startup-jam LegalOn Cloud

シリーズBとは?資金調達方法や成功させるためのポイントを解説!

シリーズBとは?資金調達方法や成功させるためのポイントを解説!

スタートアップの「資金調達」がよくわかるガイドブック~基礎から実践まで~

無料でダウンロードする

シリーズBとは、事業が軌道に乗り始め、さらなる成長や事業拡大を目指す段階の資金調達を指します。シリーズBの資金調達方法を理解しておけば、事業を継続的に成長させやすくなります。この記事では、シリーズBの資金調達方法や成功させるためのポイントを解説します。

本記事を読めば、会社を設立したばかりの企業はどのように資金調達すればよいのかが理解できるでしょう。シリーズBの資金調達方法を知りたい方は、本記事を参考にしてください。

シリーズBとは?

シリーズBとは、事業が軌道に乗り始め、さらなる成長や事業拡大を目指す段階の資金調達を指します。シリーズBでは投資家が資金回収する時期と企業をさらに成長させるために多額の資金が必要となる時期が重なるため、多くの金額を資金調達しなければなりません。

また、シリーズBでの資金調達は、商品の改良や新市場への進出など事業規模の拡大に必要です。軌道に乗り出した段階で事業にお金を使わないと、衰退する恐れがあります。シリーズBは事業をさらに拡大するために資金調達が必要です。

シリーズBとシリーズAの違いとは

シリーズBとシリーズAでは、定義と目的が異なっています。シリーズAでは、事業を開始したばかりの段階をいいます。その一方でシリーズBは事業が軌道に乗り始めた段階のため、シリーズAはシリーズBの前段階です。

シリーズAは、顧客拡大に必要な開発費用やマーケティング投資目的に行われる場合が多いです。シリーズBは事業規模の拡大に活用される傾向にあります。シリーズBとシリーズAを混同しないように、それぞれの定義と目的を理解しましょう。

<関連記事>シリーズAとは?資金調達成功の準備・プロセス・成功のポイント

シリーズBを理解するために知っておくべき投資ラウンドとは?

投資ラウンドとは、投資家がスタートアップに投資する段階のことです。シリーズAとシリーズB以外の投資ラウンドには、4つの段階があります。

  • エンジェルラウンド:創業したてで商品やサービスが形になっていない段階
  • シード:大枠の事業内容が決定している段階
  • シリーズA:新事業を始めたばかりの段階
  • シリーズB:事業が軌道に乗り始めた段階
  • シリーズC:事業が成熟段階に入り、市場シェアの拡大やIPO準備、M&Aを行う段階
  • シリーズD以降:安定的な収益が得られた後の状態

シリーズB以外の投資ラウンドを把握しておけば、スムーズに資金調達ができます。それぞれの投資段階を理解したうえで、投資すべきか判断してください。

エンジェルラウンド

エンジェルラウンドは、会社を設立したばかりで顧客を抱えていない状態です。商品やサービスの開発体制の構築に資金調達が必要で、数百万円から数千万円ほどかかります。また、エンジェルラウンドはエンジェル投資家もしくはインキュベーターが投資する場合が多いです。

エンジェル投資家とは、会社を設立したばかりの企業へ資金提供する個人です。投資をされたら、転換社債もしくは株式を渡す傾向にあります。その一方でインキュベーターとは、会社を設立したばかりの企業に事業の創出サポートを実施しているサービスです。インキュベーターは事業を成長させるために不足している経営資源があれば、用意しています。

シード

シードは事業の大枠が定まっているものの、商品の具体的な販売方法が決まっていない状態です。市場調査費用や人件費、会社設立費用などを支払うために数千万円から数億円の資金を調達する必要があります。

シードでの資金調達は、シード投資家やクラウドファンディングなどがあります。シード投資家とは、会社創業時に焦点を当ててサポートする投資家です。クラウドファンディングでは、インターネットでさまざまな人から資金を提供してもらえます。

<関連記事>シード期を成功させるには?資金調達方法も合わせて解説します!

シリーズC

シリーズCは安定して黒字経営している状態です。シリーズCに到達したすべての企業が資金調達を必要としているわけではありません。ただ、顧客のニーズの変化や市場の動向によって収益が急激に減少する恐れがあるため、資金調達が必要になる可能性があることを理解しましょう。

シリーズCは、プライベート・エクイティ・ファンドもしくはベンチャー・キャピタルを通して投資される場合が多いです。どちらも投資を受けたら株式を渡すのが一般的です。株式の取得範囲に関してはベンチャーは過半数を超えない範囲内で、エクイティは過半数を取得する傾向にあります。

<関連記事>シリーズCとは?A・Bとの違いや資金調達方法・事例まで解説

シリーズD以降

シリーズD以降は、事業の経営が安定している段階です。ただ、事業の規模の拡大のために従業員を増員する場合があり、シリーズD以降に多額の資金調達をする企業が多く見受けられます。資金調達金額は、数十億円です。シリーズD以降では、プライベート・エクイティ・ファンドもしくはベンチャーキャピタルが投資する場合が多いです。

<関連記事>シリーズDとは?定義や資金調達の金額・方法・実例までわかりやすく解説!

