startup-jam LegalOn Cloud

IPO準備で必要な「人事・労務の基盤」整備とは?整備ポイントや人材要件も解説

IPO準備で必要な「人事・労務の基盤」整備とは?整備ポイントや人材要件も解説

【IPO準備ガイドブック】フェーズごとに徹底解説!IPOを成功させるためのタスクとスケジュール

無料でダウンロードする

「人事・労務の基盤」整備は、近年のIPO準備のなかで特に重要性が高いものになりつつあります。その一方で、「人事・労務の基盤」整備には、定性的な特徴などの理由からほかの項目と比べて着手やゴール設定などが難しい傾向もあるようです。

この記事では、IPO準備を進めるうえで重要となる「人事・労務の基盤」整備について解説します。人事・労務デューデリジェンスの準備をしている方は、ぜひこの記事を参考にしてください。

IPO準備で必要な「人事・労務の基盤」について

「人事・労務の基盤」整備は、IPO準備を進める企業にとって重要な仕事です。では、IPO準備における「人事・労務の基盤」整備とはどういったものであり、なぜ重要とされているのでしょうか。ここでは、以下の流れで概要を確認していきましょう。

  • IPOとは
  • IPO準備における「人事・労務の基盤」とは
  • 「人事・労務の基盤」整備の重要性が高まる理由
  • 「人事・労務の基盤」は、いつまでに整備すべき?

IPOとは

IPOとは、「Initial Public Offering」の略語です。非公開・非上場の会社が株式などを証券取引所に上場させて、自社の株を一般投資家が自由に売買できるようにすることを指します。日本語では、新規上場株式や新規公開株式と呼ばれています。

スタートアップやベンチャー企業がIPOを行うと、社会的信用の向上から資金調達や優秀な人材確保がしやすくなる効果・メリットが期待できます。IPOによって自社の信用度や知名度が向上すれば、社内メンバーのモチベーション向上も得られるかもしれません。

また、これは後述する「人事・労務の基盤」とも関連しますが、IPOに向けたコーポレート・ガバナンス(内部管理体制)が強化されることで、従業員が働きやすい環境も整備されやすくなります。

<関連記事>IPOの基礎知識や申請の動きをわかりやすく解説します!

IPO準備における「人事・労務の基盤」とは

企業がIPO(上場)を目指す場合、IPOの関係者が対象企業の問題点を調査・検討するデューデリジェンス(DD)の実施が必要です。デューデリジェンスには、「事業」「財務」「法務」「税務」「IT」……とさまざまな種類があり、今回のテーマである「人事・労務」も重要性が高いものの一つになります。

人事・労務デューデリジェンスは、企業の人事および労務に関する管理方法や仕組み、運用実態などが上場企業の基準に達しているかを見ていくものです。そして、この基準をクリアするために整備すべき対象が「人事・労務の基盤」になります。

「人事・労務の基盤」整備の重要性が高まる理由

近年のIPO準備では、人事・労務デューデリジェンスに備えることの重要性が特に高まっています。その背景にある第1の理由が、近年の企業で「人(従業員)」に関する課題や労働問題が起こりやすくなっている現状があります。

たとえば社内でハラスメントやサービス残業などが常態化していれば、そこから離職者の増加や社会的信用の低下などが起こりやすくなるでしょう。つまり企業が適切な人事・労務管理を行わない状況が、様々なリスクになりかねないことを意味します。

また近年は、若手の早期離職や採用難なども生じやすい状況です。こうしたなかで、企業が安定的な事業を行い自社の価値を高め続けるうえでは、「人事・労務の基盤」を整備することで、従業員が定着しやすい環境作りをすることも求められるでしょう。

従来からある第2の理由として、上場審査基準に以下の「形式基準」と「実質審査基準」があることも影響しています。

  • 【形式基準】株主数、時価総額、純資産の額、事業継続年数 など
  • 【実質審査基準】継続性、収益性、健全性、内部管理体制の有効性、企業内容開示の適正性 など

参考:上場審査基準(日本取引所グループ)

上記を見るとわかるとおり、形式基準の「株主数」や「純資産の額」などは、定量的な特徴からゴールを目指しやすい項目です。これに対して、実質審査基準の「健全性」や「内部管理体制の有効性」などは、どちらかといえば定性的な要素であることから対応範囲の知見も少なく後回しになりがちになります。

「人事・労務の基盤」づくりは、まさに定性的な実質審査基準に該当するものです。

この2つの背景から、「人事・労務の基盤」づくりには「近年のIPO準備で重要性が増している一方で、定量的な要素と比べて後回しになりやすい傾向がある」といえるでしょう。

「人事・労務の基盤」は、いつまで整備すべき?

