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IPOとは?上場との違いから審査基準・手順・費用・最新事例までわかりやすく解説

IPOとは?上場との違いから審査基準・手順・費用・最新事例までわかりやすく解説

【IPO準備ガイドブック】フェーズごとに徹底解説!IPOを成功させるためのタスクとスケジュール

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IPO(Initial Public Offering)は、日本語で「新規株式公開」を意味します。IPOを実施した企業は「上場企業」と呼ばれ、社会的信用が高まり、資金調達の幅が広がるといったメリットがあります。そのため近年ではIPOを目標とするベンチャー企業や新興企業が増えています。

本記事では、IPOと「上場」の違い、IPOの審査基準、手順、費用などの基礎知識をわかりやすく解説します。また後半では、IPOを成功させた企業の特徴や、2024年~2025年にIPOを果たした企業の成功事例を紹介していきます。

IPOとは

IPO(Initial Public Offering)とは「新規株式公開」の略称で、わかりやすく言うと、未上場企業が初めて株式市場に自社の株式を公開し、一般の投資家に向けて売り出すことを指します。企業が株式上場すると、社会的信用の向上や一般の投資家から資金を獲得できるなど、事業規模を拡大するのに有効なメリットを多く得られます。

IPOを成功させるには厳しい審査基準をクリアしなければなりません。そのためIPOに成功すると、世間からはコーポレートガバナンスがしっかりしている、成長性の高い企業であると信頼を獲得できるでしょう。

<関連記事>コーポレートガバナンスとは?経営者が知るべき目的・強化方法を解説

上場との違い

「IPO」と「上場」はどちらも「証券取引所に企業の株式を不特定多数の投資家に公開する」ことを含むため、ニアリーイコールと認識されることが多いが、厳密には異なります。

IPOは「新規株式公開」という意味のとおり、新たに株式を発行する場合のみに限られるます。一方で上場は必ずしも新規の株式発行を伴う必要はありません。既に発行済みの株式を証券取引市場で取引可能にする場合は上場に該当します。ただし日本の証券市場では、ほとんどの企業が上場時に新規株式を発行するため、実質的にはIPOと上場がほぼ同義と捉えられることが一般的です。

ダイレクトリスティング(直接上場)との違い

ダイレクトリスティング(直接上場)は通常のIPOと異なり、新たな株式の発行や引受業者を利用しない上場方法を指します。

ダイレクトリスティングは引受手数料が不要なことや、事前の株価操作が少ないため透明性が高いなど、IPOにはない独特な強みを持ちますが、資金調達ができないことや株式の流動性が低下する可能性があるため、実施事例が少ないのが現状です。

以下の記事では、ダイレクトリスティングについて詳しく解説しています。理解を深めたい方はぜひ併せて確認してみてください。

<関連記事>ダイレクトリスティングとは?仕組み・メリット・デメリットを徹底解説

POとの違い

POは「Public Offering」の略で、日本語では「公募」の意味です。初めて株式市場で新規株式を公開するIPOとは意味が大きく異なり、POはすでに上場している企業が追加で新規株式を発行することや、創業者や大株主が保有する既存株式を市場に売り出す「既存株式の売出し」を指します。

以下の記事では、公募増資について詳しく解説しています。理解を深めたい方はぜひ併せて確認してみてください。

<関連記事>公募増資とは?IPOとの違い、メリット・デメリット、実施の流れをわかりやすく解説

IPOの最新事例

株式会社フライヤー(2025年IPO)

​株式会社フライヤーは、「ヒラメキあふれる世界をつくる」をミッションに、多様な「知」に触れる機会を提供し、人々の可能性を広げています。 ​法人向け人材育成のSaaSサービス「flier business」を運営し、個人と組織の成長をサポートしています。

  • 上場日:2025/02/20(上場承認日:2025/01/17)
  • 市場区分:東証グロース市場
  • コード:323A
  • 上場日時価総額:39億900万円
  • 資本金:4億9778万5000円(2025年1月17日時点)

株式会社Schoo(2024年IPO)

株式会社Schoo(スクー)は、「世の中から卒業をなくす」をミッションに、社会人向けのオンライン動画学習サービス「Schoo」を提供しています。 ​同社は無料のライブ配信授業や8,500本以上の録画授業を通じて、誰もが学び続けられる環境を整備しています。

  • 上場日:2024/10/22(上場承認日:2024/09/17)
  • 市場区分:東証グロース市場
  • コード:264A
  • 上場日時価総額:88億3400万円
  • 資本金:1億円(2024年9月17日時点)