シリーズBの資金調達金額の相場

シリーズBの資金調達金額の相場は、数億円から数十億円です。シリーズBのタイミングで資金調達をすれば、商品・サービスの認知度上昇や新しい市場進出への準備ができます。

たとえ事業が安定的に黒字化したとしても、急激に売り上げが伸び悩む時期が訪れるかもしれません。投資家へ企業戦略を伝えて交渉することで資金調達が成功できるように工夫しましょう。

シリーズBの資金調達期間の目安

シリーズBの資金調達は、半年から1年はかかります。そのため、半年から1年間は資金調達できなかったとしても、事業に取り組めるように金銭的余裕をもっておくことが大切です。シリーズBで資金調達をする際は、リード投資家から出資を求めましょう。

リード投資家とは、会社を設立したばかりの企業が出資を募っている際に出資元候補へ声をかけて投資契約の交渉の役割がある投資家です。リード投資家へ出資を求めれば、ほかの候補者も出資してくれやすくなります。

シリーズBの資金調達方法

シリーズBには、3つの資金調達方法があります。

  • VC・CVC
  • 金融機関
  • 国や自治体での補助金

シリーズBの資金調達方法を把握しておけば、スムーズに事業を継続するための資金集めができます。それぞれの資金調達方法を参考にし、自分に合った方法で資金を集めてください。

VC・CVC

シリーズBの資金調達方法として、VC・CVCが挙げられます。VCは、投資資金回収を目的に投資する資金調達方法です。その一方で、CVCは事業の拡大を目的に投資する傾向にあります。

VC・CVCから出資すれば、経営支援や事業を進めるために有効なネットワークの提供などさまざまなメリットを得られます。しかし、CV・CVCからの出資を受けると保有株式比率が高くなって影響力が高まり、自由に経営を進められないかもしれません。

金融機関

金融機関からの資金調達を受ける場合は、民間銀行・政府系金融機関・地域金融機関などの融資が必要です。金融機関から資金調達を受けると、株式比率が下がらないため、社外の人間に経営権を握らせることはありません。

国や自治体での補助金

シリーズBでは、国や自治体での補助金を受け取ることが可能です。補助金は企業の経営サポートを目的に受け取れて返済義務はないため、資金繰りを緩和させられます。

ただ補助金を受け取るためには詳細な事業計画を作成したうえで、厳格な審査が求められます。返済義務に追われるリスクを避けたい方は、国や自治体での補助金を活用して資金調達してください。

シリーズBの資金調達を成功させるためのポイント

シリーズBの資金調達を成功させるためには、3つの方法を実践してください。

  • 事業の成長性を明確に示す
  • 投資家にとって魅力的なエクイティオオファー
  • 投資家への事業の展望や戦略を説明する

シリーズBの資金調達を成功させたい場合は、さまざまなポイントに気をつけなければなりません。それぞれのポイントに気を付けたうえで、シリーズBの資金調達を成功させるための対策をしてください。

事業の成長性を明確に示す

シリーズBの資金調達を成功させたいのであれば、事業の成長性を明確に示しましょう。成長性がある会社だと投資先に示すことで、安心して投資しやすくなるためです。具体的には、事業が参入する市場規模や競合優位性、成長性などをもとに事業の成長性を示します。

また競合他社にはない強みをアピールすれば、投資家からの信頼が高まります。投資家の信頼が高まると投資するハードルが下がり、事業を継続的に成長させやすくなるでしょう。

投資家にとって魅力的なエクイティオファーを提示する

シリーズBの資金調達を成功させたい方は、投資家にとって魅力的なエクイティオファーを提示しましょう。エクイティオファーとは、投資家が企業に投資したことで得られる見返りです。

例えば、株式は投資家にとって魅力的なエクイティオファーの1つです。投資家へエクイティオファーを提示すれば競合他社との差別化へとつながり、優位性の獲得ができます。

投資家へ事業の展望や戦略を説明する

シリーズBの資金調達を成功させたいのであれば、投資家へ事業の展望や戦略を説明してください。投資家と事業戦略を共有すれば、企業の目標に対して理解を深めて長期的な関係の構築ができます。