IPO準備に向けた「人事・労務の基盤」整備は、さまざまなデューデリジェンスが実施される「上場申請する年の直前々々期(3年前)」までに実施するのが一般的です。

ただし、1つ注意点があります。

それは、上場申請の3年前ぎりぎりではなく、早めに着手する必要がある点です。その理由は、「人事・労務の基盤」整備には、多くの時間がかかるのが一般的だからとなります。たとえば、経営理念や人事制度などは「作成・導入さえすればOK」ではありません。

投資家に「この企業は価値がある」や「今後も成長しそうだ」と思ってもらえる状態にするためには、経営理念や人事制度などを浸透・機能させ、それによって従業員が高いモチベーションで成果を出すことが求められます。

また、一般的な人事・労務デューデリジェンスは、弁護士や社会保険労務士などの専門家に依頼することが多いです。以下の流れで進めるなかで厳しい指摘があれば、解決につながる改善策の実行も求められるでしょう。

【人事・労務デューデリジェンスの一般的な流れ】

  1. 労務管理の現状把握
  2. 各制度の運用実態の確認
  3. 課題や問題点の抽出
  4. 専門家によるレポート(指摘)
  5. 問題の解決につながる改善策の実行

改善策を実行し上場審査基準をクリアできる状態にするためには、それなりに長い時間がかかることが多いでしょう。将来的にIPOをする予定がある場合、「人事・労務の基盤」整備は早めに取り組むことが大切です。

IPO準備における「人事・労務の基盤」の整備ポイント

IPOの準備で「人事・労務の基盤」を整備する場合、上場審査基準を参考にしながら作業を進めていくことが効率的です。上場審査では、以下のような書類を通じて基準をクリアしているかどうかの判断を進めていきます。

  • 労使協定の内容を示す書類
  • 人事政策および、3年分の従業員の異動や出向者の状況を示すもの
  • 時間外労働および休日労働の状況やその管理方法を示すもの
  • 労働基準監督署による調査状況や今後2年間の人員計画

審査では、このほかにも確認対象となる事項がいくつかあります。ここでは、「人事・労務の基盤」において企業が整備すべき主なポイントを以下の流れで見ていきましょう。

  • 社内規程は整備されているか
  • 人事制度・施策は整備されているか
  • 年次有給休暇の取得はできているか
  • 未払いの賃金はないか
  • 労働者を社会保険に加入させているか
  • ハラスメントがないか
  • 安全衛生管理体制は構築されているか
  • 人事・労務トラブルはないか

社内規程は整備されているか

「人事・労務基盤」のさらなる土台になるのが、就業規則や労使協定などの規則類です。近年のビジネス環境では、働き方改革やダイバーシティ経営といった影響から、多様な人材を雇い入れるケースが多くなっています。IPOを目指す企業においても、各人材に対応した規程の整備・運用が必要でしょう。

就業規則は、常時10人以上を雇い入れる際に作成・届出が義務付けられているものです。ただし、IPOに向けた準備をするのであれば、常時10人に満たなくても早めに作成しておくとよいでしょう。就業規則を作成済みの場合、以下4つのポイントを確認することが求められます。

  • 法改正が反映されているか
  • 絶対的記載事項・相対的記載事項・任意的記載事項を理解し、それぞれが記載されているか
  • 労働基準法などを遵守しているか
  • 実際に社内運用できる内容になっているか