株式会社Faber Company(2024年IPO)

株式会社Faber Companyは、2005年10月24日に設立された企業で、デジタルマーケティングの自動化ツール「ミエルカ」シリーズの開発・運営を主な事業としています。同社は、職人の手元を再現した「ツール」と高度専門人材による「リソース」支援を通じて、企業のマーケティング生産性を向上させることを目指しています。

  • 上場日:2024/07/31(上場承認日:2024/06/27)
  • 市場区分:東証スタンダード市場
  • コード:220A
  • 上場日時価総額:35億7,000万円
  • 資本金:1億円(2024年6月27日時点)

IPOのメリット

IPOするメリットは多岐にわたります。ここでは企業、従業員、株主それぞれの目線から、IPOするメリット・デメリットをわかりやすく解説します。

企業のメリット

1.社会的な信頼度が高くなる

企業がIPOするには、市場の厳しい上場審査をパスしなければなりません。IPOをしている企業は上場審査をクリアするために、企業内の仕組みや事業の今後の展開を明確にしているので、銀行をはじめとする社会的信頼度が高くなります。

社会的な信頼度の高さは、世間からの企業イメージや新しい顧客を獲得しやすさに直結するため、事業を拡大するうえで重要な要素になるといえるでしょう。

2.資金調達力が高くなる

企業がIPOすると株式上場が可能になり、株の売買で投資家から資金を獲得できるなど資金調達力が高くなります。

株式は借入金に含まれないため返済する必要がなく、事業拡大の資金として非常に有効です。また、銀行からの融資の幅も広がるので、より事業拡大するリソースを潤沢にすることも可能でしょう。

3.採用力が高くなる

IPO化は市場で自社の存在感をアピールすることにつながり、市場での評判をきっかけに多くの人に存在を知ってもらえるきっかけになります。世間からの認知度が高いと、それだけ多くの求職者に認識してもらえるようになるので、採用力が高くなる傾向が強いです。

さらに求職者にとって株式上場しているかどうかは、企業の信頼度を左右する要素になるため、IPO化したほうが求職者からの信頼を勝ち取りやすいといえるでしょう。

4.社内管理体制が強化される

上場審査基準は上場する市場によって内容が異なりますが、高水準の社内管理体制状態であることが条件の審査基準がほとんどです。そのため、IPO化するには社内管理体制を見直すステップが必要になり、結果として社内管理体制が強化されるメリットが生まれます。

社内管理体制の強化は、業務のブラックボックス化の防止や社員のオーバーワークを改善するきっかけになるので、企業を長く存続するためには重要なステップであるといえるでしょう。

5.社員のモチベーションが強化される

IPO化で世間的な認知度が上がると周囲から評価がされやすくなるので、社員のモチベーションアップにつながります。社員のモチベーションが高いと業務の効率も高くなる傾向があるため、社内で好循環が生まれるきっかけにもなります。

従業員のメリット

1.社会的な信頼度が高くなる

企業がIPOを果たすことで、従業員一人ひとりの社会的な信頼度も向上します。上場企業に勤めることは、対外的な信用力の強化につながり、住宅ローンやクレジットカードの審査で有利になるケースが多いです。また企業の知名度が上がることで、社外での人脈形成や転職の際の評価にもプラスに働くでしょう。

2.資産形成の機会が広がる

IPOを目指す企業の多くは、業績向上や従業員のモチベーション向上を目的として、ストックオプションを付与することがあります。ストックオプションを受け取った従業員は、企業の成長とともに株価が上昇すれば、株式を有利な価格で取得し、売却益(キャピタルゲイン)を得ることができ、従業員の資産形成の機会が広がります。

以下の記事では、ストックオプションについて詳しく解説しています。理解を深めたい方はぜひ併せて確認してみてください。

<関連記事>IPOを目指す企業必見! ストックオプション徹底解説と法務戦略の重要性

投資家のメリット

1.株価上昇による利益が期待できる

IPOを果たしたことで企業の知名度や市場での評価が高まり、特に成長性の高い企業の場合、株価の上昇が期待されます。株価上昇による含み益や売却益を得られる可能性が高いため魅力的な投資先となります。ただし株価は市場の影響を受けるため、慎重なリスク管理も重要です。

