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契約書管理規程の決め方とは?電子署名管理規程を作成する際のポイントと合わせてサンプルもご紹介

契約書管理規程の決め方とは?電子署名管理規程を作成する際のポイントと合わせてサンプルもご紹介

契約管理規程は、契約書審査・管理のために契約書に関連する業務フローや運用ルールをまとめたです。契約書を正しく管理し、契約業務の効率化を図るなどの重要な役割があります。本記事では、規程の決め方のコツや、運用のポイントについて解説します。

また契約管理規程を決める上で「他の社内規程」との関係性も気になるところです。情報セキュリティ規程や、社内の文書管理規程など、会社の代表的な規程との関係についても説明します。


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この記事を読んでわかること
    • 契約管理規程の目的や重要性
    • 契約管理規程の作り方や決めるべき内容
    • 電子署名管理規程を作成する際のポイント
    • 契約書管理規程のサンプルをダウンロードできる

目次

契約管理規程とは

契約管理規程とは、契約に関連する業務フローと運用ルールをまとめた規程のことです。

基本的に「契約書」の管理についての規定が中心であり、「契約書管理規程」と呼ぶことも多くあります。

つまり契約書の審査・締結・管理・廃棄といった「契約書のライフサイクル」の各段階で、どのように作業を進めるか、どのような運用ルールを守るべきかなどを定めたものが、契約管理規程です。

例えば、契約書の記載方法や、契約書の閲覧・共有についての決まり、契約書審査の進め方など、契約関連業務の全体を網羅するように具体的なルールを規定します。

契約管理規程をつくり、業務のフローを一定の品質に保つことは、リスク回避や効率化の面で重要です。契約管理規程の重要性や目的については次の項目で解説します。

契約管理規程の目的・重要性

契約管理規程を定める目的として、以下の2つが挙げられます。

  • 契約リスクの管理
  • 業務効率化

契約管理規程を定める目的の一つは「契約リスク」を管理することです。

契約リスクとは、契約内容に潜む不利な条件を残したまま契約を締結してしまうなどのリスクや、契約管理上のミスによって問題が発生するリスクなどを指します。

契約書には、取引に関するルールが詳しく定められています。契約書管理を適切に行われていれば、必要なタイミングで契約書の内容を確認できるため、取引先とのトラブルが発生した際も責任の所在を把握できるでしょう。

契約管理規程によって、契約書の作成や審査のフロー、管理のルールなどを徹底することにより、更新漏れや契約内容が外部に情報漏えいするなどの契約リスクを減らすことにつながります。

また「業務効率化」の面でも契約管理規程は重要です。

契約・契約書の扱い方についてのルールが決まっていないと、案件ごとに契約書の書き方が違って混乱を招いたり、必要な契約書を探すために時間がかかったりなど、業務が煩雑になりやすくなります。契約管理規程によって契約業務全体に統一性を持たせることで、業務全体をスムーズに進めやすくなります。過去の契約内容の確認が必要な場合に、原本の管理場所がわからず、手間と時間がかかってしまうケースもあるでしょう。また、複数の部署を跨いで契約書の内容を検索、共有する場合も、契約書管理規定を定めていれば、スムーズに情報共有できます。

契約管理規程によって契約業務全体に統一性を持たせることで、業務全体をスムーズに進めやすくなるでしょう。

このように、契約管理規定を定めることで、法務業務の品質を担保し、業務の効率化を図れるのです。

契約書管理で行うこと

契約書管理において行うことは、主に次の3つです。

  • 契約書の期限管理
  • 契約書へのアクセス権限の管理
  • 契約書情報の共有

それぞれの内容について詳しくみていきましょう。


契約書の期限管理

契約書管理で最も重要なのは、契約書の期限管理です。

契約書の多くには有効期限が設けられています。万が一、期限が過ぎてしまうと自動的に契約内容が更新されるケースもあれば、そのまま契約を解除されてしまうケースもあるでしょう。

業務に支障を来さないために、そして必要なアクションを取るためにも、契約書の有効期限を正確に把握し、管理する必要があります。

契約書へのアクセス権限の管理

契約書には、重要な機密情報が多数記載されているため、契約書を管理する際のセキュリティ対策をどのように講じるかはとても大切なポイントです。特に、契約書を閲覧できる人をどのように制限するかは特に重要といえるでしょう。

