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中小企業に顧問弁護士は必須? メリットと選び方のポイントを解説

中小企業に顧問弁護士は必須? メリットと選び方のポイントを解説
この記事を読んでわかること
    • 企業における顧問弁護士の基本的な役割
    • 中小企業に顧問弁護士が必要になる場面
    • 顧問弁護士の選び方や契約時のポイント

「顧問弁護士活用の実態とニーズ調査レポート -全国の中小企業編」

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中小企業、特に上場を目指している企業においては、事業の発展・拡大が何より優先されます。そのため、法務体制の整備まで手が回らず、法的トラブルへの対策が不十分な企業も少なくありません。とはいえ、組織規模の都合上、中小企業が企業内弁護士や法務専任の部署を置くハードルも高いものです。そんな場合は、顧問弁護士と契約し、企業法務をアウトソーシングするのがおすすめです。

顧問弁護士との契約を検討する際、気になるのは毎月発生するランニングコストです。本当に顧問料を支払ってまで契約する必要があるのか、悩まれる方も多いのではないでしょうか。

本記事では、まず顧問弁護士の基本的な役割を押さえた上で、中小企業に顧問弁護士が必要となる場面や、弁護士の選び方、契約時に押さえておきたいポイントまでわかりやすく解説します。

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顧問弁護士の基本的な役割

顧問弁護士は、法的リスクやトラブルから企業を守り、安定した成長戦略を支援する存在です。基本的には、次の4つの役割を担っています。

  • トラブル発生時の迅速な対応
  • 企業の法的リスクの予防
  • 法改正対応
  • 法律文書のリーガルチェック

トラブル発生時の迅速な対応

顧問弁護士の役割のひとつが、法的トラブルへの対応です。企業の抱える法的トラブルへ迅速に対応し、リスクを最小化させます。

具体的には、企業に起こりうる労務トラブル、契約トラブル、債権トラブルなどに対応し、企業活動を変わらず行えるようにサポートします。

企業の法的リスクの予防

法的トラブルを未然に阻止するための予防法務も、顧問弁護士の重要な役割です。予防法務とは、法的紛争の防止、紛争が発生した場合のリスクヘッジを目的に、予防として行われる法務の取り組みのことです。法的リスクが潜んでいないか分析し、トラブルへとつながる前に対策を講じます。

予防法務の具体的な業務内容は以下の通りです。

  • コンプライアンス体制の構築
  • 社内規定の再整備
  • 契約書の作成やチェック
  • 知的財産権の管理
  • 債権管理 など

上記の業務を中心に予防策を打っておくことで、風評被害や多額の損失といったリスクを回避できます。

法改正対応

弁護士は、法律のプロとして各種法令の最新情報をいち早く把握しています。そのため、法改正があった場合も即座にキャッチアップし、新たな要件に合った経営を担当企業へと提案可能です。

これにより、「法改正により、いつの間にか法的リスクが高まっていた」といった事態を回避できます。法改正への対応をスムーズに、かつもれなく行うにあたって、顧問弁護士は重要な役割を担います。

法律文書のリーガルチェック

予防法務ともつながる業務ですが、顧問弁護士の重要な役割としてリーガルチェックもあげられます。

リーガルチェックとは、契約書や官公庁への提出書類、株主総会の議事録などの法的文書に問題はないか、法的観点からチェックする作業のこと。企業にとって不利な条項がないかなどを確認し、もしも懸念点がある場合は修正・削除します。法令違反の予防や、万が一トラブルに発展した際のリスク低減にも効果的です。

顧問契約でリーガルチェックを依頼する場合、プランによって対応件数が限られていることもあるため注意しましょう。

弁護士が伝える 顧問弁護士の正しい活用方法

中小企業に顧問弁護士が必要になる場面

法務部の設置は、法務案件がそこまで膨大ではない中小企業にとって負担となります。その場合、顧問弁護士と契約して法務業務をアウトソーシングし、ポイントに絞って対応を依頼するほうが、コストを低減できます。ここからは、特に中小企業で顧問弁護士が必要となる4つの場面について解説します。