2.買い付け手数料無料

IPO投資では、多くの証券会社が買い付け手数料を無料に設定しているため、通常の株式取引に比べてコストを抑えて購入できるメリットがあります。特に公開価格で当選した場合、初値が公開価格を上回ると即座に利益を得られる可能性があり、手数料負担なしで効率的な投資が可能です。

IPO準備において、フェーズごとのタスクとスケジュールについて詳しく知りたい方は、ぜひ以下お役立ち資料も併せて確認してみてください。

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IPOのデメリット

様々なメリットがあるIPOですが、いくつか注意すべきデメリットも存在します。ここでは、企業、従業員、株主それぞれの目線から、IPOするデメリットをわかりやすく解説します。

企業のデメリット

1.準備に費用・時間のコストがかかる

IPOするには社内管理体制を高い水準に維持する必要があるため、準備するだけでもかなりの費用がかかります。企業の状態や規模にもよりますが、最低でも数千万円程度の価格感を持っておいたほうが良いでしょう。また費用だけでなく、時間も3年ほどかかってしまうため、それだけの長い時間に耐える企業体力も必要です。

2.買収リスクが増加する

IPOして株式に上場すると、競合企業や意図しない株主が株を買い占めてしまい、買収されてしまうリスクが高まります。買収されてしまうと会社の経営権を握られてしまう状態に陥ってしまうので注意しましょう。また買収までいかずとも、株主に配慮した経営センスが問われるので、事業スタンスが変わってしまうことも珍しくありません。

3.上場維持のために費用と情報開示の手間がかかる

IPOを無事成功させても、上場を維持するためには定期的に情報を開示し続けなければなりません。監査報酬や株主総会を開催する費用も必要になるので、数千万円程度のランニングコストがかかってしまうでしょう。

従業員のデメリット

1.IPO準備による業務負荷の増加

IPO準備では内部統制の強化や監査対応が求められるため、特に経理・法務・人事部門では、通常業務に加えて膨大な書類作成が発生します。さらに業務量の増加だけでなく、求められるクオリティも高くなることが多く、従業員の負担が一層重くなる可能性があります。

2.社内文化や働き方の変化

IPO後は株主や投資家を意識した経営が求められ、短期的な業績重視の文化に変わることがあります。そのためリスク回避志向が強まり、意思決定のスピードが遅くなる可能性があります。また創業期のフラットな組織から階層構造が強まることで、従業員の裁量権が減少することも考えられます。

3.ストックオプションのロックアップ期間

会社から付与されたストックオプションには一般的にロックアップ期間があり、一定期間は売却できません。IPO直後に株価が大きく上昇しても利益を確定できず、ロックアップ解除後には市場環境や企業業績の影響で株価が下落するリスクもあります。また流動性が制限されるため、短期間で現金化しにくい点もデメリットです。

投資家のデメリット

1.当選倍率が低い

IPO投資は人気が高く、一般的に当選倍率が低いです。特に注目度の高い銘柄では、抽選倍率が数百倍になることもあり、そもそも当選できない可能性が高いです。また証券会社によっては、預けている資金や取引実績に応じて当選確率が変わるため、初心者や資金の少ない投資家には不利になる場合があります。

2.株価の変動リスク

IPO直後の株価は需給や市場の期待によって大きく変動しやすく、公開価格を上回ることもあれば、大きく下回ることもあります。特に過大評価された銘柄や、業績が未成熟な企業の場合は、上場後に初値が急騰した後、短期間で大幅に下落したり、成長が見込み通りに進まなかった場合に株価が長期間低迷する可能性もあります。

3.抽選時に資金が拘束される

抽選時に資金運用の自由度が下がる点がデメリットです。IPOの抽選に申し込む際、証券会社によっては申し込み時点で購入資金が拘束されるため、当選が決まるまで他の投資に使えません。抽選に落選した場合は資金が戻ってきますが、その間に他の有望な投資機会を逃してしまう可能性もあります。

IPO準備の手順

IPOを申請するには、多くのステップをクリアしなければなりません。一般的に3〜4年ほど準備期間が必要であるため、全体の動きを把握してから計画を練ることが大切です。下図ではIPO準備の手順を4つの段階に分けて、わかりやすくまとめています。上場(IPO)準備の全体スケジュールを説明するフロー図

各フェーズの詳細については以下の記事で詳しく解説しているので、気になる方はチェックしてみてはいかがでしょうか。

<関連記事>上場(IPO)準備の全体スケジュールと期間ごとの具体的な手順

IPOにかかる費用とは?