契約書の内容によっては、すべての従業員に対してアクセス権限を与えるのではなく、閲覧できる対象者を限定すべきケースもあります。情報漏えいを防ぐためにも契約書への適切なアクセス権限を管理していきましょう。

契約書情報の共有

契約書に関する情報を必要な部署や担当者に共有することで、業務効率を高められます。部署や担当者によって管理方法にばらつきがあると、必要なタイミングで必要な情報を共有できなくなる恐れもあるでしょう。

契約書に記載されている情報は、担当者同士で適切な方法で共有してください。

契約管理をする際の4つのポイント

契約書管理規程を作成するためには、契約書の適切な管理方法を理解しなければなりません。ここでは、契約管理をする際の4つのポイントを詳しく解説します。

一元管理

一元管理とは、契約を締結した部門で契約書を保管するのではなく、契約管理部門において一元的に管理する方法です。一元管理することで、契約書を確認すべき担当者が必要なタイミングですぐに契約書を入手できます。また、アクセス権限を適切に設定、管理することで、外部への情報漏えいを回避できるでしょう。

項目管理

項目管理とは、契約書に記載されている項目を整理して、契約書を適切に管理することを指します。契約書において管理すべき項目は、次のとおりです。

  • 契約当事者名
  • 取引金額
  • 契約締結日
  • 契約期間
  • 支払いの周期
  • 自動更新の有無
  • 所管部門
  • 担当者
  • 稟議番号

契約の概要を適切に管理、把握するためにも、項目管理はとても大切な業務です。リスクやトラブルの早期発見や回避にもつながるでしょう。

期限管理

期限管理とは、契約書の有効期限や自動更新の有無を把握し、期限を管理することを意味します。期限管理が重要とされる契約には、次のようなものが挙げられます。

  • ソフトウェアのようなライセンス契約
  • 定期建物賃貸借契約
  • システム(ソフトウェア)開発委託契約
  • コンサルティング契約

上記の契約では、自動更新に関する条項が含まれるケースが多いのが特徴です。自動更新を忘れてしまうことで、思わぬ出費がかさんでしまう恐れもあるため、期限管理を徹底していきましょう。

内容管理

内容管理では、契約条項の内容や懸念すべき事項を把握・確認します。特に、通常の業務やオペレーションと異なる条項については、それぞれの契約書において個別に把握、管理をしなければなりません。

実際に業務を担う部署と契約書の内容を管理する部署間で、契約書に関する情報を共有し、契約違反に該当しないかを定期的にチェックする必要があります。

契約管理規程を決める前に整理すべき項目

契約管理規程を決める準備として、いくつかの重要な項目を整理・決定しておく必要があります。事前に整理すべき主な3つの項目を確認しておきましょう。

契約管理担当者の決定

手順の第一は、誰が契約を管理するか、「主体」を決めることです。会社全体の契約業務を俯瞰的に管理する「統括部門」を決めておくと、適切な管理がしやすくなります。

契約管理を統括する部門の代表は「法務部」ですが、会社によっては総務部・管理部などが担当します。

さらに契約管理を統括する部門における責任者・担当者も同時に決めておきましょう。会社全体の契約業務を俯瞰的に管理できるよう、担当者はチームで対応するのが望ましいです。

業務フローの検討・課題の洗い出し

次に契約管理の業務フローを分析し、契約関連業務全体で発生する課題を洗い出しましょう。

契約書の承認や押印処理、契約書の管理・廃棄などのフローをよく分析し、どの段階で、どのような課題が発生するかを検討していくと、契約管理規程で定めるべき項目を把握しやすくなります。

例えば、会社ではしばしば「審査が必要な契約書を抜け漏れなく網羅するにはどうしたらよいか」といった課題が生じます。また「締結済みの契約書を関係者が効率よく閲覧するにはどうしたらよいか」といった課題もあるでしょう。

業務フローと課題を棚卸することで、契約管理規程に必要な項目をもれなく策定しやすくなります。

既存契約書の棚卸・整理

契約管理規程の対象となる、契約書の洗い出しも必要です。社内にどんな契約書があるのかを確認して整理し、全体を把握していきましょう。

既存の契約書を整理することで、契約書の取り扱いや保管について決めておくべきルールや、効率的な業務フローについてのヒントが得られるはずです。

どのようなITツールを使って契約書を管理すべきかについても、この段階で検討できるでしょう。よく利用されるITツールは、エクセルなどの「表計算ソフト」や、契約書管理に特化した「契約管理システム」です。

契約管理システムについて詳しくは、当ページ内の「契約書の管理システムを導入する」をご参照ください。

関連記事

契約書管理の基本と手順を紹介!管理ツールはエクセルと契約書管理システムのどちらが良い?