  • 契約トラブルの防止
  • 労使トラブルのリスク低減
  • 法的リスクの評価とアドバイス
  • 緊急時の迅速な対応

契約トラブルの防止

中小企業における契約トラブルを防止するには、顧問弁護士が必要です。とくに企業規模の大きな会社との契約では、中小企業にとって不利な条件を提示されることもあります。その場合、顧問弁護士がいなければリスクに気づかず、後々に大きなトラブルとなるリスクもあるでしょう。

しかし、顧問弁護士にリーガルチェックを依頼できれば、不利な条件や契約上の不備、曖昧な点などを契約締結前に検出し、適切に相手方と契約交渉ができます。契約数が増えて管理しきれない場合も、顧問弁護士の手を借りることができれば、法的リスクを回避可能です。

労使トラブルのリスク低減

労使トラブルは、中小企業において数多くみられる法的リスクです。2016年の日本弁護士連合会による調査によると、中小企業にとっての課題としてもっとも多く票を集めたのは「雇用問題」で、37.1%でした(※1)。

2008年の調査においても、「債権回収」に続き2番手につけていることから、多くの中小企業が長きにわたって雇用問題に悩まされているということがわかります(※2)。

一方で、顧問弁護士がいれば、人事労務管理に関するアドバイスも可能です。最新の法令に則った就業規則、雇用契約書の作成などを通じ、円滑な労使関係を構築できます。

※1,2 出典:「第2回中小企業の弁護士ニーズ全国調査報告書」 日本弁護士連合会

法的リスクの評価とアドバイス

中小企業では、法務部門を持たないことも少なくありません。社内に法務部門がない場合、顧問弁護士による法的リスクの評価が必要となります。

顧問弁護士であれば、事業拡大に伴った法的リスクの有無、コンプライアンス体制などを確認し、長期的視点で企業戦略に寄与するアドバイスを行うことが可能です。

緊急時の迅速な対応

顧問弁護士は、平時より企業の法務状況を把握している存在です。そのため、万が一のトラブルの際にも即座に対応でき、内容証明郵便が届いた場合や、訴状が届いた場合などの緊急事態においても迅速に動けます。早期対応・早期解決により、トラブルの深刻化を防止できるでしょう。

「もしものときは弁護士にスポット依頼すればいい」と思う方も多いかもしれませんが、スポット依頼の場合、弁護士は自社の置かれている状況を詳細に把握できていません。まずはどのような状況か共有するところから始めるため、初動対応が遅れてしまいます。

法的トラブルが発生した場合に、適切かつ素早く初動対応を取るには、顧問弁護士の存在が重要です。

顧問弁護士の選び方

顧問弁護士は、中小企業にとっても重要な存在です。しかし、信頼できる顧問弁護士と契約するためには、選び方を押さえておく必要があります。次の3つのポイントを比較し、顧問弁護士を選びましょう。

  • 経験と専門性
  • 連絡のしやすさとコミュニケーション
  • ビジネス理解力と対応の柔軟性

経験と専門性

顧問弁護士を選ぶ際には、自社の業界に精通しているか、自社のビジネスに関連した分野で実績があるかといった点を確認しましょう。

顧問弁護士と一口にいっても、弁護士によって得意とする業界や分野は異なります。ITや金融、ヘルスケア、福祉など、自社の業種に合った知識と実績を持つ弁護士を選ぶことで、業界ならではの法的トラブルにもスムーズに対応可能です。

これまでの支援実績を確認し、十分な経験や専門性がある弁護士を探しましょう。

連絡のしやすさとコミュニケーション

顧問弁護士は、企業を法的側面から支える重要な存在です。企業の成長戦略にも関わり、関係性の構築は長期にわたって行われます。そのため、顧問弁護士とコミュニケーションが取りやすいか否かは肝心なポイントです。