就業規則は、制度改正の内容がきちんと反映されていて、労働基準法などの法律に則ったものを適切に運用できる状態にすることが大切になります。

また法定労働時間を超えた時間外労働(残業)や休日労働をさせる場合、労働者代表との労使協定(36協定)の締結と所轄労働基準監督署長への届出が必要です。

就業規則と36協定のポイントは以下の記事で詳しく解説しています。ぜひチェックしてください。

<関連記事> 36協定とは?届出の流れや残業時間の上限規制、時間外労働を減らすコツなども解説

<関連記事> 就業規則とは?効力や記載内容、作成・届出のポイントなどを解説

人事制度・施策は整備されているか

企業が成長を続け、投資家にとって魅力的な存在であり続けるためには、採用された従業員が活躍・定着し、高いモチベーションで働ける仕組みが必要です。その仕組みは、人事部門が行う採用・育成・評価・管理などの施策全般になります。

IPOに向けた人事制度・施策を整備する場合、組織的運営ができる状態をつくることも大切です。組織的運営とは、経営者などの特定の個人が経営・運営するのではなく、全従業員が運営に携わるものになります。

また、人事の評価制度も、評価基準などが明確で従業員から納得される内容であることが大切です。そこで従業員から不満が続出するような人事制度である場合、優秀な人材の流出リスクが高まることで、自社の価値を低下させてしまうでしょう。

人事評価制度については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひチェックしてください。

<関連記事> 【2025年最新版】人事評価制度の成功事例集|評価手法の最新トレンドや期待できる効果も解説

年次有給休暇の取得はできているか

2019年(平成31年)4月1日から、労働基準法の改正によって「年5日の年次有給休暇取得」が義務化されることになりました。IPO準備企業は、年次有給休暇に関して以下の4点をチェックする必要があります。

  1. 年次有給休暇の基本ルールを理解しているか(6ヵ月継続勤務+全労働日の8割以上出勤が付与要件 など)
  2. 年5日の年次有給休暇を取得させているか
  3. 年次有給休暇管理簿は作成しているか
  4. 就業規則に時季変更に関する事項を記載しているか

参考:年次有給休暇制度は改正労基法に対応したものとなっていますか?(厚生労働省)

上記でいう「年5日」の数字をクリアするためには、年次有給休暇を取得しやすい環境づくりも大切です。厚生労働省では、以下の資料で環境整備や意識改革のポイントなどを解説しています。ぜひチェックしてください。

参考:年次有給休暇を取得しやすい環境の整備(厚生労働省)

未払いの賃金はないか

まず、労働基準法の第24条では賃金支払いの五原則として以下のルールを定めています。ここでいう「賃金」には、いわゆる残業代である時間外労働の手当も含まれるでしょう。

  1. 通貨で
  2. 直接労働者に
  3. 全額を
  4. 毎月1回以上
  5. 一定の期日を定めて支払わなければならない

参考:賃金の支払方法に関する法律上の定めについて教えて下さい。(厚生労働省)

未払い賃金が発覚した場合、過去2年間を遡って支払うことが求められます。IPO審査前に未払い賃金の事実が発覚すれば、多くの支払いが発生することで利益確保が難しくなり、場合によってはIPO審査が進まなくなる可能性もあるでしょう。

近年賃金トラブルとして多い種類に、いわゆる「みなし残業(みなし残業代)」のように残業代を固定化するものがあります。

みなし残業代の仕組み自体は問題ないのですが、たとえば給与に「月10時間分の残業代」を含めているのにも関わらず、実際には「20時間の残業」をさせていた場合、「20時間-10時間⇒10時間分」が未払い賃金(未払い残業代)になってしまうでしょう。

残業代の固定による問題は、厚生労働省の資料でも解説されています。ぜひチェックしてください。

参考:固定残業代を賃金に含める場合は、適切な表示をお願いします。(厚生労働省)

労働者を社会保険に加入させているか

労働者が、適切に社会保険に加入していることも必要です。「社会保険」という言葉には、広義と狭義があります。広義に該当する種類は、以下の5つです。

  • 医療保険
  • 年金保険
  • 介護保険
  • 労災保険
  • 雇用保険

社会保険の加入でポイントになりやすいのが、パートタイマーやアルバイトといった非正規労働の対象者です。2024年10月以降は、従業員数51~100人の企業などで働くパートタイマー・アルバイトも新たに社会保険の適用対象となりました。