契約管理規程の作り方・決めるべき内容

契約管理規程として決めておくべき基本的事項がいくつかあります。どのようなことを決める必要があるのか、特にポイントとなる5つの項目を解説します。また以下の資料でも詳しく解説しています。

関連資料

契約書管理規程の目的・作成のポイント

契約書の作成時に関する規定

約書の作成時に関する規定では、契約書の整合性と正確性を保証するための基準を定めます。まず、使用する契約書のテンプレートやフォーマットを標準化し、契約の種類ごとに適切なものを用意することが重要です。これにより、必要な条項が漏れなく含まれるようにします。

た、契約書に記載するべき内容には、契約当事者の正確な情報、契約の範囲、義務と権利、期間、解除条件、違反時の対応などが含まれます。これらの要素は、法的なトラブルを避けるために明確にされなければなりません。

約書の回覧・配布に関する規定

契約書の回覧・配布に関する規定は、契約書の正確かつ効率的な情報共有を保証するための重要な手順を含んでいます。このプロセスでは、誰が契約書を閲覧し、誰がそれにアクセスできるかを明確に定めることが中心です。

体的には、まず、契約書を受け取るべき部門や個人を指定します。これには、契約の内容に直接関わる部門のほか、法務、財務、経営層など、契約に関わる重要な意思決定を行う部署も含まれることがあります。契約書の配布リストは、契約の重要性と機密性に基づいて慎重に作成されます。

た、契約書の配布方法も規定します。紙の文書としての配布か、電子的な配布かを選択し、特に電子的な配布の場合は、セキュリティを確保するための措置(暗号化、アクセスログの記録、アクセス権限の設定など)が施される必要があります。


交渉や契約締結についての規定

契約管理規程で決めるべき項目の一つは、交渉や契約締結のフローについてです。例えば、以下の点についての規定が挙げられます。

  • 契約の起案・交渉をどの部門が担当するか
  • 契約締結まで誰の承認が必要か
  • 契約書の作成が必須のケース・不要なケースについて

契約書を作成するかどうかについては「全種類の契約で、契約書の作成を必須」としてもよいですが、業務を簡略化するために、例えば安価な消耗品の購入など一部の契約については不要とすることも可能です。

ただし契約書が不要なケースを厳密に規定することは難しく、取引内容によって事情が異なる可能性を考慮するため「少額な取引などは、部門長の判断で契約書作成を不要とする」など、担当部門の判断にゆだねる要素を盛り込むことが重要です。

契約書の内容・記載についての規定

契約書の記載方法を統一するためのルールも、契約管理規程に加えます。例えば以下の内容です。

  • 名義人の決め方
  • 契約書の件名・ファイル名の決め方
  • 書式、文体などの体裁

契約書の作成では、誰が契約書の「名義人」となるかについての規定を検討する必要があります。例えば全て「代表取締役」で統一する、あるいは「部長名」で締結できる契約書もあるなど、会社によって名義人の決め方のルールはさまざまです。例えば、次のような規定をおきます。

契約書名義人は、原則として当該契約書に基づき実施される業務を遂行する権限を有する者とする

また契約書の件名のつけ方や、契約書のPDFファイル名の規則なども決めておくと契約書の整理がしやすくなり、契約管理の煩雑化を防げます。

「A4横書き」などの書式や、「ですます調」は使わないなどの文体について決めておくことも、契約書の統一性を保つために重要です。

契約書のレビュー・承認に関する規定

契約書のレビュー・承認に関する規定は、契約書が組織内の適切なプロセスを経て正式に承認されることを保証するものです。このプロセスには、契約書の詳細なレビューと必要に応じて修正が含まれ、最終的な承認が行われるまでの手順が定められています。

ず、契約書のレビューは特定の基準やチェックリストに基づいて行われます。このチェックリストには、契約の法的要件、リスク評価、契約条項の適切性、およびコンプライアンスの確認が含まれることが一般的です。レビューは、専門知識を持つ法務部門や関連部門によって行われ、契約の各条項が組織のポリシーと一致するかどうかを検証します。

に、契約書は承認のために上層部に提出されます。承認権限を持つ個人や委員会は、レビューされた契約書を検討し、必要に応じてさらなる修正を指示するか、そのまま承認を行います。承認プロセスには、しばしばエスカレーションの手順も含まれ、特定の条件下での追加承認が必要とされる場合があります。