将来的に企業と投資家が意思決定で意見が一致した場合、事業の成功に向けてお互いに協力しやすくなります。投資家と長期的な関係を続けていく中で、事業の展望や戦略を説明することは大切です。

シリーズBの資金調達成功事例

シリーズBでは、どのように資金調達を成功させればよいのでしょうか。シリーズBの資金調達成功事例として、4つ紹介します。

  • 株式会社日本農業
  • 株式会社すむたす
  • 株式会社アジラ
  • 株式会社ダイニー

シリーズBの資金調達成功事例を把握しておけば、何に気をつければ資金調達がしやすいのか理解できます。それぞれの成功事例を参考にしつつ、どのようにシリーズBを資金調達すればよいのかを模索しましょう。

株式会社日本農業

株式会社日本農業は、過去にシリーズBで総額11億円の資金調達を成功させています。日本農業は、調達した資金を4つの目的で使用する予定です。

  • 国内での大規模輸出産地形成
  • 東南アジアでの自社ブランド形成
  • 輸出用の大規模選果場の設備投資
  • 品種知財を活用した海外生産の強化

日本農業は、今までさまざまな日本農産地物の輸出に取り組んでいます。例えば、自社ブランドを通して日本産りんご市場をインドネシアやタイなどを中心に開拓しました。その結果、タイ・インドネシア・ベトナムでは日本産りんご輸出総額が約2倍に増加しています。

日本農業は自社商品を海外に輸出し、実際に成果を得ています。日本産のりんごを世界中に広めたい思いが投資家へと伝わり、総額11億円の資金調達ができたのでしょう。

参照:PR TIMES

株式会社すむたす

株式会社すむたすは、シリーズBで投資家と日本政策金融公庫から総額12億円の資金調達を完了しました。12億円の資金は、周辺知識へのサービスを拡大するために活用する予定です。

株式会社すむたすは、不動産売買の新たな手段を用意することが目的で「すむたす買取」と呼ばれるサービスを用意しています。すむたす買取とは、スピーディーにお得に不動産を売却できることが特徴的なサービスです。

すむたす買取での利用者からの査定依頼の累計金額は3,500億円、累計件数は10,000件を突破しています。2021年から2022年までの販売件数は前年比の5.4倍と高く、対象エリアも東京都のみから首都圏全般までエリアが拡大しました。株式会社すむたすは、すむたす買取を2028年までに不動産直接売却のNo.1プラットフォームになることを目指しています。

参照:PR TIMES

株式会社アジラ

株式会社アジラは、シリーズBにて総額5億円の資金調達が完了しました。株式会社アジラでは、施設向けAI警備サービス「アジラ」を導入しています。アジラとは、行動認識AIを活用して安全で快適な世界を目指せるサービスです。

従来は防犯カメラ設置による事故や事件の抑制、実際に事故が発生した場合の録画データの見直しが中心でした。しかし、アジラは防犯カメラに映った人物の違和感のある行動を予測し、事故や事件の事前の防止に努めています。

株式会社アジラは5億円の資金を活用し、行動認識AIの高度化やアジラの拡販体制の強化などを実現しています。

参照:asilla

株式会社ダイニー

株式会社ダイニーは、シリーズBにて総額74.6億円の資金調達を実施しています。調達した資金を活用し、飲食業界全体のインフラを目指すことを目的にしてプロダクト開発から人材採用まで進めていく方針です。

ダイニーは、実際に飲食店の売上をアップさせるために「ダイニーPOSレジ」や「ダイニーモバイルオーダー」などを用意しています。ダイニーが飲食店の売上アップさせることを目的にさまざまなサービス展開をした実績から、多額の資金調達が実現できたのでしょう。

参照:PR TIMES

シリーズBについて解説しました

シリーズBとは、事業が軌道に乗り始め、さらなる成長や事業拡大を目指す段階の資金調達を指します。シリーズBでは、VC・CVCや金融機関、国・自治体などで資金調達をしましょう。

また、資金調達を成功させるためには、事業の成長性の明確な提示や事業の展望や戦略の説明が大切です。本記事で紹介した成功事例を参考にし、シリーズBの資金調達を成功させるための工夫をしてください。

スタートアップの「資金調達」がよくわかるガイドブック ~基礎から実践まで~記事末CTAバナー

Startup JAM編集部
執筆

Startup JAM編集部

Startup JAM編集

AI法務プラットフォーム「LegalOn Cloud」を提供する株式会社LegalOn Technologiesの、「Startup JAM-スタートアップ向けにビジネスの最前線をお届けするメディア-」を編集しています。

AI契約書レビューや契約書管理など
様々なサービスを選択してご利用できるハイスペック製品

製品についてはこちら