育とトレーニングを実施し、セキュリティの認識を高めることが大切です。

電子化の利点を最大限に活用して信頼を得る

納品書の保管期間を守ることは、企業の法的リスクを回避し、業務の信頼性を得るために不可欠です。法律で定められた保管期間を遵守することで、罰則やペナルティを避けられ、税務調査や訴訟にも備えることができます。

さらに、納品書の電子化には多くのメリットがあります。コスト削減、スペースの節約、アクセスのしやすさ、セキュリティの向上などです。

適切なソフトウェアの導入やデジタル署名の活用、クラウドストレージの利用を通じて、電子化の利点を最大限に活用しましょう。企業は効率的かつ安全に納品書を管理し、業務運営の健全性と柔軟性を向上させることができます。

ここまでご紹介したように、文書の電子データ保管は注意点がありながらもメリットが多く、世の中の動きとしても電子データ中心になっていくことが予想されます。DXに対応するためにも、LegalForceキャビネなどITサービスの導入を是非、ご検討ください。

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NobishiroHômu編集部

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