後に、契約書の承認が完了したら、その事実が記録され、関連部門に通知されます。これにより、契約の実施に向けての準備が整います。

契約書の審査についての規定

契約書の審査についても、契約管理規程で定めるべき重要項目です。例えば以下のような項目を規定します。

  • 審査の対象となる契約書の種類
  • 契約書審査の担当部署・担当者
  • 契約書審査のフロー

例えば、自社製品について、ひな形通りの契約書を締結する場合など、審査不要の契約書が何かを定義します。全件を審査する「全件審査方式」を取るなら、その旨を規定します。

審査の担当部署・担当者についても、「法務部の契約書審査担当者が契約書審査を行う」など、具体的に規定しておきましょう。

さらに審査のフローについて、審査担当者へ契約書をどのように送付するのか、具体的な方法を規定しておきます。システムやメールで送付するなど、具体的なフローを決めておくことが重要です。

契約書の閲覧・共有についての規定

契約書の閲覧・共有についての規定も、契約管理規程に含めるべき項目です。

例えば、規定の中に、以下のような総則的な規定をおきます。

契約書は機密文書扱いとし、閲覧は、業務上必要のある役職員に限り行うことができる

さらに閲覧・共有のルールを具体的にし、適切なメンバーのみに閲覧を限定するため、よりきめ細かくルールを決める必要があります。例えば次のような規定を設ける必要があるでしょう。

  • 施錠方法やデータのセキュリティ対策
  • メールやFAXで契約書を送る方法・パスワード設定のルール

社内には情報セキュリティ規程などの「総則的な規程」が既に設けられていることも多いでしょう。こうした規程と矛盾のないようにしつつ、契約書特有の特則を契約管理規程で決めておくことが必要です。

契約書の更新・変更に関する規定

契約書の更新や変更が必要となる一般的な状況には、法的要件の変更、契約条件の再交渉、または実際の事業運営における変更が発生した場合があります。これらの変更を適切に管理するためには、まず、契約の変更を提案するプロセスを規定します。提案は、関連する部門からの入力を受け、詳細な説明とともに上層部に提出される必要があります。

に、変更提案はレビューを受け、変更が契約の目的に合致するかどうか、また法的および財務的に実行可能かどうかを評価します。この評価プロセスには、法務部門、財務部門、そして場合によっては外部の専門家も参加することがあります。

更が承認された場合、正式な契約修正書が作成され、契約当事者によって署名されます。この文書は、契約書の一部として保管され、両方の当事者がアクセスできるようにする必要があります。

約書の保存・保管についての規定

締結した契約書を保管・管理する方法についての規定も、契約管理規程に含めます。

例えば、保管の方法についての総則的規定として、以下のような規定をおきます。

契約書の保管は、会社指定のキャビネットまたはシステム上で行うものとする

保管方法については、より具体的に方法を指定するため、ルールには以下のような項目も網羅しておきましょう。

  • ラベルやインデックスについてのルール
  • 契約書の期限や更新時期の管理方法
  • 契約書ごとの保管期間および廃棄のルール

契約書を含む書類全般の扱い方を定めた「一般文書管理規程」が既に存在する場合もあるでしょう。ただし一般文書管理規程だけでは契約書についての規程として不十分であることが多いため、契約管理規程で詳しい規定を作ることが重要です。

また、電子文書で契約書を管理する際は、以下の内容を踏まえて保存・管理を徹底していきましょう。

  • ファイルの種類
  • スキャナの仕様や要件に関するルール
  • 保存するメディアの種類
  • メディアの保管場所

契約書の破棄に関する規定

契約書の破棄に関する規定は、契約が完了または解除された後に適切な方法で契約書を取り扱うための手順を定めます。これには、契約書を物理的または電子的に破棄する際の安全な方法が含まれ、機密情報の漏洩を防ぐための措置が強調されます。

約書の破棄プロセスは、契約書がもはや法的に有効ではなく、保管する必要がなくなったことを確認することから始まります。破棄する前に、すべての契約書が適切な保管期間を満了しているかどうかを検証する必要があります。これは、法的要件や業界の規範に基づいて異なる場合があります。

理的な文書の場合、専門のシュレッダーや破棄サービスを利用して機密情報が第三者の手に渡らないようにします。電子文書の場合、データを完全に削除するための技術的な手段(例えば、データの上書きや物理的なドライブの破壊)が用いられます。

