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【よくある悩みQ&A付き】労働条件通知書とは? 作成・交付・管理のポイントを分かりやすく解説

【よくある悩みQ&A付き】労働条件通知書とは? 作成・交付・管理のポイントを分かりやすく解説
この記事を読んでわかること
    • 労働条件通知書の法的根拠と重要性
    • 必須記載事項と効果的な作成方法
    • デジタル管理による業務効率化の実現

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働条件通知書は、企業が従業員を採用するときに交付する書類です。この書類は、労働基準法に基づいて交付が義務付けられており、雇用形態に関係なくすべての労働者に交付する必要があります。法務担当者や労務担当者にとって労働条件通知書の作成と管理は、法令遵守を確保し、トラブルを未然に防ぐために重要です。本記事では、労働条件通知書の法的根拠、必須記載事項、効果的な作成方法について詳しく解説します。これを読むことで、労働条件通知書の基本をしっかりと理解し、実務に役立てることができるでしょう。

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目次

働条件通知書とは

労働条件通知書は、従業員の権利を守り、労使間のトラブルを防ぐために重要な役割を果たす文書です。ここでは、その定義や法的根拠、雇用契約書との違いについて詳しく解説します。

労働条件通知書の定義

労働条件通知書とは、雇用主が従業員に対して労働条件を提示するために発行する書類です。具体的には、賃金、労働時間、休日、その他の労働条件を記載した文書を指します。この通知書は、従業員が安心して入社できるよう、労働条件を明確にする役割を果たします。

法的根拠(労働基準法第15条)

労働条件の通知は、労働基準法第15条第1項に基づく法的義務です。この条文では、以下のように規定されています。

使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。

この規定により、雇用主は労働条件を明確に示す義務があり、その手段として労働条件通知書の作成および交付が求められています。

雇用契約書との違い

労働条件通知書と雇用契約書は似ているものの、重要な違いがあります。

法的義務

  • 労働条件通知書
    従業員の採用時、書面・電子メール等で交付・送信することが、雇用主に対して法律で義務付けられています。
  • 雇用契約書
    法的な作成義務はありません。

合意の必要性

  • 労働条件通知書
    会社から労働者への一方的な通知です。
  • 雇用契約書
    労使双方の合意を示す文書で、双方が署名捺印します。

労働条件通知書兼雇用契約書

実務上の効率化のため、「労働条件通知書兼雇用契約書」として1つの文書にまとめることもあります。この場合、法定の記載事項を漏れなく含め、双方の署名捺印欄を設けることが必要です。


労働条件通知書は、従業員の権利保護とコンプライアンス遵守の観点から非常に重要です。適切に作成・交付することで、労使間の信頼関係を築き、トラブルを未然に防ぐことができます。

働条件通知書の重要性

労働条件通知書の重要性について詳しく解説します。

労使間のトラブル防止の役割

労働条件通知書は、労使間のトラブルを防止するために重要な役割を果たします。労働条件が明確に記載されていることで、労働者は自身の労働条件を正確に把握でき、労働時間や賃金などの基本的な条件についての誤解や不満を避けることができます。これにより、労働者が安心して働くことができ、労使間の信頼関係が強化されます。

コンプライアンス遵守の重要性

労働条件の明示という義務を果たすことで、企業は法令遵守を証明し、労働基準監督署からの指導や罰則を避けることができます。た、労働条件通知書を適切に交付することで、企業は労働者の権利を尊重し、公正な労働環境を提供していることを示すことができます。これは、企業の社会的信用を高めるだけでなく、優秀な人材の確保にもつながります。

業員の権利を守るために

労働条件通知書は、従業員の権利を守るための重要な文書です。労働条件が明確に記載されていることで、労働者は自身の権利を正確に理解し、必要な場合には適切な対応を取ることができます。例えば、労働条件に違反する場合、労働者は労働基準監督署に相談することができます。

また、労働条件通知書は、労働者が自身の労働条件を確認し、納得した上で働くことを可能にします。これにより、労働者のモチベーションが向上し、生産性の向上にも寄与します。労働条件通知書は、労使間の信頼関係を築き、健全な労働環境を維持するための基盤となります。