IPOをするのにかかる費用は以下のとおりです。

  • 監査法人の調査費用:150万円~
  • 監査費用:300万円~
  • 上場審査料:100万円~
  • 上場手数料:200万円~
  • 年間手数料:60万円~
  • 証券会社など引受手数料:公募価格×株式数×手数料率(5~7%)
  • 証券会社コンサルティング費用:500万円~
  • 有価証券届出書作成費用:100万円~
  • その他上場コンサルタント費用:500万円~
  • 株式事務代行費用:400万円~

合計すると2,400万円以上の費用が発生するので、自社の資金のリソースを確認しつつ、計画的な予算配分をすることが重要です。

IPO申請できるおすすめ株式市場

日本国内には複数の株式市場があるため、IPOを申請するにあたってどの市場にIPO申請するかを事前に決めておかなければなりません。特にベンチャー企業や中小企業の場合は、上場審査の条件をクリアできる市場が限られているので注意が必要です。

ここではベンチャー企業や中小企業でもIPO申請が通りやすいおすすめ株式市場を4つ紹介します。

東京証券グロース市場

東京証券グロース市場は東京証券が運営している「高い成長可能性を有する企業向けの市場」で、ベンチャー・スタートアップ企業でも上場できる新興企業向けの市場です。上場審査基準で経営状態や財政状況が問われないので、事業規模が小さな企業でも成長する余地があると判断されればIPO申請が通る可能性があります。

以下の記事では東証グロース市場について詳しく解説しています。理解を深めたい方はぜひ併せて確認してみてください。

<関連記事>【2025年最新データ】東証グロースとは?特徴や上場基準、メリット、費用を大解説

名古屋証券ネクスト市場

名古屋証券ネクスト市場は地方証券取引所である名古屋証券が運営している、成長を目指す企業向けの市場です。着実な成長を重ねている企業が評価される傾向が強く、マイナーな事業範囲でも地道に業績を積み重ねていればIPO申請が通る可能性があります。

参考:名証 | ネクスト市場上場

札幌証券アンビシャス市場

札幌証券アンビシャス市場は地方証券取引所である札幌証券が運営している、中小・中堅企業向けの市場です。名古屋証券ネクスト市場と同じく、着実な成長を重ねている企業が評価される傾向が強いことに加え、IPO申請するには事業拠点が北海道にある、または事業内容が北海道と何らかのつながりが必要です。

参考:アンビシャス市場について | 札幌証券取引所

福岡証券取引所Q-Board

福岡証券取引所Q-Boardは地方証券取引所である福岡証券が運営している、九州周辺の地域経済の浮揚・発展を目的とした市場です。上場審査では過去の実績を考慮しないなど、将来の成長性に重点をおいている傾向が強いです。

しかし対象の企業が九州周辺に本店を有する企業もしくは九州周辺における事業実績・計画を有する企業になっているので注意しましょう。

参考:福岡証券取引所|Q-Board Guide Book 2024年4月版

IPOの審査基準

IPOの審査基準は形式要件実質審査基準の2種類があります。

例えば新興企業、ベンチャー企業向けの東証グロース市場の形式要件を以下にて一部抜粋します。

  • 株主数:150人以上
  • 流通株式数:1,000単位以上
  • 流通時価総額:5億円以上

また東京証券グロースの実質審査基準では「高い成長可能性」がキーワードになります。成長可能性を審査する項目は以下のとおりです。

  • 事業内容やビジネス内容
  • 市場規模や競合環境
  • 展開している事業の競争力やリスク管理
  • 経営指標とその内容を採用した過程
  • 最新3年間程度の実績値と目標値
  • 利益計画など

東証グロース市場審査基準の詳細は日本取引所グループが公開している上場審査基準から確認できます。

なお、形式要件と実質審査基準は上場する市場によって内容が大きく異なるため、上場する市場を明確にし、内容をしっかりと確認することが大切です。

IPO成功に必要となる資本政策

資本政策とは自社の資本構成を計画的に設計・管理するための方針や戦略を指します。資本政策を実施すると、IPO申請によって引き起こされる買収のリスクを軽減できるなど、安定して経営につながるメリットを得られます。

資本政策の手法は主に以下のとおりです。

  • 種類株式の発行
  • 株主割当増資
  • 第三者割当増資
  • 従業員持株会
  • ストックオプション
  • 株式移動
  • 株式分割
  • 自己株式の取得
  • 自己株式の処分(売却)
  • 新株予約権付社債