らに、契約書の破棄に関するすべての活動は記録され、誰が、いつ、どの契約書を破棄したかの詳細が文書化される必要があります。

契約書管理規程の作成方法

契約書管理は、組織の業務効率向上やリスク回避の観点から重要な業務です。ここでは、契約書管理規定を作成する基本的な流れを詳しく解説します。

①契約書管理担当者の決定

契約書の管理を効率化させ、管理方法に一貫性を持たせるためにも、責任者や部署を明確に設定しましょう。契約書管理を担当する部署や担当者は、契約書に関わる一連の業務を監督、管理します。

  • 契約書の作成
  • 契約書の保存
  • 契約書の更新
  • 契約書の破棄

法務部のように、企業内に契約書管理を専門とする部署を配置するのが一番望ましいですが、企業規模によっては難しい場合もあるでしょう。また、特定の部署や担当者のみが契約書管理を担当することで、業務の属人化を招いてしまうリスクもあるため、運用方法については社内でよく協議する必要があります。

②契約書管理台帳の作成

契約書を管理するための台帳を作成します。契約書管理台帳とは、契約書を整理し、管理するためのツールであり、具体的に以下の内容を記録します。

  • 契約の基本情報
  • 契約内容
  • 関連するドキュメントリンク
  • 契約書のステータス
  • 更新の必要性など

適切に契約書管理台帳を作成することで、情報の検索性や視認性を高められるでしょう。契約の期限や更新日を正確に把握することで、ビジネスの信頼性や業務効率の向上にもつながります。

③契約の棚卸

契約書をすべて収集し、契約内容や期限、ステータスを確認する棚卸しの作業を行いましょう。契約期限切れや古い契約書などは破棄したり、更新が必要な契約書を特定したりしましょう。

④契約書の電子化する

締結が完了している紙ベースの契約書は、スキャンをして電子化しましょう。データ化した契約書を管理台帳に記録してください。

契約書を電子化することで、検索性が高まるだけでなく、紙の契約書のように保管するスペースを削減することも可能です。その結果、人件費や保管コストを大幅に削減できるでしょう。

契約書の電子化をする際は、以下のような詳細のルールを策定する必要があります。

  • サイズ
  • 解像度
  • カラー(白黒・カラー)
  • データ形式
  • ファイル名など

ファイル名で管理番号を設定しておけば、検索や管理をしやすくなるでしょう。

契約書を電子化する際は、電子帳簿保存法のルールを満たす必要があるため、注意してください。

⑤契約書管理規程の作成

契約書の棚卸しが完了したら、契約書管理規定を策定していきましょう。実際の現場の業務フローに合わせて規定を作ることが重要です。それぞれの部署や役職者の意見や考え、ニーズを上手に取り込みながら、組織にとって最適な契約書管理規定を考えていきましょう。

契約管理規程を運用するためのポイント

契約管理規程を作っても、実際に契約業務でその規程が守られなければ意味がありません。契約管理規程がスムーズに運用されるためのポイントを以下に解説します。

社内への周知・教育を徹底する

契約書管理規程は、ただ策定するのではなく、契約業務のなかで正しく運用されなけれなりません。運営が規程どおりに行われていなかったり、社員に対する周知徹底が十分でなかったりすると、外部への情報漏えいのリスクが高まるため注意が必要です。

契約書管理規程を社員たちに周知させるためにも、理解されやすい規程を作成するよう心がけましょう。また、定期的に規程を周知させる取り組みを実施する必要があります。

  • 社内通達の活用
  • 社内SNSの活用
  • 研修会の実施
  • 個別での説明会の実施

このように、関係する社員全員に対して、その内容をよく知ってもらうことが、契約管理規程を運用するための第一歩です。全体への通達や、研修の実施、必要なら個別に説明する機会を設けるなど、契約管理規程についての周知を十分に行います。

周知・教育は、一度だけでなく繰り返して行うものです。また、異動などで新しいメンバーが加わる際にも周知・研修も必ず行うよう徹底する必要があります。

加えて、ルールはいつでも閲覧できるようにしておくことが重要です。社内の情報共有サイトなどに分かりやすく提示し、関係するメンバーがすぐに確認できるように掲示しておきましょう。