適用対象であるにも関わらず未加入であれば、法令違反に該当することで審査通過は難しくなります。適切なタイミングで加入させる必要があるでしょう。

参考:人事・労務管理者のみなさま|社会保険適用拡大対象となる事業所・従業員について(厚生労働省)

安全衛生管理体制は構築されているか

労働安全衛生法では、事業場を一つの適用単位として、各事業場の種類・規模などに応じた安全衛生管理体制の整備を義務付けています。衛生管理者や産業医などの選任も、安全衛生管理体制の整備で行うべきことです。

この項目のポイントは、「従業員の安全を守るためにどのような対策がとられているか?」になります。従業員のメンタルヘルス対策の導入・実施も、この項目に含まれるものでしょう。職場で実施できるメンタルヘルス対策について、厚生労働省からさまざまな情報を提供中です。

参考:メンタルヘルス対策のポイント(厚生労働省)

参考:職場のあんぜんサイト|メンタルヘルス対策(厚生労働省)

法律が定める安全衛生管理体制については、厚生労働省の以下資料をチェックしてください。

参考:安全衛生管理体制のあらまし(厚生労働省)

ハラスメントがないか

従業員が働きやすい環境をつくるうえでも、ハラスメント対策は大切です。特に2020年6月以降は、パワーハラスメントの防止措置が事業主に義務付けられるようになりました。

また、企業内で起こるハラスメントには、以下のようにさまざまな種類があります。

  • パワハラ(パワーハラスメント)
  • セクハラ(セクシャルハラスメント)
  • マタハラ(マタニティハラスメント)
  • パタハラ(パタニティハラスメント)
  • モラハラ(モラルハラスメント)
  • ジェンハラ(ジェンダーハラスメント)
  • ジタハラ(時短ハラスメント) など

近年では、一部の業種において、お客様からのカスハラ(カスタマーハラスメント)による被害も注目されるようになりました。

ハラスメントが多発する環境では、従業員のモチベーションや生産性なども低下しやすくなります。また、ハラスメントの事実が社会に露呈した場合、イメージ低下から不買行動などが起こる可能性もあるでしょう。

ハラスメントの対策では、防止措置とあわせて、被害が発生したときの相談窓口や適切な対応をするための体制なども整備する必要があります。

厚生労働省では、ハラスメント対策に関するさまざまな資料を公開中です。ぜひチェックしてください。

参考:職場におけるハラスメントの防止のために(セクシュアルハラスメント/妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント/パワーハラスメント)(厚生労働省)

参考:2020年(令和2年)6月1日より、職場におけるハラスメント防止対策が強化されました!(厚生労働省)

参考:「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」等を作成しました!(厚生労働省)

人事・労務トラブルはないか

以下のような問題などから訴訟トラブルに発展した場合、上場審査にも悪影響を及ぼします。

  • 有給休暇を取得させてもらえない
  • 残業代が支払われない
  • 上司からのパワハラの影響で休職せざるを得なくなった
  • 労働条件が不利益な方向に変更された
  • 理不尽な理由で一方的に解雇された など

IPOに向けた準備を進めるなかでは、上司や同僚とのトラブルが起きていないかなどのチェックも必要です。また、企業と従業員がお互いに納得した条件で働けているかの確認も大切になるでしょう。

従業員からの訴えは、本人の退職後に行われることも多いです。上場審査中にこうした事態を起こさないためにも、トラブルが生じにくい環境づくりと適切かつ迅速なトラブル対応が必要でしょう。

IPO準備に必要な「人事・労務」の人材について

企業がIPOに向けた準備を進める場合、人事・労務部門では、勤怠管理や給与計算などの通常業務に加えて、上場審査基準をクリアするための仕事を行う必要がでてきます。

企業が上場し、自社の価値を高めていくうえでは、労務管理やハラスメントの相談対応といった日常的な業務も疎かにできるものではありません。したがって企業がIPOに向けた準備を進める場合、人事・労務の管理部門の人員を増やすことも検討する必要があるでしょう。