レスポンスの早さはもちろん、質問に親身になって答えてもらえるか、専門用語もわかりやすく噛み砕いて説明してくれるかなど、コミュニケーションに滞りがないか確認しておきましょう。

さらに、電話やメールだけでなくチャットツールでも相談できるのか、ミーティングツールで顔を合わせながら相談できるかなど、使用するコミュニケーションツールも把握しておくこともおすすめします。

ビジネスへの理解と対応の柔軟性

顧問弁護士の役割は、目の前の法的トラブルに対応するだけではありません。企業の成長戦略を考慮した法的アドバイスを提供し、経営視点での戦略も提案します。

法的かつ戦略的なアドバイスを求める場合、自社ビジネスに対する深い理解が必要です。そのため、単に法律のプロであるだけでなく、理解力の長けた人を顧問弁護士に選びましょう。一度の面談だけでなく、複数回の面談を通じて判断することをおすすめします。

しかし、顧問弁護士だからといって何でも対応できるわけではありません。もしも専門外の領域となった場合は、他の弁護士を紹介してくれるなど、柔軟に対応してくれる法律事務所がおすすめです。

顧問弁護士との契約に関するポイント

顧問弁護士と契約するにあたって、いくつか確認しておきたいポイントがあります。契約後に後悔することのないように、次の3点は押さえておきましょう。

  • 顧問料の相場と支払い条件
  • 契約内容とサービス範囲
  • トラブル発生時の対応プロセス

顧問料の相場と料金体系

顧問弁護士と契約するには、月額顧問料を支払う必要があります。顧問料は各弁護士によって異なりますが、前もって大まかな費用相場を把握しておきましょう。

例えば中小企業の場合、顧問料の平均価格は月額5万円から10万円ほどです。法律相談の回数やリーガルチェックの件数などによって、料金プランが細かく分けられている場合もあるため、自社のニーズに沿ったサービスを選んでください。

また、かつて弁護士顧問料の最低月額が5万円と定められていたことの名残で、報酬を5万円としている事務所もあるようです。しかし、現在は自由化によってコストの選択肢は増えています。各事務所の料金を比較し、コストと提供サービスのバランスを考慮してから契約することをおすすめします。

契約内容とサービス範囲

弁護士との顧問契約は、各法律事務所やプランによって対応業務が異なります。月に何時間法律相談が可能か、リーガルチェックは何件までかなど、具体的なサービス範囲を確認してから契約しましょう。

サービス範囲を超えた業務を依頼する場合、追加費用がいくらになるかも確認しておくことで、予想外のコストに戸惑うこともありません。

契約内容やサービス範囲が不明瞭な場合、トラブルのもととなります。あらかじめ確認した上で契約するようにしましょう。

トラブル発生時の対応プロセス

顧問弁護士は、法的トラブルの発生時には即座に対応し、問題の早期解決を支援します。会社の代理人としての交渉、内容証明郵便の送付、より有利に解決できるような訴訟対応など、どういった対応プロセスを依頼できるのか契約時に確認しておきましょう。

法律事務所の中には、顧問先情報を共有し、同じ事務所の弁護士間で常に連携を取っている事務所もみられます。これにより、担当弁護士以外でもスムーズに対応できるため、緊急時に弁護士に連絡がつかない、といったトラブルを避けられるでしょう。

まとめ

ビジネスに潜む法的リスクを取り除き、安定した経営基盤を築くためには、顧問弁護士のサポートが欠かせません。顧問弁護士の高品質な法務サービスは、組織内に強固な法務組織を置くことが難しい中小企業において、非常に心強い味方となるでしょう。労使トラブル、契約トラブルなど、特に経営への影響が大きくなる法務リスクを、適切に顧問弁護士に相談することによって回避できます。


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NobishiroHômu編集部
執筆

NobishiroHômu編集部

 

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