<関連記事> 法務研修とは?実施する目的や内容、対象者と主な研修テーマを解説

現場の意見を反映しつつ調整していく

契約管理規程は一度作ったらそのままにするのではなく、想定しなかった問題や管理フロー上の問題が見つかったなら調整することも重要です。

現場の担当者にとってやりにくい部分はないか、改善案はないかなどをヒアリングして、できるだけ現場の実態に合う形に規程を調整していきましょう。

さらに契約業務は会社の取引内容の変化や、法律の改正などに応じて、常に事情が変化していくものです。年に1回など時期を決めて、契約管理規程を定期的に見直していくようにしましょう。

契約書の管理システムを導入する

契約書管理において、エクセルを契約書管理台帳として活用する企業も少なくありません。ただし、エクセルによる管理では人為的ミスが発生しやすく、管理すべき契約書の数が多くなればなるほど、管理や運用の負担も大きくなりがちです。そこで、おすすめなのが契約書の管理システムの導入です。契約書の管理に特化したITシステムを導入することで、契約管理規程の運用がしやすくなり、次のようなメリットがもたらされるでしょう。

  • AIによる管理項目の自動入力できる
  • 契約書を検索しやすくなる
  • 契約書の有効期限をアラート通知で受け取れる
  • 契約書のバージョンを管理できる
  • 電子契約を締結できる
  • 契約業務を電子化できる

システム上で契約管理業務を行うことで、システムの機能やルールの下で運用することになり、契約管理規程に沿った業務フローが実現しやすくなります。

契約書の管理に特化したシステム「LegalForceキャビネ」なら、締結後の契約書の保管・共有・管理の業務を、システム上で簡単に実施可能です。

また、契約書ごとに「担当者を設定」できるため、契約書の管理を担う担当者が⼀⽬で分かり、締結済みの契約書の放置などを防げます。

閲覧権限」も柔軟に設定でき、特定の部門にしか閲覧できない契約書と複数部門が閲覧できる契約書を区別するなど、契約書管理規程のルールに合わせることができます。

更新期限の近い契約書を「自動的にリマインドする機能」もあり、更新手続きの抜け漏れや不要な契約の自動更新などのトラブルを防止できるでしょう。

契約書管理規程のサンプルはこちら

ここまで契約書管理規程の目的や重要性、管理するポイントなどを詳しくご紹介してきましたが、より具体的なサンプルを以下のページでご提供しています。

約書管理規程の目的・作成のポイント

ちらのページでは、

  • 契約書管理規程とは何か
  • 契約書管理規程を作成する目的
  • 契約書管理規程に入れるべき条項

ほか、契約書管理規程のサンプルを無料でダウンロードできるURLが付いています。ダウンロード方法は上記のページに請求フォームがありますので、そちらよりお申し込みください。

子契約運用に必要な電子署名管理規程

電子契約の運用には、適切な電子署名管理規程の設置が不可欠です。この規程は、電子文書の認証とセキュリティを保障し、電子契約の信頼性を高めます。

電子署名管理規程とは

「電子署名管理規程」とは、電子契約を適切に実行するために必要な電子署名の運用ルールを定めた文書です。具体的に電子署名管理規程には、以下のような内容が含まれます。

まず、電子署名の制定や改廃の手続きを明確にします。これには、電子署名の作成、使用承認、更新、廃止のプロセスが規定され、関連する各ステップで責任を持つ担当者が指名されます。また、電子署名の種類ごとの適用範囲や使用条件も詳述され、どの文書や取引にどの署名を使用するかが定められます。

次に、電子署名の安全な保管とアクセス管理方法が規程によって定義されます。例えば、秘密鍵の保管はセキュリティの高いデジタルフォーマットで行われ、不正アクセスやデータ漏洩を防ぐために厳格なアクセス制御が施される必要があります。さらに、二要素認証などのセキュリティ強化措置が取り入れられることも一般的です。

最後に、電子署名に関連する事故や問題が発生した場合の対応プロセスも規程で定められます。これには、事故発生時の報告ルート、対応フロー、事後のレビューと改善措置が含まれ、全ての関係者が迅速かつ適切に対応することが可能です。

印章管理規程とは

「印章管理規程」とは、企業や組織において物理的な印章(ハンコ)の使用と管理を適切に行うための内部ルールを定めた規程です。この規程は、印章の適正な使用を保証し、不正使用や盗難、紛失を防ぐことを目的としています。

具体的には、印章管理規程には以下のような内容が含まれます。まず、使用する印章の種類を明確にし、それぞれの印章に対する管理責任者を指定します。管理責任者は、印章の保管、使用の承認、使用後の返却などを管理し、印章使用の記録を保持する責任があります。