では、今回のテーマである人事・労務の領域では、どういった人材を獲得すればよいのでしょうか。以下の流れでポイントを見ていきます。

  • IPO準備で獲得すべき「人事・労務」領域の人材要件とは
  • 人材獲得が難しい場合のアウトソーシング利用

IPO準備で獲得すべき「人事・労務」領域の人材要件とは

獲得すべき人材の要件は、人事・労務部門にすでに在籍する既存のメンバーとの兼ね合いによっても変わる要素です。ただ、IPO準備で求められる「人事・労務の基盤」整備」という仕事を前提にすると、部門トップ~マネージャー層には、以下の経験や資質があることが理想的でしょう。

  • 経営的な視点
  • 人事制度の構築・見直しの経験
  • 人事企画の経験 など

また、IPOに向けて管理部門のレベルアップをはかるためには、採用力が高い人材も必要です。ここでいう採用力とは、自社が目指すビジョンや大切な価値感などを理解したうえで、その方針に合う人材に魅力付けを行い獲得することを指します。また、引く手あまたの優秀な人材を採用するためには、相手のニーズを汲み取り自社の魅力を伝える営業力も求められるでしょう。

人材採用に営業力が必要という視点で考えると、自社の営業部門などからの配置転換も有効になるかもしれません。自社が大切にする価値観や行動指針などをよく理解し、仕事のなかで実践できる人材であれば、外部から新たに採用担当者を獲得するよりも早く採用活動に入っていける可能性が高いでしょう。

また、上場審査基準をクリアするためには、以下のような労務関連事項を適切に管理・監視し続けられる体制も必要です。

  • サービス残業をさせていないか
  • 未払い残業代はないか
  • 年次有給休暇は適切に取得できているか など

こうしたチェックを日常的に行うためには、労務関連に特化した人材を置くことも一つです。また、人材採用とは直接的な関係はありませんが、労務管理や勤怠管理のシステムを導入することも適切な管理の実現につながるでしょう。

人材獲得が難しい場合のアウトソーシング活用

スタートアップ期で多くの人材を採用する余裕がない場合は、以下のような定型業務を部分的に切り出し、外部の事業者にアウトソーシング(委託)するのも一つです。

  • 給与計算
  • 年末調整
  • 社会保険手続き
  • 人材育成
  • 採用活動 など

たとえば毎月の給与計算や社会保険手続きなどの定型業務を外部に委託すると、人事の担当者は、人事・労務デューデリジェンスで専門家から指摘された問題への対応や、新たな施策の設計などに専念しやすくなるかもしれません。

また、上記とは逆の方法として、IPO準備業務の一部を外部の専門家に委託する方法もあります。専門家に委託をすると、IPO準備を少人数でスケジュール通りに進めやすくなるでしょう。税理士法人やコンサルティング会社などとの築いた良好な関係が、今後の事業展開に役立つこともあるかもしれません。

なお、こうした外部委託(アウトソーシング)にも「委託費用がかかる」や「その分野の知識が社内に蓄積しない」などのデメリットがあります。IPO準備を進めるなかで人事部門の人材不足に悩む場合は、ひとつの選択肢として一部業務のアウトソーシング化を検討してみてください。

IPO準備における「人事・労務の基盤」整備について解説しました

近年のIPO準備では、「人事・労務の基盤」を整備することの重要性が高まるようになりました。自社のIPOスケジュールに合わせて上場審査基準をクリアするためには、就業規則・人事制度・労務管理の方法などを早めにチェック・整備していくことが大切です。

また、IPOの準備にともない人事部門の人員補強をする際には、記事で紹介したポイントを重視しながら、自社に合う人材を獲得していく必要があるでしょう。

IPO準備ガイドブック フェーズごとに徹底解説!IPOに必要なタスクとスケジュール

Startup JAM編集部
執筆

Startup JAM編集部

Startup JAM編集

AI法務プラットフォーム「LegalOn Cloud」を提供する株式会社LegalOn Technologiesの、「Startup JAM-スタートアップ向けにビジネスの最前線をお届けするメディア-」を編集しています。

【IPO準備ガイドブック】フェーズごとに徹底解説!IPOを成功させるためのタスクとスケジュール

今すぐ資料をダウンロードする

AI契約書レビューや契約書管理など
様々なサービスを選択してご利用できるハイスペック製品

製品についてはこちら