働条件通知書に記載すべき必須事項

ここでは、労働基準法施行規則第5条において規定されている、労働条件通知書に記載すべき必須事項について詳しく解説します。

労働条件通知書に必ず明示しなければならない事項

労働条件通知書で明示する必要があるのは以下の事項です。

  1. 契約期間に関すること
  2. 期間の定めがある契約を更新する場合の基準に関すること
  3. 就業場所、従事する業務に関すること
  4. 始業・終業時刻、休憩、休日などに関すること
  5. 賃⾦の決定⽅法、⽀払時期などに関すること
  6. 退職に関すること(解雇の事由を含む)
  7. 昇給に関すること

定めのある場合に明示しなければならない事項

上記の項目に加えて、就労規則で定めている場合は、以下の事項も記載、または口頭で明示する義務があります。また、定めがない場合も、例えば退職手当の有無などは記載することが望ましいです。

  1. 退職手当に関すること
  2. 賞与などに関すること
  3. 食費、作業用品などの負担に関すること
  4. 安全衛生に関すること
  5. 職業訓練に関すること
  6. 災害補償などに関すること
  7. 表彰や制裁に関すること
  8. 休職に関すること

労働条件通知書の書き方

作成時のポイント

労働条件通知書を作成する際には、以下のポイントに注意することが重要です。

  1. 明確で具体的な記載
    曖昧な表現を避け、具体的な数字や条件を明示することが重要です。例えば、「適宜」といった表現は避け、「毎月末日締め、翌月10日支払い」と具体的に記載します。
  2. 労働者に理解しやすい言葉を使う
    専門用語や難解な表現を避け、労働者が理解しやすい言葉で記載することが求められます。
  3. 法改正に適切に対応する
    労働基準法や関連法規の改正に対応し、最新の情報を反映させることが重要です。

働条件通知書のひな形と作成時の注意点

労働条件通知書を作成する際には、厚生労働省が配布しているひな形を活用するのが便利です。雇用形態に応じて複数の様式があり、WordとPDFいずれかを選択できます。

見本:労働条件通知書(一般労働者用:常用、有期雇用型)

労働条件通知書の見本1枚目の画像

労働条件通知書の見本2枚目の画像出典:厚生労働省「主要様式ダウンロードコーナー (労働基準法等関係主要様式)」

注意点

作成時の注意点についても簡単にご紹介します。

  • 労働者の確認
    労働条件通知書を交付する際には、労働者に内容を十分に説明し、理解を得ることが必要です。
  • 保存期間
    労働条件通知書は、労使間のトラブル防止のため、5年間の保存が義務付けられています(労働基準法第109条)。

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労働条件通知書の交付方法とタイミング

交付の方法とタイミングについて詳しく解説します。

交付のタイミング

労働条件通知書は、労働基準法により、労働者を採用する際に交付することが義務付けられています。具体的には以下の通りです。

  • 原則として、労働契約を結ぶ前または結ぶ際に交付する必要があります。
  • 遅くとも、労働者が実際に就労を開始する日までには交付しなければなりません。

注意点

  • 口頭での説明だけでは不十分です。必ず書面で交付する必要があります。
  • 有期雇用労働者やパートタイム労働者に対しても、同様に交付義務があります。

電子交付の可否とその利点

2019年(平成31年)4月以降、労働条件通知書の電子的な方法での交付が認められるようになりました。(労働基準法施行規則第5条第4項)

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電子交付の条件

  • 労働者本人が電子的方法での受け取りを希望していること。
  • 出力して書面を作成できるものであること。

電子交付の利点

  1. ペーパーレス化
    紙の使用量を削減し、環境に配慮できます。
  2. 管理の効率化
    データとして保存できるため、管理が容易になります。
  3. 迅速な交付
    即時に交付できるため、タイムリーな情報提供が可能です。

働条件通知書の適切な交付は、労使間の信頼関係を築く基礎となります。採用時はもちろん、労働条件の変更時にも適切に対応し、必要に応じて電子交付も活用することで、効率的かつ確実な労働条件の明示が可能となります。

労働条件通知書の管理と保管方法

労働条件通知書の適切な管理と保管は、法令遵守と労使間のトラブル防止のために不可欠です。ここでは、紙文書管理のリスクとデジタル管理のメリットについて解説します。

紙文書管理のリスクと課題

紙文書での労働条件通知書の管理には、以下のようなリスクと課題があります。

リスク

  • 紛失や破損
    自然災害や人為的ミスによる文書の紛失や破損のリスクがあります。
  • 情報漏洩
    不適切な保管による個人情報の漏洩リスクがあります。
  • 保管スペース
    大量の書類を保管するための物理的なスペースが必要です。