ただし株式移動や第三者割当増資など、株主の構成を変える資本政策は自社のみの対応では実現が難しいので、主幹事証券会社などに協力してもらうことを視野に入れる必要があるでしょう。

以下の記事では資本政策について詳しく解説しています。理解を深めたい方はぜひ併せて確認してみてください。

<関連記事>【資本政策とは?】目的や実施ステップを中小企業目線で解説

IPOを成功させた企業の5つの特徴

IPO申請は多くの項目に対応しなければいけないうえ、長い準備期間と多くの費用を要するので、成功させるハードルが高いといえるでしょう。スムーズにIPO申請を進めるには、IPO化に成功した企業の傾向を読み取り、計画や行動に反映させることが鍵になります。ここでは、IPOを成功させた企業の特徴を5つ解説します。

1.充実した内部管理体制およびコンプライアンス体制を早期構築している

どの市場にIPO申請をしたとしても、高いレベルの内部管理体制、コンプライアンス体制を求められます。求めるべき社内体制についてあまり明確なイメージがつかめない場合は、コンサルタントと契約を結んでアドバイスをもらうなど、早期からの対応が大切です。

2.好業績を維持している

IPO申請では事業の成長性も重要な観点になるので、好業績を維持し続けることが重要です。IPO申請や申請するための準備には多くの費用がかかるため、準備段階で事業の業績が悪くなってしまうと、ランニングコストに耐えられなくなってしまうでしょう。

3.明確なスケジュールを立ててIPO申請に臨んでいる

IPO申請の準備には膨大なステップをクリアする必要があり、一般的な企業の場合、準備に3年以上かかるなど、短期間で成功できるものではありません。事前に明確なスケジュールを立てて行動することが必要です。

明確なスケジュールを立てるためには、IPO申請に関する専門知識がないと難しいです。経験豊富なコンサルタントやサポート企業に相談することをおすすめします。

4.自社に合ったツールやコンサルタントを活用している

社内管理体制やコンプライアンス体制を効率よく強化するためには、自社に合ったツールやコンサルタントを利用することをおすすめします。効率の良い改善を心がけないと、体制を無理に変更して業績が低迷してしまう事態に陥ってしまうので注意が必要です。

5.近年の審査傾向を把握している

上場後の業績下方修正や不正事案が相次いでいることから、近年の上場審査では以下の項目を重点的に確認している傾向が強いです。

  • コーポレート・ガバナンスの強化
  • 内部統制体制の強化
  • 情報開示の適正化

上記の項目は内部管理体制およびコンプライアンス体制の充実にもつながるので、社内管理体制を改善する際に意識してみると良いでしょう。

本当にIPOがベストな選択肢なのか?IPO以外の出口戦略

IPO申請を計画する前に、必ず「本当に自社の成長にとってIPO申請が必要なのか」を考えるようにしましょう。事業拡大に多額の資金調達をする必要性を感じられなかったり、経営者が現状の状態で満足していたりする場合は、IPO申請がベストな選択肢だとは限りません。

あえて非上場のまま企業を成長させる、M&Aによるキャピタルゲインを狙うなど戦略は複数あります。企業の方針や目的を明確にしてから手段を選ぶことをおすすめします。

以下の記事では、出口戦略のもう一つの選択肢M&Aについて詳しく解説しています。理解を深めたい方はぜひ併せて確認してみてください。

<関連記事>M&Aでのイグジットとは?基礎・実践・成功のポイントを完全ガイド

【まとめ】IPO申請は事業拡大のきっかけになる

本記事ではIPOの基礎知識や申請の流れなどを、企業目線でIPOとは何かをわかりやすく解説しました。IPOは事業拡大に有効なメリットが大きい分、準備期間や費用のコストが重いといえるでしょう。

スムーズにIPO申請を進めるには、明確なスケジュールと上場に関する知識が必要になります。IPOを成功させて企業をより大きくしたいと考えている方は、まずは専門のコンサルタント、もしくはサポートしてくれる業者に相談してみてはいかがでしょうか。

IPO準備ガイドブック フェーズごとに徹底解説!IPOに必要なタスクとスケジュール

Startup JAM編集部
執筆

Startup JAM編集部

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AI法務プラットフォーム「LegalOn Cloud」を提供する株式会社LegalOn Technologiesの、「Startup JAM-スタートアップ向けにビジネスの最前線をお届けするメディア-」を編集しています。

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