また、印章の保管方法に関しても詳細な指示があります。通常、印章は施錠可能な安全な場所に保管され、使用時以外はアクセスを制限します。さらに、印章を使用する際には使用理由を文書化し、承認プロセスを経て使用が許可されることが一般的です。

子署名の運用ルールと契約書管理規程の関係

電子署名の運用ルールは電子契約の整合性を保ち、法的な要求を満たすために必要です。電子署名の正確な運用を確保することで、電子契約の信頼性と法的な効力が保証されます。適切な運用ルールによって、電子文書の認証とセキュリティが確保され、データの改ざんや不正アクセスを防ぐことが可能になります。

子契約・電子署名を用いるフロー

電子契約のプロセスを効率的に進めるためのステップは以下の通りです。

子化する契約書の洗い出しL

全ての契約書を対象に、どの文書が頻繁に利用され、どの文書が重要な取引に関連しているかを分析します。この分析には、契約書の種類、使用頻度、関連する事業部門、契約の期間、および契約に関わるリスクの高さなど、多岐にわたる要因を考慮に入れる必要があります。

電子化する契約書の優先付け

このプロセスでは、契約書の使用頻度、重要性、関連部門のニーズなどを評価し、どの文書を先に電子化するかを決定します。例えば、日常的に多くの部門で頻繁に参照される契約書や、更新が頻繁に必要な契約書を優先的に電子化することが一般的です。これにより、効率的な文書管理と迅速なアクセスが可能になり、業務のスピードと正確性が向上します。

スイムレーンチャート作成

「スイムレーンチャート作成」とは、業務プロセスを視覚化する手法の一つで、各プロセスがどの部署または個人によって行われるかを示します。このチャートは、プロセスフローを横断的に表示し、それぞれの「レーン」が特定の部署や個人を表します。

スイムレーンチャートを作成することで、契約書の電子化プロセスにおける各ステップの責任者を明確にし、プロセスの各段階で何が行われ、誰が関与するかが一目でわかります。これにより、プロセスの矛盾や無駄を特定し、効率化を図ることができます。

契約締結権限の見直し

この見直しを行うことで、どの個人または部署がどのタイプの契約に対して締結権限を持つかを明確にし、組織内の責任と権限を適切に配分します。

具体的には、既存の権限を評価し、契約の種類や重要性、関連リスクに基づいて必要な変更を特定します。例えば、大規模な財務契約は高いレベルの承認が必要である可能性があり、一方で日常的な購入契約にはより低いレベルの承認で足りるかもしれません。このプロセスには、過去の契約締結の履歴を分析し、権限の過不足がないかを確認することが含まれます。

電子契約データの管理方法を決める

電子契約データの管理方法を決定する際には、データの保管、アクセス制御、セキュリティ、およびバックアップの各方面から慎重に検討する必要があります。

体的な手順としては、まず、どのような形式でデータを保存するかを決めます。通常、データは暗号化された形で保存され、不正アクセスを防ぐためにクラウドベースのストレージなどに保管されます。次に、誰がデータにアクセスできるのかを定義するためにアクセス権限を設定します。これには、必要なスタッフだけが特定の契約データにアクセスできるように制限をかけることが含まれます。

さらに、データの整合性と信頼性を保つために、定期的なバックアップとデータの監査を計画します。これにより、データの損失や改ざんが発生した場合に迅速に対応できるようにします。

子署名管理規程を作成する際のポイント

電子署名管理規程を作成する際には、以下の重要なポイントを抑えておく必要があります。

規程に含める項目を洗い出す

電子署名の適切な使用と管理を保証するために必要なすべてのルールや条件を特定し、文書化します。

具体的には、以下のような項目が含まれます。

  • 目的 - 電子署名管理規程を設ける目的を明確に記述します。これには、電子文書の真正性保証や、不正アクセス及びデータの改ざん防止などが含まれます。
  • 定義 - 電子署名、管理責任者、電子署名権限者など、規程内で使用される用語の定義を明確にします。
  • 手続き - 電子署名の制定、適用、改廃に関する手続きを詳細に規定します。
  • 電子署名の種類とその使用条件 - どの種類の電子署名をどの文書や契約に適用するかのガイドラインを設定します。
  • 管理責任 - 電子署名の管理責任者とその職務内容を定義します。
  • セキュリティ対策 - 電子署名のセキュリティを保持するための技術的な措置やポリシーを記述します。