課題

  • 検索の困難さ
    必要な文書を素早く見つけることが難しくなります。
  • 更新の手間
    労働条件の変更時に、すべての文書を手動で更新する必要があります。
  • コスト
    印刷や保管にかかるコストが長期的に増加します。

デジタル管理のメリットと活用法

デジタル管理には、以下のようなメリットがあります。

メリット

  1. セキュリティの向上
    アクセス制限や暗号化により、情報漏洩のリスクを低減できます。
  2. 検索性の向上
    キーワード検索で必要な文書を即座に見つけられます。
  3. スペース節約
    物理的な保管スペースが不要になります。
  4. 更新の容易さ
    労働条件の変更時に、デジタルデータを一括で更新できます。
  5. コスト削減
    長期的には印刷や保管にかかるコストを削減できます。

活用法

  • クラウドストレージの利用
    セキュアなクラウドサービスを利用して、どこからでもアクセス可能にします。
  • バックアップの定期実施
    データの損失を防ぐため、定期的なバックアップを行います。
  • アクセス権限の設定
    必要な人のみがアクセスできるよう、適切な権限設定を行います。

働条件通知書のデジタル管理は、法令遵守と業務効率化の両立を可能にします。ただし、電子化する際は労働者の同意を得ることや、データの長期保存に対応していることを確認するなど、法的要件を満たすことが重要です。

よくある質問(FAQ)(労働条件通知書に関する重要ポイント)

労働条件通知書に関して、多くの企業や労働者が疑問を抱いています。ここでは、重要なポイントについて質問形式で解説します。

Q1. 労働条件通知書を交付しなかった場合、罰則はありますか?

はい、罰則があります。

労働条件通知書を交付しなかった場合、30万円以下の罰金が科される可能性があります。この罰則は、1人の労働者に対して1回交付しなかっただけでも適用される可能性があります。罰則は法人だけでなく、個人事業主にも適用される場合があります。

注意点

労働基準監督署の是正勧告を受けた場合、速やかに対応することが重要です。

Q2. パートタイム労働者や契約社員にも労働条件通知書の交付は必要ですか?

はい、必要です。

パートタイム労働者(短時間労働者)にも労働条件通知書の交付が必要です。また、有期雇用労働者(契約社員など期間の定めのある労働者)にも交付が必要です。

追加的な記載事項:
パートタイム・有期雇用労働法により、以下の事項も明示することが義務付けられています。

  • 昇給の有無
  • 退職金の有無
  • 賞与の有無
  • 相談窓口

Q3. 労働条件通知書の電子交付や電子署名は有効ですか?

はい、有効です。

電子交付の条件

  • 労働者が電子的方法での受け取りを希望していること。
  • 出力して書面を作成できるものであること。

電子署名の有効性

電子署名法に基づく電子署名は、書面の署名や押印と同等の効力を持ちます。ただし、労働条件通知書自体には労働者の署名や押印は必須ではありません。

注意点

電子メールでの送信は可能ですが、SNSなど保存期間が限られるツールでの交付は避けるべきです。電子交付の場合も、労働者がいつでも確認できる状態を維持することが重要です。

労働条件通知書の適切な運用を

労働条件通知書は、労使間の信頼関係を築き、トラブルを未然に防ぐための重要な文書です。本記事では、労働条件通知書の定義から作成方法、交付のタイミング、管理方法まで幅広く解説しました。

労働基準法に基づく法的義務であり、違反した場合には罰則の対象となる可能性があります。パートタイムや契約社員を含むすべての労働者に対して、適切に作成・交付することが求められます。

近年のデジタル化に伴い、電子的な交付や管理も認められるようになりましたが、労働者の同意や即時印刷可能性などの条件を満たす必要があります。デジタルツールを活用することで、効率的な管理が可能になります。

労働条件通知書の適切な運用は、法令遵守だけでなく、健全な労使関係の構築にも寄与します。企業は、この重要性を理解し、正確かつ迅速な作成・交付・管理を心がけることが大切です。

労働者を雇用する場合、雇用契約を締結することが一般的です。
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NobishiroHômu編集部
執筆

NobishiroHômu編集部

 

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