これらの項目を慎重に洗い出し、整理することで、組織は電子署名の管理において高い透明性とセキュリティを確保することができます。

密鍵(署名鍵)の管理方法を決める

秘密鍵は電子署名を生成する際に使用されるため、その取り扱いには最大限の注意が必要です。秘密鍵の管理方法には、以下のような要素を含めるとよいでしょう。

  • 保管方法 - 秘密鍵は安全なデジタル環境内に保管する必要があります。これには、暗号化されたデータベースやセキュリティの高いサーバーが適しています。
  • アクセス制御 - 秘密鍵へのアクセスは厳密に制限され、承認された個人のみがアクセスできるように管理します。アクセス権限は定期的に見直しを行うことが推奨されます。
  • 監査と追跡 - 秘密鍵の使用履歴を記録し、不正アクセスや不適切な使用がなかったかを監査する体制を整えます。
  • バックアップとリカバリ - 秘密鍵のバックアップを定期的に行い、何らかの事故や障害から迅速に回復できるようにします。バックアップデータも同様にセキュアな環境に保管する必要があります。
  • 教育と訓練 - 秘密鍵の管理に関わるスタッフに対して、適切なセキュリティ対策とプロトコルの教育を行い、安全意識を高めることが必要です。

2要素認証端末の管理方法を決める

2要素認証(2FA)は、不正アクセスを防ぐために二つの異なる認証要素を組み合わせる方法です。管理方法を定める際には、以下の点に注意する必要があります。

  • 端末の種類と配布 - 使用する2FA端末(トークン、スマートフォンアプリなど)を決定し、必要なスタッフに配布します。配布する際は、個人識別情報と紐付けることが重要です。
  • アクセス権限の設定 - 各端末に対してアクセス権限を設定し、認証情報が必要な操作に対するアクセスを制限します。特に機密性の高い情報を扱う場合のアクセスは厳格に管理します。
  • 使用履歴の監視と評価 - 端末の使用履歴を定期的に監視し、不審な活動がないかをチェックします。不審なアクセスが検出された場合は、直ちに対応を行います。
  • 教育とトレーニング - 2FA端末を使用するスタッフに対して、適切な使用方法とセキュリティ対策についての教育とトレーニングを実施します。特に、パスワードや認証情報の共有を禁止することや、端末の紛失・盗難時の対応プロトコルについて詳しく説明します。
  • 物理的・デジタルのセキュリティ - 物理的なトークンの場合は、盗難や紛失から保護するための措置を講じます。デジタル認証アプリの場合は、デバイスのセキュリティを常に最新の状態に保つことが求められます。

電子証明書の提出を求められた場合の対応を決める

電子証明書は、電子署名の検証と、署名者の身元確認に利用されます。この証明書の適切な管理と提出手続きを規定することは、信頼性の維持と法的な問題を避けるために不可欠です。具体的には以下のような対応を定めます。

  • 提出要求への対応 - 電子証明書が求められた場合の手続きを事前に定めます。どの部署が対応を行うか、どのような形式で提出するかを明確にします。
  • 証明書の管理 - 電子証明書の発行元、有効期限、および保管方法を管理し、常に最新の状態を保つ必要があります。
  • セキュリティとプライバシー - 提出する証明書の内容が第三者によって不正に利用されないよう、情報の安全性を確保する措置を講じます。
  • 更新と廃棄 - 電子証明書の有効期限が近づいた場合の更新手続き、および無効になった証明書の安全な廃棄方法を規定します。
  • 法的要件の遵守 - 電子証明書の提出が関連する法規制に適合していることを保証します。必要に応じて法務部門と連携し、適切な対応を行うことが求められます。

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契約管理規程があることによって契約管理業務の進め方に一定の基準が設けられるため、契約管理業務をスムーズに進めやすくなります。さらに契約書の作成や審査のフロー、管理のルールなどを徹底し、契約書に関するリスクを減らすためにも契約管理規程は重要です。

契約管理規程には、契約締結の手順や、契約書の記載内容、契約書審査、契約書の閲覧・共有など、さまざまなルールを盛り込む必要があります。契約管理規程を作成する際は、誰にとってもわかりやすく理解されやすい内容にし、現場への浸透に努めなければなりません。業務や実務内容に沿った契約書管理規程を作成し、契約書を適切に管理していきましょう。

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